>>163 イザヤ書の14:12〜:15にはルシファーについての有名な一説があります。「夜明けの子ルシファーよ、
いかにして天より隕ちしや。もろもろの国を倒しし者よ、いかにして斬られて地に倒れしや。汝、心中に
ていわく、《我は天に上がろう。星々の遙か上に王座を上げ、北の果ての集いの山に座し、高き雲悌に
登りて至上者のごとくなるべし》と。しかれど汝は冥府に落とされ、坑の下に入れられん。」
しかし、ここでいうルシファーとは「輝くもの」のことであって、アラム語言語の「ベン・ショーハー」(闇の
子)をラテン語聖書の翻訳者が「ルシファー」と誤訳したまま英語聖書に入れてしまい、美しい言葉であっ
たので、ユダヤ本来の悪魔「アシュモダイ」(醜怪なる山羊)に切り換えられることなく、そのまま残されて
しまったものです。また、ルカ伝10:18でイエスが、「我れ天より稲妻のごとくサタンの落ちしを見たり」とい
われていることから、キリスト教社会では3世紀の早くから“ルシファー=サタン説”が成立してしまった。
しかし、本来の意味は、星を地上の英雄になぞらえる当時の習慣によって占星術者のMagiが、ひときわ
輝く明星を見て亡き英雄バビロンの王を悲しんでの比喩でした。
参考文献:(淑徳短期大学教授/坂下 昇著『オカルト』カバル誕生ルシファ伝説/講談社刊)
『Lucifer はもともと、ラテン語で「光を帯びたもの」(lux 光 + -fer 帯びている、生ずる)を意味し、キリス
ト教以前から「明けの明星」を指すものとして用いられ、オウィディウスやウェルギリウスなどの詩歌にも
見られる語である。無論、ヘブライ語の旧約聖書にも、ギリシャ語の新約聖書にも使われてはおらず、元
来は、サタンや堕天使といった伝説と一切無縁のものだった。』
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