中国人生活倫理−功過格− 道教百話 窪 徳忠 講談社学術文庫
p50 『功過格』善悪二行・・・勧善書。
『太微仙君 純呂祖師 功過格』
(抜粋)
兄弟にすすめてよいことをさせる。百功
妾をかわいがって妻をないがしろにする。百過
先輩を尊び、かしこい友だちと仲良くする。一日で一功
友達の危難を救う。百功
堕胎をやめさせる。二十功
一人を殺す。百過
医者が利益をむさぼろうとして人命を損なう。百過
毒薬をつくる。百過
一年のあいだ動物を殺さない。二十功
他人にすすめてひとつの悪事をやめさせる。一功
一冊の邪書を焼き捨てる。十功
他人の家庭のなかの争いをやめさせる。五十功
他人を誘って道楽者にする。五十過
一冊の邪書を出版する。五十過
誰も見ていないところでも悪いことをしない。一日で一功
公私を混コウする。十過
悪いと知りながらやる。三過
お経を出版して世に広める。百功
天の神や先祖をけがす。二十過
処女、未亡人、尼や女道士を犯す。三百過
他人の妻を犯す。百過
(以下略)
陰隲録(いんしつろく・袁了凡の著)の功格五十条(雲谷禅師の伝)
−略−
三十功に準ず
○一の受戒弟子を度す。
−略−
一善に相当する行い
○一人の人の善を讃めること。
○一人の人の欠点、悪いところを暴き立てないこと。
○人の非行の一事を諭しとどめること。
○一人の飢えを救うこと。
○正しい道を説いて、教化が人に及ぶこと。
○人畜の疲労を世話して回復させること一時。
○一匹の自然に死んだ鳥類畜類を埋めてやること。
百銭が一善に相当する行い。
(百銭になったときに一善とする。穀物や繊物類も金銭に換算)
○道路や橋を修繕すること。
○河川を通じ、井戸を掘って民衆を救うこと。
○寺社仏閣などの聖像壇宇や供養などの物を修繕すること。
○人の遺れた品物を返すこと。
○債務を免除すること。
○人を教化し救うための文書を施行すること。
○功徳を作って、非業の斃れて浮かばれない魂に回向すること。
○困っているものに恵んで賑わしてやること。
○倉庫を建てて穀物の価を調整すること。