>>6 現象界における一切の森羅万象は縁起に拠る無常な世界なのです。無常とは常と変成変滅する性質で
あり、輪廻している姿をいうのですよ。これが「空」の真義です。だから「空」だから輪廻がないなどというの
は勘違いの大間違い。輪廻現象は縁起が続く限りの間は止まることがない。この輪廻する姿を古代インド
思想では「非実在」という。
仏教はこの輪廻の状態を知り、更にそこから脱することを説くのです。知るだけではなく、その現象世界
「色」、流転輪廻の状態から完全に脱出することを説くのが仏教の目的。でなければ、再び苦の境涯に生
まれたりを繰り返すからです。たとえ今は良い状態に見えてもまたいつ地獄の人生へと転落しかねないの
が流転輪廻の人生なのです。しかし、この輪廻の鎖から解放され脱出すると、もう二度と再び苦の生存に
は入ることはなくなり、その状態は永遠に続く。
この永遠に継続する至福の意識状態が本当の「実在」であり、真我であり、ニルヴァーナ境地という。そ
の真実の自己たる意識状態にある人間が「仏陀」と呼ばれるのです。