>>330 〉映画の方では、滝田洋二郎監督の第81回アカデミー賞『おくりびと』外国語映画賞受賞。
〉借り物の身体を返す時、抜け殻だからと無碍に扱わず、感謝を持って故人を送る心の有り様を考えさせられます。
少し触れたこともありますが、俺んちの会社は業務の一つに、亡くなった方を病院からご自宅までお送りする仕事をしています。
最近は管理の仕事が多くて関わる回数は減りましたが、以前は俺一人でも年間100回前後の業務をこなしてました。
その業務に関わりまして、改めて思いましたことは「人は必ず亡くなる。」ということです。通常「死」を語ることはどこかタブーみたいなムードがありますが、本来は生まれてきたら、必ず死ぬようになっています。
その搬送業務をさせていただく中でこんなことがありました。
新婚数ヶ月の旦那さんが亡くなり、後部座席にその奥さんと旦那さんのお母さんが乗っておられました。
「…義お母さん、私はこれからどうしたらいいんでしょうか?」
義お母さんは無言でした。
運転しながら、二人の言葉を聞くとはなしに、『俺ならどうするんだろう…?』って思ってしまいました。
俺には三人の娘がいます。
いずれは、いろんな思いで、娘たちは嫁いで行くのでしょう。
一昔前ならいざ知らず、子供がない状況で、愛する人を亡くして、その「家」に生涯踏み留まる必要はあるのだろうか?
「無理せず、お前の思うようにすればええんやで。落ち着いたらゆっくり話し合おう。」
俺としてはそう言ってあげたい。