【高橋佳子】宗教法人GLA総合本部【TL人間学】 17
※ たとえば、ここに一人の人があって、深き湖の水の中に、油のつぼを投じたとするがよい。
そして、つぼは割れ、油は水の面に浮いたとするがよい。
そのとき、大勢の人々が集まり来て、「油よ沈め、油よ沈め、なんじ油よ、水の底に下れ」、と祈りをなし、
合掌して、湖の回りを回ったとするならば、汝はいかに思うか。
その油は、人々の合掌祈祷の力によって、沈むであろうか。 (同上)
ブッダは人間の知識の届かない神秘的なことがらへの言及は避けました。
祈祷や呪文や神への捧げものや宗教儀式や運命判断などに依存することは、「自己を灯明としながらも自己に囚われない正しい見方」を妨げることを説きました。
そのような、祈祷したり、神に捧げものをしたり、呪文を繰り返したり、護摩を焚いたりして、
神秘的な信仰力によって何事か成そうというような夢事から目覚めて、
何が人間の非苦の要因であるか(縁起の理法)を究明し、その要因を取り除く道を見つける人のことを、 目覚めた人(ブッダ)と呼んだのです。