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神も仏も名無しさん:
壇上には仏壇を挟んで親鸞と蓮如の像が掲げられ、二人の思想と行動を信奉する親鸞会の基本姿勢が強調される。二人の像の間に高森会長が座ると、会場は静まり返り、張り詰めた空気が漂った。間合いを計るように、高森会長が蓮如の「御文章(御文)」をしみじみと口ずさむ。
「あわれあわれ、存命のうちに皆々信心決定あれかしと、朝夕おもいはんべりまことに宿善まかせとはいいながら、述懐のこころ、しばらくも止むことなし」
それは「参詣者」の信心が定まるよう念じ、自らの信心を伝えたいという高森会長のメッセージでもあった。法話に入ると、高森会長は親鸞の教えを中心にユーモアを交えて語った。一時間四十五分の法話中、参詣者は正座のまま一言も聞き漏らすまいと演壇を凝視し続けた。