【浄土真宗】妙好人と学ぶ5【信心獲得(決定)】

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226渡海 難  ◆Fe19/y1.mI
 さてその他力の信心というは、いかようなることぞといえば、ただ南無阿弥陀仏なり。この南
無阿弥陀仏の六つの字のこころをくわしく知りたるが、すなわち他力信心の姿なり。されば、南
無阿弥陀仏という六字の体をよくよく心得べし。

 他力を信じる。仏の本願を信じる。それはどのような心であるのか。結局は南無阿弥陀仏であ
る。この南無阿弥陀仏の六つの文字の心を理解したのが他力信心の姿である。そうであれば南無
阿弥陀仏という六字の内容の実体をよく理解していこう。

 まず「南無」という二字はいかなる心ぞといえば、ようもなく、弥陀を一心一向にたのみたて
まつりて、後生助け給えと二心なく信じまいらする心を、すなわち「南無」とはもうすなり。

 南無とはどのような意味だろうか。飾ることなく阿弥陀仏を一心一向に信頼し、予測を超えた
将来の危機にあたって、どうか援助くださいと、二心つまり疑いなく信じる心を南無という。
 南無とは、インドサンスクリット語でナーマスという。これは挨拶の言葉である。朝、人々が
顔を合わせばナーマスと挨拶をする。別れるときにもナーマスと挨拶する。おはようございます。
こんにちは。さようなら。すべてナーマスである。先生に学校で会えばなーますという。ナーマ
スは感嘆詞である。南無は感嘆詞である。「ああ」という意味である。
 貴方を信頼します。飾ることなく相手にこう呼びかけるときに「ああ」という。南無という。
そこに信頼ができる。貴方にはいかなる疑いも持っていません。どうか互いに信頼関係を続けま
しょう。そういう意味で「こんにちは」「ああ」「南無」という。