日蓮系諸派共同・初心者質問スレ

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413神も仏も名無しさん
>>274は質問者の態度だったか
日蓮信仰の外にいる者の話しだから、内にいる人で誤った点があるなら指摘して欲しい

『立正安国論』
平安時代には神社に祭られている諸天・神は仏教信者で法華経読誦などの功徳を積んだら
個人や国を護ってくれると信じられていた。

しかし立正安国論が書かれた当時、天変地異が続発し、さらに蒙古が攻め込もうとしていた。
日蓮さんは問う、国が乱れているのに、なぜ諸善神は護国もせず、なにもしないのか?
日蓮さんの答えは、仏教信者の諸天は正法が廃れたため日本を捨てたためだというものだった。
仁王経や涅槃経に正法が廃れれば七難が起こると説かれていることが一つの根拠だった。

その正法(彼にとっては法華経)が廃れた理由は法然さんの念仏宗が広まったためで、
だから、国主は法華経に帰依し、念仏宗を一掃して正法を広め、諸天を呼び戻すべきであり、
そうすれば国は安らかになると幕府へうったえた。

というのが論旨
神仏混淆の中世の世界観には合理的だった
しかし、日蓮さんの提案は幕府に無視された
彼の意見を採用すれば念仏・真言宗などから反発を受けることは必至で、
(おそらく挙国一致で蒙古と当たらなければならない時局には危険思想そのものだったからだろう)
幕府は、この危険思想の持ち主を佐渡へ流してしまう

そういう状況で書かれたのが『開目鈔』と『佐渡御書』
諸天は正法を広める自分を護るはずなのに襲撃されたり、
法華経には「現世には安穏にして後善処に生れん」とあるのに弾圧されたのはなぜか?
日蓮さんの門弟からこの疑問を受けたし、自分自身も疑問だった、それに対して開目鈔や佐渡御書は書かれた
414神も仏も名無しさん:2008/10/10(金) 00:58:25 ID:jX5Z1/EH

開目鈔では、諸天の加護がなかったのは法華経に末法に法華経を広めようとする行者は迫害されると書いてあるから、とした。
だからこそ自分は法華経を広める上行菩薩であり、法華経は正法であり、
ゆえに自分も門弟も迫害されたとしても正法を捨ててはいけないとしている。

佐渡御書では、弾圧された理由について、過去世に犯した法華経謗法の罪に求めている。
そして、その前世の謗法罪なども、今生の善行によって転換し、利益を得ることができるとしている
この謗法の罪について御義口伝(資料としては難有りなのかもしれないが)には
「衆罪とは六根に於て業障降り下る事は霜露の如し、然りと雖も慧日を以て能く消除すと云えり、
 慧日とは末法当今・日蓮所弘の南無妙法蓮華経なり」
としている。

以上で、日蓮さんの現世利益観は、だいたい推測できるだろう
1)正法を護る人や国を仏教信者の諸天は護り、俗的な現世利益を与えてくれる(これは中世の人に共通する世界観であり常識だった)
2)法華経の法華経行者に現世安穏があり、法華経謗法者には苦果があるとする文言への信仰があった(善因楽果・悪因苦果)
3)法華経行者は諸天に護られるが、末法において法華経を広める者は迫害される

…これをどう評価するかは別の話
少なくとも創価学会は会員に俗っぽい現世利益が有ったり無かったりすることの根拠をこのへんから出しているようだ

付け加えると、日蓮さん自身は病気になったら薬を飲むし、敵対者から襲撃されそうな時は門弟を武装させたようだ。
神頼みだけで物事を解決するタイプの人ではなかったわけね。
415神も仏も名無しさん:2008/10/10(金) 01:34:39 ID:jX5Z1/EH
付け加えると、日蓮さんの現世利益観について、どこまで独自のものかは吟味する必要がある
というのも、日蓮さん以前から天台でも真言でも現世利益のために加持祈祷や法華経読誦などは行われていたからだ

日蓮さんの教学に現世利益があるか、を問う以前に、仏教の現世利益の系譜を押さえる必要がある
平安時代の現世利益についてなら、当時の貴族の日記や源氏物語などの文学作品にも残っている

日蓮さんの現世利益観の特殊性を探りたいなら、当時の常識的な現世利益観を踏まえ比較しなければ意味がないだろう
416神も仏も名無しさん:2008/10/10(金) 02:54:07 ID:I+JnMYlA
そんなに長い文章を打つ気力がない・・・
>>415
今昔物語集などの説話が入手しやすく面白いと思う。
中世鎌倉人の精神生活は佐藤弘夫氏の啓蒙書が面白い。

大聖人の御書は四条金吾宛の御消息が最も理解が得られやすいのではなかろうか。
薬を処方したのも四条金吾。
読めって言っても文句がでるだろうがね。
>>409に付け足すと現世利益はある、が思い通りになるものでもない。
(諸天の加護はこちらが要求・期待するものではなく諸天のほうが決める。信心の厚薄、前世からの宿業等も絡む。)