「罪」と訳されるギリシャ語は「ハマルティア」と言い、
「的を外す」という意味をもっています。
人間があるべき姿を失うことは罪であり、なすべきことをせず、
してはならないことをすること(実際の行動においてだけでなく
心の面においても)が罪です。
すなわち「罪」とは、
単に国の法律を破るとか、道徳上許されないことをするとか、マナーを守らないなど
ということ以上のことを指します。
心の中で悪意をもつことや、プライドをもち自己中心になること、神の教えとは
全く逆の生きかたを続けること、何よりも神ご自身を無視してしまうことが「罪」です。
「罪」が「あるべき姿を失う」ことであるなら、
「救い」とはそれを取り戻すことです。
「罪」が神との分離、神の像の破損であるなら、
「救い」とは神との一致であり、神の像の回復です。
「罪」が悪魔、苦難、死と一つのものなら、
「救い」とは悪魔の敗北、苦難の終結、死の死滅です。
これらすべてを、私たちのためになさったのが、
人となった神ハリストス(キリスト)の十字架と復活です。