妄想性人格障害
妄想性人格障害の基本的な特徴は「猜疑心」と「敏感性」の二本柱です。
そして、これに伴うものとして「不信」「論争好き」「頑固」「自負心」があげられます。
つまり、猜疑心が強く、嫉妬深いタイプがこの人格障害の特徴です。
さらに、すぐに人をねたんだり、疑ったりするので社会になかなかとけ込めません。
また、ちょっとしたことで怒りを爆発させることもあります。
1、周囲の人に対して、自分を出し抜こうとする、だまそうとする、
陥れようとするなどと常に警戒して疑っています。
他人の親切に疑いを持ち、親しくうち解けにくく、拘束を恐れ集団に属するのを嫌がります。
他人からは、気むずかしく、秘密主義で、尊大な人間だと思われたり、
2、ユーモアや楽しむといった能力に欠けているように思われがちです。
異常なほどの猜疑心から、ちょっとしたことで相手が自分を利用していると感じます。
さらに、病的な嫉妬深さで恋人が浮気していると信じ、その証拠を探し続けようとします。(病的嫉妬)
3、頑固で非友好的で、すぐ口げんかをしやすいという性質があります。
人の弱みや欠点を指摘するのは得意です。しかし、自分のことを言われると激烈に腹を立てます。
自分の権利や存在価値を過剰に意識し、権威に対しては異常な恨みを抱きます。
新しいものに対しても非常に警戒をし、なかなか受け入れられません。(好争者)
4、強い自負心があります。(「霊は妄想である」)
内心では自分には非凡な才能があり、偉大な業績を残せると固く信じています。
この自負心によって、自分が才能を発揮できていないのは
他人が邪魔をしているためだと妄想的な確信を抱いています。
そして、この自負心には、敏感性もあり、ちょっとしたことで
「裏切られた」だの「だまされた」だの叫びます。(敏感者)
さて、ここで妄想性人格障害の診断基準を見ていきましょう。
次の7つのうち4つ以上あれば妄想性人格障害が疑われます。
1、十分な根拠がないのに、他人が自分を利用したり、危害を加えたり、だましているなどと疑いを持つ。
2、友達の誠実さ、親切を不当に疑い、そのことに心を奪われてしまう。
3、何か情報を漏らすと自分に不利に利用されると恐れ、他人に秘密を打ち上げることができない。
4、悪意のない言葉や出来事の中に、自分をけなしたり、脅かすようなことがあると深読みする。
5、侮辱されたり、傷つけられたり、軽蔑されたことを恨み続ける。
6、自分の性格や評判に対し過敏に反応し、勝手に人から不当に攻撃されていると感じたり、怒ったり、逆襲したりする。
7、根拠がないのに恋人や配偶者が「浮気しているのではないか」と詮索する。
入り浸りの物理君は1、2、3、4、5、6に該当していましたね。