あぼーん
女の子はゆっくり歩きながらもそんな事には一切触れず
「‥〇〇の神事にも申込もうかなぁ?…申込みしますかぁ?」
話題は神事の話しになっている。
『‥うん、もちろん…』
白い歯を覗かせ可愛い笑みを浮かべながら俺を少し見上げるようにして見つめてくる女の子に答える。
会場の白いテントが立ち並ぶ近くまで来るとテントの下にズラリと並べられた椅子にはすでに結構な人数の人が座っていた。
俺達は座る席を見渡して探した。
いつもながらテントの中の折りたたみ椅子の並べ方は、前から後ろへズラリと整然と並べられ
横の各列は隣の椅子とピッタリくっ付けたてズラリと並べてあり、所々に通路のスペースを取ってある。
各通路側に面した席は誰にも気兼ね無く行ったり来たりして座れるので
俺達が見渡した時は、どこも人が座っていたり物が置かれたりして埋まっていた。。。
各列の真ん中辺りはまだまだ空席が沢山あったので俺達は
受付や物実(ものざね)を渡すテントのすぐ近くのテントの真ん中より後ろに座る事にした。
その空いている席へ行くには当然通路寄りに座っている何人かに『すいませ〜ん』と声をかけて
座ってる人の足を横へずらして貰うか立って貰わないと行けない…。
俺達2人が座れた席は通路側から少し年輩の男女女の3人座っている席だった。。。
年輩のオバサンの隣に女の子が座ってその奥に俺が座った。
俺の隣から幾つかの席はまだ空いていた。
もう少し経つとここの席も埋まるはずだ。
まだ神事が始まる予定時間には早く、雑然としている。
俺と女の子はまだ申込みを済ませて無く、これから受付へ行って来なければならない。
2人で一緒に様々な神事の案内のチラシや申込み用紙が入った封筒をスポーツバックから取り出して確認していく。
自宅でも一通り読んで来たけど
…改めて、この神事“も”凄い内容!
と思った。
申込み用紙に記入する前に、俺は目を閉じ両手を噛み合わせてお祈りに入った。。。