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シニカル三浦:
【わいせつ中吊り広告に「NO!」】
−JR西日本が具体的な禁止基準を作成−
今年に入って、JRや地下鉄などの交通機関から、わいせつな週刊誌広告を追放する動きが強
まっている。
今年1月、私鉄やJR東日本、営団地下鉄など11社で構成する関東交通広告協議会が、日本
雑誌協会に対して、電車内の中吊り広告における過激な性表現の自粛を要請。6月にはJR西日
本が、週刊誌の広告2件について、「羞恥心を感じる身体の部分の表現が露骨」と、広告代理店に
修正させた。
ヘアヌード週刊誌によるわいせつ広告をめぐっては、本誌が昨年7月号で、「大手新聞はわいせ
つ広告を拒否すべき」と提言。その後、今年1月に読売新聞が「新聞に載せるのにふさわしくない」
という理由で、「週刊現代」など2誌の広告掲載を拒否。その動きが、電車内の広告にも波及した形だ。
中でも特筆すべきは、JR西日本が、従来のものより具体的な「性表現の禁止基準」を設けたこと。
その基準は、@女性の裸の写真などで、露出度の高いもの、下半身などの見えているもの、A羞恥心
を感じる身体の部分の表現について、描写が露骨で目立つもの、B羞恥心を感じる性交渉の表現につい
て、描写が露骨で目立つもの、C風俗情報などの広告で、女性を商品のようにランク付けしたり、具体
的なサービス内容をリアルに描写しているもの、D性犯罪である「レイプ」や「盗撮」などを肯定したり、
楽しむかのような表現をしているもの、という5項目。
一部週刊誌がヘアヌード掲載を始めたのは、93年。その後、性犯罪が増加し、援助交際など青少年
の「性の乱れ」も社会問題化した。このため今年5月には、参院自民党が、青少年の性的な感情を刺激す
るテレビや雑誌などの表現を、国や都道府県が是正勧告できるとする「青少年有害環境対策法案」を立法
化する動きをみせるなど、表現の自由の悪用や乱用に対する世論の批判が強まっている。
国民が週刊誌のわいせつ表現に「NO!」の声を上げているわけで、劣情をそそって売り上げ増を図る出
版社など一部マスコミは、改めて言論や表現の自由の真の意味と、自らの社会的責任を真剣に考えてみる
べき時が来ていると言えよう。