17 :
名無しさん@3周年:
「新共同訳 新約聖書 スタディ版」 日本聖書協会 2004.7.15
☆☆☆☆☆
本文左右に簡単な注があり、巻末には重要語を解説したキーワード、
付録も充実している。
巻頭には各文章の簡単な紹介があり、「特徴」「なぜ書かれたか」「背景」
「構成」を知ることができる。
「新約聖書」 新約聖書翻訳委員会 岩波書店 2004.1.28
☆☆☆☆☆
荒井献、佐藤研責任編集。青野太湖、大貫隆、小林稔という代表的な聖書学者の
翻訳。本文左ページの注。巻末の各文章の解説で各文章の成立に関する現代聖書学の
情報を簡単にしることができる。巻末の補注も楽しい。
「新約聖書」 フランシスコ会聖書研究所 サンパウロ 1979.11.1
☆☆
新共同訳スタディバイブル、岩波委員会訳以前には、「注」つきとしてカトリック以外にも
広く評価が高かった。今は、少し古くなった感がある。
18 :
名無しさん@3周年:05/03/13 04:28:48 ID:9r+Unam8
「新共同訳 新約聖書略解」 山内眞監修 日本基督教団出版局 2000.3.20
☆☆☆
スタンダードな略解。聖書の簡単な注だけでは満足できず、少し詳しく確認したい場合に
は便利であるが、略解なので、簡単な解説。
「新共同訳 新約聖書注解T,U」 高橋虔.シュナイダー監修 日本基督教団出版局 1991.2.20
☆☆☆☆
値段が高いのだが、スタンダードな注解としては読んでいて損は無い。
「新共同訳 聖書辞典」 新教出版 2001.6.20
☆
値段文の内容があるかどうかは疑問であるが、持っていれば便利。聖書に登場する人名は
これでチェックすると便利。信仰者向き。聖書に出てくる用語の解説。
「岩波キリスト教辞典」 大貫隆他 岩波書店 2002.6.10
☆☆☆☆
大変便利。一般書店から出ており、非信仰的、客観的記述されている。
聖書用語のみならず、キリスト教用語を広く解説。
19 :
名無しさん@3周年:05/03/13 04:29:58 ID:9r+Unam8
「旧約聖書大全」 ジョン・ドレイン著 池田康文他訳 講談社 2003.10.27
☆☆☆☆
旧約聖書の全体像をわかりやすく解説。著者は実践神学を教える神学者とのことだが、
バランス感覚に秀でた解説だと思います。読んでいて楽しい。
「聖書の常識」 山本七平 文芸春秋 1997.11.20
☆☆
1980年刊「聖書の常識」と1979年頃連載の「聖書の旅」などを収録。
今更、情報としては古いという感じもするが、山本節は、おもしろい。値段も手ごろ。
「新約聖書はなぜギリシア語で書かれたか」 加藤隆 大修館書店 1999.4.1
☆☆☆
千葉大助教授 新進の学者。マルコ書の成立仮説とかに論及されていて、新鮮味が
あり面白いが、少し軽め。ただ新約文章の成立についてわかりやすい本だと思う。
「『新約聖書』の誕生」 加藤隆 講談社選書メチエ 1999.8.10
☆☆
内容はほぼ前掲書と重なる。こちら歴史順に新約聖書成立までの300年を辿った
構成になっているのでわかりやすい。
20 :
名無しさん@3周年:05/03/13 04:31:34 ID:HEmi6Ltw
「書物としての新約聖書」 田川建三 勁草書房 1997.1.27
☆☆☆☆☆
新約聖書成立に関しては日本では最高峰ではないかと思う。
「正典化の歴史の詳細」「新約聖書の言語」「新約聖書の写本の詳細」「新約聖書の翻訳」
についてそれぞれ詳述されている。彼の立場からの鋭すぎる批判も目に付くが、
聖書に関する現代聖書学の情報を得るためには、外せない一書だと思う。
「キリスト教思想への招待」 田川建三 勁草書房 2004.3.10
☆☆
「イエスという男」「宗教について」などで、切れすぎる刃物で、他者を斬り捲くり、
敬遠されていた田川さんが歳のためか「丸くなったなぁ」と感じさせる一書。
批判に定評のある氏が、キリスト教思想の肯定面を解説。
「人間は被造物」「やっぱり隣人愛」「彼らは何から救われたのか」「終われない終末論」
田川さんに抵抗ある信者さんたちは、これを読まれてみるといいかもしれない。
「イエスという経験」 大貫隆 岩波書店 2003.10.24
☆☆
第一章の「史的イエス論争史」はコンパクトに纏められていて、参考になる。
第三の波をはじめ「神の国」発言をイエス後の教義だとする風潮にあって、
私は支持しないが著者は「神の国=イエス」という立場からイエスの再構築をされている。
21 :
名無しさん@3周年:05/03/13 04:32:21 ID:HEmi6Ltw
「イエス・キリスト上・下」 荒井献 講談社学術文庫 2001.1.10 2001.3.10
☆☆
上巻は、共観福音書それぞれのイエス像。 下巻は、具体的に「主の言葉」「アポフテグマ」
「物語」の三部構成。生前のイエスの言葉はどれかの一つの仮説。
「ナグ・ハマディ写本」 エレーヌ・ペイゲルス著 荒井献他訳 白水社 1996.6.25
☆☆☆
グノーシス派他、非主流キリスト教を「異端」と無邪気に決め付けるキリスト教主流派の
認識が云何に歴史的根拠がない妄想かの一端がわかる書。
「イエス研究史」 大貫隆・佐藤研編 日本基督教団出版局 1998.8.20
☆☆☆
教科書的ではあるが、古代、近世から現代のイエス研究史がわかる本。
古代・中世担当の井谷、川嶋に問題があり、偏った分野の言及しかないのは残念であるが、
近現代は詳しい。
「キリスト論論争史」 水垣渉・小高毅編 日本基督教団出版局 2003.7.25
☆☆☆☆
水垣・小高の古代に関する論稿は秀逸。ネメシェギの「近現代カトリック」の解説も
解りやすい。
「新約聖書ギリシア語入門」 大貫隆 岩波書店 2004.12.21
☆☆☆
神学校の教科書を想定されて24講に分かれて一年間で学べるように構成されている。
わかりやすい構成になっていると思うが、ある神学生に尋ねるとうちでも来年から
これを教科書に採用するらしいが、練習問題が少なすぎるとのことだった。
22 :
名無しさん@3周年:05/03/13 11:24:47 ID:Uki7SN7v
ドグマティックなキリスト教に嫌悪感を覚える人にお薦めの書籍
==============================
●J・バー 「ファンダメンタリズム」(ヨルダン社)
※ドグマティックなキリスト教に対する批判の古典的名著
●笠原義久 「新約聖書入門」(新教出版社)
※現代聖書学のポイントを平易に解説したお薦めの入門書
●G.タイセン 「新約聖書」(教文館)
※上記笠原の次のステップとしてお薦めの基本書
●バートン・L・マック 「誰が新約聖書を書いたのか」(青土社)
※これも笠原の次のステップとしてお薦めの基本書
●佐藤研 「聖書時代史―新約篇」(岩波書店)
※原始キリスト教の歴史全体を把握する上でお薦めの基本書
23 :
22の続き:05/03/13 11:25:20 ID:Uki7SN7v
●G.タイセン 「イエス運動の社会学」(ヨルダン社)
※原始キリスト教の成立史を社会学的に分析した古典的名著(非常に面白い)
●G.タイセン 「イエスの影を追って」(ヨルダン社)
※聖書学者が書いた、イエスが登場しない“イエス”の小説(非常に面白い)
●M.J.ボーグ 「イエス・ルネサンス―現代アメリカのイエス研究」(教文館)
※今一番注目されている史的イエス研究であるイエス・セミナーの動向の解説書
●グレゴリー・L・ライリー 「神の河―キリスト教起源史」(青土社)
※初期キリスト教を巨視的(文明史的)な視点から解析した“目から鱗”の書
●バートン・L・マック 「キリスト教という神話」(青土社)
※西洋的キリスト教の罪を明らかにし、多元主義的価値観への道を推奨する書
24 :
名無しさん@3周年:05/03/13 15:04:09 ID:RD9OxWk6
「ブックス・エソテリカ キリスト教の本 上下」 学研 1996.4.20
☆☆☆ 初心者向け
上巻では、「イエスとは誰か」で著名な高尾利数が「生前のイエス」を語り、
佐藤研がキリスト教公認までの古代史を述べ、
「イエス 逆説の生涯」の笠原芳光が、初期のキリスト教論争史を解説する。
下巻は、「聖人列伝」「聖母マリアの謎」「天使の世界」「キリスト教の儀礼」と、
中世以後の信仰世界を解説し、「三代宗派(教派)の歴史」と巻末特集で、全教派
を簡単に解説していて便利。
「AERA Mook 『新約聖書』がわかる」 朝日新聞社 1998.8.10
☆☆☆☆☆ 初心者向け
これ一冊で新約聖書のポイントが解った気分になれるお得な本。
福音書それぞれ、パウロ真正書簡、牧会書簡、公同書簡、黙示録などごとに現代聖書学を
踏まえた解説がなされ、「新約聖書の不思議な成り立ち」の項では、「旧約と新約の間」、
「新約が27書になった理由」「福音書がどうして一つではなく四つもあるのか」を歴史に
基づき述べられていて、興味深い。更に、「人々をめぐる12の鍵」の項では、加藤隆、
八木誠一、青野太湖、松永希久夫という著名な聖書学者達が、「マリアはクリスマスにイエ
スを生んだのか」「イエスはなぜみんなと食事するのを好んだのか」「弟子たちはなぜみん
な逃げたのか」「イエスの復活は本当か」などという一度は抱く素朴な疑問を真面目に解説
してくれている。「七つのドア」の項では、現代的解釈の切り口を紹介している。例えば、
女性の立場からの視点の絹川久子、あるは「医療」「福祉」「教育」。。。などなど。
巻末には、ブックガイド50もあり、更に読み進むべき代表的なキリスト教関連書籍を紹介
しています。値段も安価でお勧めの一冊。
「AERA Mook 『旧約聖書』がわかる」 朝日新聞社 1998.8.10
☆ 初心者向け
「新約聖書にわかる」と比較すると、信仰者向けではなかろうか。護教的で面白みに欠け
解りにくい。ただ、旧約を主体的に読み込もうとされる人には、一つの参考にはなるかも。
25 :
名無しさん@3周年:05/03/13 15:07:45 ID:RD9OxWk6
「イエスの生涯」 遠藤周作 新潮文庫 1982.5.25(1973.10月 新潮社刊の文庫版)
☆☆☆ 初心者向け
イエスの歴史小説。小説として読む分には面白いのだが、田川建三は「宗教について」で、
聖書学素人が、知ったかぶりして書くなと糞みそに批判している。
にもかかわらず、わたし的にはわかりやすいよい小説だと思います。
「新約聖書入門」 三浦綾子 光文社 1984.11.20(1977.12カッパ・ブックス刊の文庫版)
☆☆☆初心者向け
著者は聖書を読んだことない人向けに書いた一種の「路傍伝道」と前書きで語ってられる。
この本を読むことで、聖書を読んでみようという気になる人がひとりでも出て欲しい
という願いで書かれているらしい。確かに平易でわかりやすく、興味はあるが聖書を読む
気はまだないなぁという人向け。
「マルコ伝による イエス伝」 矢内原忠雄 角川選書 1968.12.20
☆☆☆
元々、これの講義自体は、1937から1938年というから戦前である。
矢内原教授平和事件で、東京帝大を追われた頃の講義で、彼の信仰告白とも言いうる講義。
情報としては古いのだが、内村の弟子で無教会派の彼のこの作品は講義録なので解りやすい。
26 :
希美(のぞみ) ◆55nynIr58w :05/03/13 21:20:46 ID:5KTAlTIH
[カトリック教会情報ハンドブック 2005]
発行 カトリック中央協議会 476円+税
ISBN4-87750-529-6
全国カトリック教会、カトリック施設の所在地、電話番号、ミサの時間。
教会暦や、その他付録。
次のところで電話で通販可。
http://www.sanpaolo.or.jp/ あちこち、カトリック関係に行きたい人には、オススメです。
27 :
名無しさん@3周年:05/03/13 22:59:36 ID:RD9OxWk6
「キリスト教史T 初代教会」 ジャン・ダニエルー著 上智大学中世思想研究所編 平凡社 1996.9.14
☆☆☆キリスト教史
カトリック系のキリスト教史。第T巻は、初代教会から3c末を詳述。
護教的色彩は免れないものの、初期キリスト教に多彩な立場があったことを確認できる。
「キリスト教史U 教父時代」 マルー著 上智大学中世思想研究所編 平凡社 1996.10.15
☆☆☆キリスト教史
カトリック系のキリスト教史の第二巻。4〜6C公会議時代を担当。この時代に何が議論の
テーマになっていたかを確認できる。
「キリスト教史V 中世キリスト教の成立」ノウルズ他著 上智大学中世思想研究所編 平凡社 1996.11.16
☆☆キリスト教史
カトリック系のキリスト教史の第三巻。604年〜1198年を担当。
「キリスト教の歴史」 小田垣雅也 講談社学術文庫 1995.5.10
☆☆☆キリスト教史
広くキリスト教の成立から現代のキリスト教まで網羅的に書かれているので、入門的な
通史としては便利ない一冊。なお序論で簡単にではあるがキリスト教以前のイスラエルの
宗教にも言及している。
28 :
名無しさん@3周年:05/03/13 23:00:09 ID:RD9OxWk6
「中世思想史」 クラウス・リーゼンフーバー著 村井則夫訳 平凡社ライブラリー 2003.12.10
☆☆☆キリスト教史
2c末の古代から近世人文主義への移行期までが述べられている。第一部の古代史の項では
教父思想にポイントを置きながら、修道生活の成立、発展について言及され、第二部で、
初期スコラ哲学における修道生活の理念、盛期スコラ哲学時代には、大学の学問担い手と
しての新しい修道会と、中世期のキリスト教を解説している。
「イエス像の二千年」 ヤロスラフ・ペリカン著 小田垣雅也訳 講談社学術文庫 1998.9.10
☆☆
古代から現代に至るまでの代表的な「イエス像」を紹介している。「ラビ」「王の王」
「宇宙的キリスト」「人の子」「真の像」「十字架につけられたキリスト」「世を統べる修道
士」「平和の君」「良識の教師」「解放者」など、多様多彩で豊かなイエス像を学べて面白い。
「ギリシャ正教」 高橋保行 講談社学術文庫 1980.7.10
☆
日本ハリスト正教会司祭の高橋による「正教」の解説。懇切丁寧に書かれていて入門向
きには、わかりやすくていいのでは思う。聞きなれぬ正教についてのアウトラインを
しることができる。
「古代イスラエルの思想」 関根正雄 講談社学術文庫 2004.1.10(1982年刊の文庫化)
☆
旧約学で著名な関根の著作。紀元前8Cの預言者たちまでを扱う。
著者の感覚は古い。ただ客観的な学問には配慮しているので、入門書にはわかりやすい。