小学館『仏教語大辞典』より
公案
@公文書。官の帳簿・書類の意。
A禅宗で、参禅者に出す課題。仏祖の言行のうち、修行者にとって意義深いものや、暗示に富むものを選んで課題としたもの。
転じて、自然現象の一切を仏法を示す課題と見る見方。
B十分に思いめぐらすこと。考え工夫すること。思案。考案。
Cものごとを似つかわしいように正しく書くこと、という約束事。
看話禅
《「看話」は話=公案を工夫する意》 一つの公案を工夫し、それを理解し終えた時は、また他の公案の工夫に移るというようにして、大悟に至ろうとする臨済宗の禅風をいう。
曹洞の禅風である黙照禅に対していわれた語で、梯子禅(はしごぜん)ともいう。
中国宋代、曹洞の宏智正覚が臨済の大慧宗杲を評したのに始まる。
(一三四頁)