坐禅と見性第10章☆火に触れて焼けず☆

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50第二十七則 不是心仏
和尚に僧が聞いた。「まだ人に説かれなかった法がありますか」 和尚は「ある」と答えた。
「それは何ですか」との僧の問に和尚は答えた。「心でもなく、仏でもなく、物でもない」
無門和尚の解説:この和尚はこの問を受けて、家財を全て持ち出さねばならなくなって、大いにうろたえてしまった。
これまでにいろいろなことが説かれてきたが、まだ説かれなかったもの、説くことができなかった法とは何か、との問いです。
心とは精神の働きであり、それは何らかの媒体の上で作動するソフトウェアでしょう。
物とはそれを支えるハードウェア、仏とはそれらを統合する法則、と考えることが出来ます。
仏とは何か、という問いは、ハード、ソフトを統合している本質の法則とは何かということでしょう。
それはある宗教では万能の神であり、真理であり、教義でしょう。
ここで提起されている仏でもない、ということは、その法則すらがこの世界に依存しているということ、これら全ての背景となっているものがある、ということでしょう。

これまで説かれなかった法などを求めるよりも、まずこれまでの教えをよく学べ、と無門和尚の指摘であると思います。