ウパニシャッド 辻 直四郎 著
講談社学術文庫934 定価:本体718円
p33 第一章 総論 四 ウパニシャッドの分類
ロ 古代ウパニシャッド
・・・中(うち)第一類を代表する二大雄篇
ブリハッド・アーラニヤカとチャーンドーギヤとが、
仏教興起より古きはおそらく異論なきところで、
・・・パーニニ(西暦前四世紀中葉)より古く、・・・
p34
・・・要するに古代ウパニシャッド全体の年代をおよそ
西暦前六百年−三百年と・・・。
p21 第一章 総論 二 ヴェーダ文献中における位置
(三)特に森林中において伝授されるべき秘法・秘儀を載せた部分を
アーラニヤカ(森林書)と称し、
(四)宇宙万象の一元を宣示する哲学的部分を
ウパニシャッド(奥義書)と呼ぶ。
p36 第一章 総論 四 ウパニシャッドの分類
ハ 新ウパニシャッド
p37
五 ヴィシュヌ主義のもの
・・・インドの聖書として周(あまねく)知られている
バガヴァッド・ギーター(Bhagavadgita)も
この宗派的傾向の所産である。
【 仏教の「お経や経論など」の大雑把な歴史 】
BC383年ごろ 第一回結集 経と律で 九分教 十二分教に整理される。
BC260年ごろ 説一切有部などの部派仏教の成立。
阿含経(法句経・スッタニパータ・ジャータカなど)
BC160年ごろ ミリンダ王の問い「那先比丘経」
BC100年ごろ ストゥーパ(塔)崇拝、アジャンタ石窟はじまる。
AD001年ごろ 大乗仏教(初期大乗)はじまる。
AD130年ごろ 般若経・維摩経・法華経・華厳経・浄土三部経・座禅三昧経
AD150年ごろ ナーガールジュナ(竜樹)の中論頌
AD170年ごろ 第一中期大乗の勝曼経・大般涅槃経・解深密経・弥勒三部経
AD200年ごろ 仏像彫刻はじまる。
AD350年ごろ マイトレーヤー(弥勒)のヨガ師地論・宝性論
AD390年ごろ アサンガ(無著)の金剛般若経
AD400年ごろ ヴァスバンドゥ(世親)の倶舎論・唯識三十論・仏性論・浄土論
第二中期大乗の薬師如来本願経・地蔵菩薩本願経・孔雀王呪経
AD500年ごろ ブッダパーリタ(佛護)の中論註 グナマティ(徳慧)の唯識三十頌釈
ダルマパーラ(護法)の成唯識論
AD600年ごろ 玄奘三蔵の印度旅行(629−645)金剛乗仏教(後期大乗・密教)の大日経
AD650年ごろ 金剛頂経
AD700年ごろ シャーンタラクシタ(寂護)の中観荘厳論・菩提心観釈
AD900年ごろ 中観ヨガ派
AD1000年ごろ 時輪タントラ(1027−1087)
AD1203年ごろ イスラム教の寺院の破壊が開始。
【 法脈調べ 1 】
玄奘(600−664,印度留学629−645)
義浄(638−713,印度・南海から帰国695)
鑑真(688−763,754日本へ四分律宗を伝来)
禅宗
菩提達磨[ボーディダルマ]『絶観論』
南朝・梁・武帝の治世のうち504−538に渡来
崇山少林寺([すうざんショウリンジ]河南省洛陽)元の時代1225に洞曹宗が多く住する。
福建少林寺(福建省)
南宗禅(法眼文益885−958の提唱、五家七宗)広東・曹渓山
六祖慧能638−713『六祖壇経』
洪州宗
智炬???−???,801『曹渓宝林伝』法脈図の書
南嶽の馬祖道一709−788(四川省漢州から湖南と江西で修行し江西で入寂)
青原の石頭希遷700−790(広東省端州で姓は陳、江西で修行し湖南で開山)
荷沢宗[かたくしゅう]
荷沢神会668−760(かたくじんね・洛陽、人材が集まらず北宗と[名のみ]残る)
牛頭宗
牛頭慧忠の牛頭禅を
日本天台宗の祖−最澄と弟子−円珍、日本真言宗の恵雲が学ぶ。
※差し替え・・・人材が集まらず北宗と[大蔵経に]残る・・・
【 法脈調べ 2 】
洞曹宗(曹洞宗)
南嶽懐譲677−744(洞曹宗・法眼宗・雲門宗)湖南省
薬山惟厳751−834
洞山良价807−869『宝鏡三昧』
曹山本寂840−901
宏智正覚1091−1157
※位置変え
雲門宗
趙州従念778−897「趙州無字」趙州狗子(じょうしゅうくし)の公案
雲門文堰864−949,呉越(浙江)嘉興の生まれ南漢(広東)雲門山で開山
円通法秀1027−1090,普明版『十牛図』
廓庵師遠11−12世紀『十牛図』
雪寶重顕1017−1021「頌古百側」第三祖・四川省遂州の生まれ
修行を浙江省明州(寧波)し浙江省雪寶山を開山
臨済宗
青原行思???−704(臨済宗[楊岐派・黄龍派]・為仰宗)江西省
黄檗希運???−855『伝心法要』
臨済義玄814−867『臨済録』
楊岐方会992−1049,江西省袁州
園悟克勤1063−1135,1125『碧厳録(へきがんろく)』
雲門「頌古百側」を基に唐・宋の古人の理法から千七百則の公案
大慧宗杲1089−1162
黄龍慧南1002−1069,江西省信州
無門慧開1183−1260,南宋−浙江省東嘉−竜翔寺1228『無門関』
雲門「趙州無字」を第一則とする。
【 法脈調べ 3 】
禅宗(朝鮮半島に700ごろ伝来)
南宗禅(道義により821に伝来)
>天台宗(高麗天台宗の祖・義天1055−1101華厳も説く)
>曹渓宗(宗祖・知訥1158−1210慧能を尊ぶ朝鮮禅)
中国天台宗第三祖・智[ちぎ]538−597(「五時教判」『法華玄義』『摩訶止観』など)
日本天台宗の祖・最澄767−822(入唐804−805,中国天台宗から独立806)
日本真言宗の祖・空海774−835(入唐804−806,中国真言宗第八祖,開山816)
日本臨済宗の祖・栄西1141−1215(入宋1168,87−91,相見,上洛1194)
日本曹洞宗の祖・道元1200−1253(入宋1223−27,相見,開宗1227)
[臨済と浄土]黄檗宗の祖・隠元1592−1673(明から来日1654,開山1659)
参考:
佛教小年表 再訂版 三枝みつよし著 大蔵出版株式会社 先生すみません漢字変換不可。
BooksEsoterica第3号 禅の本 学研
禅と経典と日韓の差
法華経(円教?一乗行?)と華厳経(別教?三乗?)は、
お経の中で尊崇や最高の地位を(証道?によって)二分していて
日本は法華経(円頓?)を第一として
新羅や高麗は華厳経(観念・唯心?)や弥勒仏を第一に取った。
新羅の王家の宗派は華厳宗で、高麗の宗派は華厳経や弥勒仏を尊んだからだ。
朝鮮人で法華経を第一に言うのは、日本へ出稼ぎの人に影響されたものか、
高麗天台宗に反発した朝鮮禅で
中国天台大師チギの五時教判(ごじきょうはん)を支持する人の主張なんだよ。
日本の天台は四宗(円・密・禅・戒)融合
当時の中国仏教は華厳・天台(法華)と論理を二分する
円教 摩訶止観(円頓章・一念三千)・天台円教菩薩戒相承
法華経(良医の譬え・観世音菩薩)・無量義経・観普賢経・天台法華宗相承
密教 大日経(加持)・金剛頂経・蘇悉地羯羅経・2つの曼荼羅相承
般若思想 般若心経(空)
禅 蓮華三昧経(本覚讃)・達磨大師付法相承
浄土信仰 阿弥陀経(阿弥陀仏)・観無量寿経・無量寿経
戒律 梵網菩薩戒経(菩薩戒経偈)
法要 法華経の法華懺法・阿弥陀経の例時作法
朝題目・夕念仏 舎利礼文
帰化人・日本天台宗祖・最澄・・・江南の天台山入山許可
栃木人・日本天台4祖・円仁・・・天台山入山不許可・通訳が新羅人
入唐安全祈願・妙見尊
摩訶止観の教学を学ぶ後の禅留学につながる
現在山西の五台山で密教を学ぶ天台の密教化の走り
種々の念仏法の持ち帰りは浄土思想につながる
香川人・日本天台6祖・円珍・・・江南の天台山入山許可・論語や漢書好き
守護神・新羅明神
空海の姪が母だが真言宗に入らなかった
日本天台4祖・円仁が入唐の前に比叡山の横川で療養
滋賀人・日本天台18祖・慈恵大師 良源(0912−0983)『九品往生義』
藤原北家の藤原忠平・師輔の支援を受ける
比叡山横川で三百日護摩修法の霊験で功あり
東宮護持僧になる
比叡山横川の恵心院
恵心僧都 源信(0942−1017)『往生要集』 厭離穢土・欣求浄土
引用書:天台大師智『摩訶止観』善導『観念法門』『六時礼讃』
浄土教・浄土宗へ発展
岡山人・栄西(1141−1215)・臨済宗の祖・天台密教葉上流の祖
宋の国に2度留学する
京都に建仁寺・鎌倉に寿福寺を建立
北条政子に認められ『吾妻鏡』に記される
著作:
『興禅護国論』禅の復興で天台宗を復興し国を護持
『喫茶養生記』中国から茶苗を持ち込み宇治茶のはじめ
将軍・源実朝に睡魔を除き気分を爽快にすると説く
『未来記』これからの世は禅が流行る死後50年後からでも
門下に道元(1200−1253)『正法眼蔵随聞記』
栄西(千光法師)臨済宗黄龍派・公案
1168 天台密教・葉上流を立てる・入宋
1187−91 再入宋 天台山の臨済16世・黄龍7世の虚菴懐敞に学ぶ
1191 京都に建仁寺を建立
俊仍(しゅんじょう)臨済系の楊岐派
1211 臨済系の楊岐7世の蒙菴元聡の法を継ぎ・泉涌寺を開く
道元(承陽大師)曹洞宗・只管打坐
1223−27 入宋 長翁如淨に曹洞宗を学ぶ『宝慶記』
天童山景徳寺の如淨和尚の他僧への一喝で大悟
1227 曹洞宗開宗 京都・建仁寺『普勧坐禅儀』
1243 越前(福井)大仏寺あらため永平寺へ『正法眼蔵』
中国真言宗第七祖
慧果和尚・阿闍梨 835-12-15 60歳 弘法大師空海之師
中国禅宗初祖
印度人・菩提達磨 北魏647「洛陽伽藍記」
広東人・六祖慧能−曹渓山〜五家七宗之祖〜臨済宗・曹洞宗[洞山→曹山]
雪寶「碧巌録」黄檗・棒「伝心法要」臨済・渇「臨済録」臨済−白隠「無門関」
南嶽・馬祖[陳姓]→臨済宗黄龍派−明庵栄西「喫茶養生記」茶道「吾妻鏡」沢庵−剣術
南嶽・馬祖[陳姓]→臨済宗楊岐派−隠元隆g−出家於黄檗山萬福寺
青原・石頭→薬山→曹洞宗無際了派−天童山景徳寺住持〜天童如浄之印可−希玄道元
青原・石頭→天皇→雪峰→雲門宗「十牛図」
喫茶去[宋代]→請奉茶[現代] 作痲生(そもさん)→シェンマ[イ十][痲公]なに・どんな?か
中国天台宗第三祖
智 智者大師 荊州玉泉寺594年 538〜597
師・南岳慧思禅師 師之師・慧文禅師
遣唐使−伝教大師最澄「摩訶止観」・慈覚大師円仁「入唐求法巡礼行記」
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天台宗(「安般守意経(数息観)」・「般舟三昧経」330-440北朝−翻訳・
「坐禅三昧経」344-413南朝−翻訳・
「摩訶止観(前代未聞)」湖北玉泉寺の第三祖大師智・湖南の師匠禅師の行法説明)
玉泉寺は関羽将軍の怨霊が出没したが禅師の諭しによって成仏し関帝になった伝説の寺。
(538智の五時教判 1.華厳経 2.阿含経 3.般若経 4.浄土経 5.法華経)
三乗方便(あらゆる人の教え)・一乗真実(法華経の教え)
三論宗(南朝−湖北・安徽、のちに南宗禅の南嶽慧思に師事する者を輩出)
地論宗(世親の唯識「十地論経」洛陽)
成実宗(「涅槃経」「成実論」「華厳経」562-645、北朝−敦煌石窟−五台山華厳・敦煌禅宗)
禅宗(菩提達磨538山林−遊行「二入四行論(以心伝心・壁観)」「金剛三昧経」「洛陽伽藍記」)
禅宗(都城−定住、長安)
南頓派(南宗禅 広東−曹渓山−慧能以降−五家七宗)と
北漸派(北宗禅 敦煌本・朝鮮本−神秀以降の数代「宝林伝(禅宗系図)」)
華厳宗(602智厳の五教教判 1.小乗(阿含) 2.大乗初教(唯識)
3.大乗終教(如来蔵) 4.頓教(東山法門−北宗禅) 5.一乗(華厳思想))
参考: 禅の歴史 伊吹敦 法蔵館 3800円+税
佛教小年表 再訂版 三枝充ヨシ 大蔵出版株式会社 900円+税
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敦煌本から見れば、中国北部は北宗禅。華厳経の研究が盛ん。
ただし、モンゴル族の元王朝の時期に、
山西省の五台山はラマ教化し、河南省の洛陽は南宗禅の曹洞宗の寺が多くなった。
少林寺拳法で有名な崇山少林寺は洛陽近郊の寺。
【 禅宗の特徴 】
精進料理・普茶料理・朝粥−昼前点心−昼ご飯−夜座の一日のサイクル・
臨済の渇(相手を殴って教える)・黄檗[徳山]の棒(相手を叩いて教える)・
臨済の公案(禅問答)・公案などに使う十牛図・
洞曹の只管打座(達磨の大乗壁観の発展)・経行(呼吸歩調)など
中国僧の師資相承(一子相伝というか)。
黙照禅は南宋初め臨済宗の大慧宗杲が曹洞宗の宏智正覚を批判した言葉
看話禅は曹洞宗の宏智派が臨済宗の大慧宗杲を誹謗する時に使った言葉
念仏禅は黄檗宗を黙照禅・看話禅に続けて呼び慣わす言葉
野狐禅は臨済宗の『無門関』でいう似而非禅をさす言葉
臨済宗は中国に生き残った楊岐派・栄西の日本に生き延びた黄龍派の二大潮流
清王朝初期に来日した福建人宗祖の黄檗宗は臨済と念仏の融合で楊岐派の系統
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禅宗の特徴:
抹香(平安以降に)−線香(清朝前後から)を焚く
緑茶(中国茶苗から宇治茶)を飲む
味噌(ぎんざん寺みそ?)−醤油−豆腐(湯葉・お麩)−梅干を作る
武道を行う(少林寺拳法[少林拳]・柔術・合気道)
・・・
洞山の禅画・雪舟の水墨画・・・
・・・
禅宗でも使うかどうか判らないが。。。
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準提呪: 準提観音の真言(陀羅尼・呪は真言のこと)。
観音(かんのん)も
六道輪廻(りくどうりんね)の衆生(しゅじょう)を助ける為に
地獄の担当(千手観音)・餓鬼の担当(聖観音)・
畜生の担当(馬頭観音)・阿修羅の担当(十一面観音)・
人間の担当(真言宗系・準提観音 天台宗系・不空絹索観音)・
天神の担当(如意輪観音)と
六道の夫々(それぞれ)に変化身(へんげシン)した観音が
救いを担当している。とされている。
人間界を救うのを担当しているのが「準提」観音である。
梵字手帖 悉曇参究 徳山暉純 木耳社 p76
梵字 ボ
准胝観音 別名、七倶胝仏母 準提・准提・準胝に同じ、
真言 オン シャレイ シャレイ シェンテイ ソワカ
意訳 准胝尊に帰命し奉る、起座し給え、発進し給え、吉祥成就。
陰シツ録(いんしつろく) 石川梅次郎 中国古典新書 明徳出版社
(秀吉の朝鮮の役の際の明軍の参事の)袁了凡の著書
p65 雲谷禅師を訪う。
『善行を積んだ家には必ず子孫に及ぶほどのあり余る慶福があるものである』
p67 雲谷禅師の教えを受く。
『御符を書く秘伝を知らなければ、鬼神に笑われる』と。
p95 福は己がつくる。
孟子が「王が、ほんとうに音楽が好んだならば、斉国は平和に治まるに近いであろう」・・・
p125 随縁済衆十綱目
第一は、人とともに善をなすこと。第二は、愛敬心を存すること。
・・・第五は、人の危急を救うこと。・・・第十は、物の命を大切にすること。
p158 畏心を発すべし
天地の神は上天からみそなわしており、鬼神を欺くことはできない。
・・・過の甚しいものには・・・災難を降し、軽い場合には現在の福を減損する。
・・・一点の燈火に照らされれば、千年のくらやみも除いてしまう。
p174−200 功過格キン[キンは疑の扁と欽の旁(つくり)](雲谷禅師伝)
陰シツ録(袁了凡 著)の功格五十条(雲谷禅師 伝)
−略−
三十功に準ず
○一の受戒弟子を度す。
−略−
一善に相当する行い
○一人の人の善を讃めること。
○一人の人の欠点、悪いところを暴き立てないこと。
○人の非行の一事を諭しとどめること。
○一人の飢えを救うこと。
○正しい道を説いて、教化が人に及ぶこと。
○人畜の疲労を世話して回復させること一時。
○一匹の自然に死んだ鳥類畜類を埋めてやること。
百銭が一善に相当する行い。
(百銭になったときに一善とする。穀物や繊物類も金銭に換算)
○道路や橋を修繕すること。
○河川を通じ、井戸を掘って民衆を救うこと。
○寺社仏閣などの聖像壇宇や供養などの物を修繕すること。
○人の遺れた品物を返すこと。
○債務を免除すること。
○人を教化し救うための文書を施行すること。
○功徳を作って、非業の斃れて浮かばれない魂に回向すること。
○困っているものに恵んで賑わしてやること。
○倉庫を建てて穀物の価を調整すること。
中国人生活倫理−功過格− 道教百話 窪 徳忠 講談社学術文庫
p50 『功過格』善悪二行・・・勧善書。
『太微仙君 純呂祖師 功過格』
(抜粋)
兄弟にすすめてよいことをさせる。百功
妾をかわいがって妻をないがしろにする。百過
先輩を尊び、かしこい友だちと仲良くする。一日で一功
友達の危難を救う。百功
堕胎をやめさせる。二十功
一人を殺す。百過
医者が利益をむさぼろうとして人命を損なう。百過
毒薬をつくる。百過
一年のあいだ動物を殺さない。二十功
他人にすすめてひとつの悪事をやめさせる。一功
一冊の邪書を焼き捨てる。十功
他人の家庭のなかの争いをやめさせる。五十功
他人を誘って道楽者にする。五十過
一冊の邪書を出版する。五十過
誰も見ていないところでも悪いことをしない。一日で一功
公私を混コウする。十過
悪いと知りながらやる。三過
お経を出版して世に広める。百功
天の神や先祖をけがす。二十過
処女、未亡人、尼や女道士を犯す。三百過
他人の妻を犯す。百過
(以下略)
江戸時代の相学(相法)の大家「天下第一の相師」水野南北
相学(相法): 人相を中心に手相や体相(体つき)などを
総合的に見て その人の運勢の吉凶を占うものである
水野南北は
1757(宝暦7年)大阪生まれ
本姓は小埜(おの)で先祖が小野妹子という家伝
5歳で鍵職人の叔父に引きとられ、幼名を鍵屋熊太と名のった。
この牢獄時代に入牢者の人相の共通点に気づき・・・
明治の易聖・・・高島嘉右衛門(たかしま・かえもん)も獄中時代に
易を志す・・・不思議な一致である。
・・・見知らぬ托鉢僧から「剣難の相があり・・・出家以外にない」
と告げられた。・・・水野海常といい、のち熊太の師匠となる。
・・・決意した熊太は、鉄眼和尚ゆかりの禅寺(黄檗宗瑞龍寺)
を訪ねて入門を請う。
・・・1年間(一説に半年)・・・麦と大豆・・・入門させよう・・・
熊太は・・・守り通した。・・・海常は・・・
「剣難の相が消えている。大きな功徳を積みなさったな・・・」
食生活を変えた・・・陰徳になって・・・運命が変わった・・・
出家を断念し観相家になる決意をする。
・・・海常を師匠として・・・学び・・水野南北の名をもらう・・21歳・・
各地の深山幽谷に籠もる・・・25歳の時に、
奥州金花山(金華山)のほとりで喜仙人とよばれる仙師に出会い・・・
・・・寿命を保つ秘法・・・受法した。
・・大阪に戻り髪床屋の弟子や風呂屋の三助・・火葬場の焼場人足になり・・
1787(天明7年)に相師としてデビュー・・・
1834(天保5年)11月11日、大阪において78歳で死去。
門人らにより大阪・西天満の法輪寺に手厚く葬られた。
・・・都市計画で寺は尼崎に移り・・・京都・黒谷に移された。
古代インド・・・摩耶夫人の観相・・・(アシタ仙人)・・・
古代中国・・黄帝・・「霊枢経」・・医学・・春秋時代に分離・・・
三国時代には呉の孫権が「月波洞中経」・・・
宋の陳図南が麻衣道人から伝授・・・「神相全篇」・・・
明の袁柳荘・・・集大成・・・右ケイ「神相水鏡集」・石階「燕山相全集」・
虚々子「相理衡真」・達磨大師の「達磨相法秘訣」も流布した。
室町・応永年間・比叡山の天山阿ジャ梨が仏典をもとにして相法書を著している。
中国から「神相全篇」など・・・輸入、翻訳・・・。
★密教秘伝『西遊記』張明澄、究極の密教を語る 東明社 定価1800円
はじめに p3
功夫修行者・孫・悟空 p11
中国密教の四大法門 経典・功夫(カンフー)・実学・秘術の智慧
経典研究者・唐玄奘・三蔵 p111
戒律生活者・猪悟能・八戒 p193
『倶舎論』『十善戒経』
寺院布教者・沙悟浄・和尚 p219
五体満足の五体は、力(腕力)精(精力)気(気迫力)
神(感情を保つ精神力)識(決定能力や記憶力)
あとがき p235
南華密教の修業
持戒→持行→調身(体調を整える)→調気(集中力を身につける)→練気→
練神→禅定(ぜんじょう:座禅)→三昧(ざんまい)