【透香】 浄土真宗 燃えスレ  後夜  【青磁】

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65名無しさん@3周年
渡海難、2度目の引退宣言

992 名前: 渡海 難  ◆Fe19/y1.mI 投稿日: 04/05/29 14:44 ID:GMIQp7GT
 最後だから書かせてもらおう。親鸞仏教を釈迦仏教から歴史的に概観してみたい。

 釈迦は何をしたのか。釈迦は、自らの本質に無知を見いだすと、無知が万民に共通
していることを知る。そこから、教育・学習の必要性にめざめ、人類史上最古の学校
を建設する。祇園精舎だ。全寮制とし、校則と制服を定めた。戒・定・恵の三学を指
導した
 曇鸞は、釈迦の教育哲学を継承する。曇鸞は高等教育学を大成する。初等教育を修
了した人を対象に、将来の教育者を育てる教育活動を行った。彼は、高等教育学の専
門家だ。世親の浄土論から展開した教育手法を、論註という形でまとめている。
 曇鸞の高等教育学に対し、善導は初等教育学を完成した。学問を学ぶのに、人々は
何から学べばいいのか。善導は、学校方式の教育手法とともに、特に、部分的には独
学者でも学べるプログラムを考案している。教育者が枯渇していく時代をにらんでい
るのだ。
 中国に遅れていた我が国は、初等教育の重要性に目覚め、早くから善導仏教を輸入
していた。政府は、これを政府要人の師弟教育に活用した。善導教育学は、少人数教
育・個人教育、エリート教育の範囲を超えない。善導仏教を法然は、社会教育のレベ
ルに拡大する。法然は、個人教育、エリート教育もしながら、併せて草の根教育を実
践し、しかも、将来同じような草根の教育を実践する教育者のたまごも育てるという
幅広い活動を行う。
 法然は、エリートあるいは将来の教育者には戒・定・恵の三学を教えながら、草の
根の人々には、戒と恵を除外し、定を念仏という形で伝える。
 親鸞は法然の社会教育哲学に賛同して法然の元にやってくる。親鸞も、当初は草の
根教育を実践する教育者を目指す。しかし、親鸞には思わぬ事態がやってくる。それ
は、流罪に続く僧籍剥奪だ。親鸞にとっての衝撃は、流罪よりも僧籍剥奪という事態
ではなかったか。僧籍が剥奪されると教育者としての正当性が失われる。親鸞仏教は、
法然仏教と別の道を歩む。それは教育者不在の草の根社会教育哲学だ。自らも定だけ
を修し、自分が定だけを修することを通じ、他人にも同じ定を薦めていく。