施設から病棟へ1
精神科医と知り合いの件で、色々と好き勝手に書かれていますが、実際はこの夏にメイトに付いて調査してきた時に、知人の看護婦のつてで紹介されたのですが、その医師の担当患者の中に、元メイトの信者が居るそうなのです。
性別を秘匿するためにも、彼としておきますが、彼は会員暦は7年ほどで、以前も精神病関連で入院し、2年ほど外界から隔離されていたそうです。
彼は禁治産者として社会に復帰後、障害者作業施設(有るでしょ、あけぼの作業所とか、ふれあいの家とかそんな感じのが)で働きながらいくばくかの収入と国からの補助(こちらが大半)で、家族からも遠く離れて一人で暮らしていました。
そんな暮らしになれた頃、メイトの会員だったことを思い出した彼は、近くの支部の門を叩きます。
当時の支部長を始め支部員たちも彼を温かく迎え、彼もそんな仲間たちとともにご神業に出るうちに少しづつですが、症状も軽くなっていったそうです。
その2
そんな中、彼も恋をしました。
しかし、禁治産者である彼は、身元引受人が配偶者で無い限りは、結婚は許されません。
身元引受人が居ない限りは、子供を作ることも育てることも、勝手に引っ越すことすら許されないのです。
彼は考えました、そして支部員に相談しました。
支部員は皆マイコが効いているので、人形を書けばとか、良く神様に祈ればとか、色々あれなことを彼に吹き込みます。
その中で、一人の支部員が語った祈願法は、彼のハートをがっちりゲットしたそうなのです。
それは「九頭龍神社に13日間連続で祈願する」と言う方法でした。
ちょうどその時期は、なぜか深夜の箱根神社にメイトの会員が集い、芦ノ湖湖畔のプリンスホテルのロッジの敷地内に大人数で勝手に潜入し、連日100日祈願を九頭龍神社で行っている最中だったそうなのです。
彼は頑張りました、日々この苦行を続け、何故かトータルで40日近く(多分13×3で40だと考えたらしい)、この祈願法を行ったそうです。
その3
が、この恋愛は当然うまく行きません。
ちと冷静に考えれば判ると思うのですが、健常者の大半は好き好んで障害者を恋愛対象には選びません。
でも何とかうまく行かせたい彼は、近くの神社にも日々御百度を踏みに出掛け、連続7日祈願(なんか7日で区切ると願い事が叶い易いと信じられているらしい)
を何度も繰り返しました。
支部員も色々とまた吹き込みます。
もっと人形を書くべきだとか、支部での祈りが足りないから駄目なんだとか、フカミンの本をちゃんと読むべきだとか
エンゼルビデオを見ていないから駄目なんだとか、ご奉仕をしていないから地の徳が足り無いから駄目なんだとか
病気の彼に健常者の支部員たちは言いたい放題です。
支部に居るエンゼル手相家も、またこれに輪を掛けて吹き込みます。
「結婚線が繋がったね、この人とうまく行くかもしれないよ」
彼は喜んで、西荻まで交通費を掛けて発送ご奉仕にも出掛けるようになりました。
その4
無論、常識で考えると、この恋愛はうまくは行きません。
そして、うまく行かないまま月日は流れ、彼も病気の体を押して各地の神業に参加し、何とか自分の願いを叶えようと必死に努力していたそうです。
伊勢の壁を乗り越える神業(?)には、国からの生活補助の大半を注ぎ込んで参加したそうです。
一説には支部内での個人的な借財も膨らんでいたそうです(複数情報)。
その5
春になり、支部長が変わると、この支部員の存在をを快く思わない新支部長は、彼を追い出すために、有る事を彼に命じました。
彼に「支部に来るにはまず自分の部屋を綺麗にすること」と厳命したのです。
理由が良くわからないのですが
「自室を綺麗にする事が出来ない者は、支部に来ても汚すだけだから、神様のおわすこの後退(皇大)神社を奉る支部には出入りすべきではない」てな流れだそうです。
支部長は支部の責任者ですし、さらに前の支部長を画策で追い落としたとも噂されるこの支部長は、自分が気に入らない者に対しては、まったく容赦致しません。
つまり、この支部では、支部長の命令は絶対なのです。
精神を病んでいる彼は、どうしても人より動作が遅れたり、生活に対する衛生観念も低く、支部に来ても掃除は嫌いだと公言してはばからない人物だったのです。
さらに見た目も何気なくアレなため、この支部長は以前から腹の中ではこの彼を出入り禁止にしたかったようなのです。
その6
そして彼は支部に出入りできなくなりました。
彼は支部の神様に祈願したかったのですが、支部に顔を出すと例の支部長が毎回支部の玄関で優しく言うのです「部屋は綺麗にかたづいたの?」と。
支部長を論破して支部に入れるだけの度胸が彼に有るはずも無く、彼は何度も帰宅し、その都度部屋の掃除を試みますが、心の病いを持つ彼には部屋の掃除は出来なかったそうです。
人形を出しに来ても門前払い、支部の月一の集い(ツキナミサイとか言うらしい)でも門前払い、さらに支部での集団参拝にもその一言が怖くて参加できなくなったそうです。
当然、大きな神事でも、支部員のサポートが無いと参加できない彼は、遠隔での参加しか出来ないのですが、その申し込みに支部に行くだけで、またこの支部長は例の台詞を彼に言い、彼を門前払いにしたそうです。
その7
そのうちに彼は、作業所に行かなくなりました。
作業所の帰途に、その支部長に偶然町で出会い、また、例の台詞を言われたそうです。
この台詞が怖くて、彼は外出すら出来なくなってしまいました。
汚い部屋の中で病いは進み、あの台詞が怖くて買い物にも行けなくなり、役所に一時金の受給に出掛けることも出来なくなったそうです。
占いの結果を信じたい彼は、何とか神様に御願いをしようと家を出ようとするそうですが、あの支部長が怖くて部屋を掃除しないまま出ることは出来なかったそうです。
我々健常者が悩んだ際に落ち込むレベルと、この人たちの悩んだ際に落ち込むレベルはぜんぜん違うそうで、彼もその例に漏れず何日も眠れない日々を過ごしていたそうです。
そして、病院から渡された常飲薬が切れて1週間ほど足っているのに来院する気配が無いため、病院から役所に連絡が行き、彼は発見されました。
発見当事、彼は人に会うことを極端におびえ、社会生活も営めない状態でしたので、そのまま入院となりました。
その8
彼の場合は、彼にとっては不可能な案件を強制されたために、その案件を実現させようとして葛藤し、精神が再び崩壊したそうです(担当医および担当職員談)。
それと、分裂傾向に有る人物の言動や書物は、精神を病んでいる者にとっては最悪で、治りかけているものも治らなくなるそうです。
彼は現在は拘束衣も取れ、普通に施設で暮らしていますが、社会に復帰は出来ません。
施設内でも、新しい職員や新しい入所者が居ると極度に怯えて、集団でのリハビリを嫌がるそうです。
この話は、元の彼女でもあるこの病院の看護婦から回ってきた話ですし、自分自身も彼女の上司でもある精神科医の彼とは面識があることから聞き出せた話です。
この話を虚偽だと決め付けるならば、今度はイニシャルトークでも構いませんよ。
やりましょうか?