450 :
名無しさん@1周年:
>>447 横レス、スマソ。
幸か不幸か、現代人は啓蒙主義の洗礼を受けてしまっているのですから、そういう
立場の人間でも救える教えでないといけないということだと思います。昔、天国は
空の上にあると教会は「嘘」を教えつづけてきた。ところが、現代人は頻繁に飛行
機を利用して、空の上にそんなものはないことをよく知っています。スペースシャ
トルからの写真にも天国らしいものは写っていない。
教会は、これまで科学におされる形で「嘘」の内容を変えてきたのです。言わば、
狼少年です。では、お前の話のどこまでが「嘘」でどこからが「本当」なんだ、と
いう疑問の目を向けられているのでしょう。今、その疑問は聖書の「正統性」に
まで広がっています。
啓蒙主義の洗礼を受けた現代人に対して、都合の悪い事実を隠さないと信じてもらえ
ないような教義が旧態然として残っていることが問題なのです。所詮は狼少年にすぎ
ず、最も重要な教義ですら「実は、....嘘でした」と告白される可能性が否定できない
ということだからです。
私は仕事でフランスに滞在したことがあります。ご存知のようにフランスはカトリック
ですよね。職場の同僚と宗教のことを議論したとき、多くの人が「私は無神論者だ」と
断言するのに驚きました。彼等は「洗礼を受けた無神論者」で、そういう多くの人も
公式上はカトリック教徒として数えられているのです。ちょうど、仏教国と言われる
日本において、葬式などのセレモニーの時だけ宗教と付き合う、という関係がフランス
にも着実に「一般化」しつつあります。
啓蒙主義的な思考を身に付けた現代人は、キリスト教の教義を素直に信じることの方
が難しいということだと思います。日本人だけでなくて、フランス人も。むしろ、キリスト
教の後発国である日本の方が、クリスチャンの数は「実数」に近いと思います。
>>450 そうなんです、おっしゃるとおりだと思います。
啓蒙主義以降、それに反対する意見は、いくつも提出されましたよね。
特に私は、シュライルマッハーを無視してはならないと思います。
さて、現代人がもっとも納得できそうな思想家が、ルドルフ・ブルトマンではないかと思います。
バルトと共に、一時代を画した人物ですが、特に保守主義の陣営からは、あまり人気がありません。
というよりも、サタンの手先みたいに言われているようです。
ではなぜ、そういう風に言われるのかと聞いてみても、明確な答えは返ってきません。
彼の実存論をまともに学んだことがないからでしょう。
かく言う私も、福音主義の教会に所属しています。そして、ブルトマンを全面的に受け入れているわけではありません。
しかしながら、彼の実存論的信仰は、現代人の心も迫るものがあると思います。
ところで、教会は嘘を教えてきたと言っておられますが、
実際の所は、教会も知らなかった、ということではないでしょうか。
そして、自分たちの教理が否定されるようなことになると、
必死になって古い教理にしがみついてしまった、と。
福音派と言われている、保守主義にも同じ事が言えると思います。
>>453 教会は「知らないこと」を神の権威を使って「これは真実だ」と偽ったのです。
教会は、精神世界だけでなく物質世界の法則をも支配しようとしたのです。その
方が権威が増しますから。そこで取り入れたのがアリストテレス哲学です。
ニュートンが有名なピサの斜塔の実験によって、アリストテレス哲学に一矢を
報いたとき、本来は「実験による検証主義」と「アリストテレス哲学」との対立
であったのが、はからずも「教会権威」の対立という構図になってしまったのです。
同様にガリレイやコペルニクスと「教会権威」は対立し、その度に「教会権威」は
迫害で自分の権威を守ろうとしたのです。
もともと、教会の権威は精神世界に限るべきものだったのに、物質世界にまで侵食
した結果、科学と勝ち目のない闘いを強いられ、古い哲学とともに滅び去ったのです。
これは自業自得というべきです。
福音派にせよ、多くのクリスチャンは、聖書に書いているという理由だけで「自分
は知らないこと」をあまりに安易に「自分は知っている」と言い過ぎます。
その咎は、事実がベールを脱ぐたびに彼等を苛みます。狼少年に救いはあり
ません。「いつ、嘘がばれるか」という不安と恐怖だけです。