法華経と阿弥陀信仰

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919NB ◆Zut9KezY
P・L・バーガー『異端の時代』「序」より。

伝統を維持しようと願う人びとには、三つのおもなオプション、つまり〈可能性〉がある。
つまり一つには、伝統に対する挑戦を無視してその権威を再肯定すること、二つには、
伝統を世俗化しようとすること、そして三つには、その伝統に体現されていた諸体験を
明らかにして復活せしめること、である。(中略)それぞれ演繹法、還元法、帰納法と
呼ぶことにする。(中略)帰納的な研究の道こそが結局はものになると主張したい。

中略

私が身を入れていたのは、伝統への復帰ではなく、伝統との葛藤へ立ち戻ることで
あった。当時も今も考えは変わらないが、そのような葛藤は、伝統それ自体が世俗化
してしまえば何の意味もなさなくなる。そこで願わくは、本書が私の理解している
通りに、〈反動的〉でもなければ〈革命的〉でもない私の立場を明らかにしてほしい
と願っている。

中略

あらゆる宗教的肯定が最後に拠り所とするのが勇気だということで、知識人は他の
人びとに比べて何らの特権をもたぬ、ということを心に留めておくのは(文字通り
の意味で)有益なことである。