カトリック誤謬告発スレッド(12)

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369Sylvius ◆IdGGn6Qs
入門者向けカキコとして、今日は終末の時代に関する新約聖書の記述に関する基礎的な知識のおさらいをやっておきます。

(1)まずは、マルコ13章およびその平行箇所、いわゆる「小黙示録」について。

「小黙示録」は、旧約聖書の記述を利用してでっちあげられた、エルサレム神殿の破壊に関する「事後予言」である、というたぐいの説に関する批判はすでに>>212で終了していますので、まずそちらを読んでおいてください。

(2)「小黙示録」を理解する上で注意しておかないといけないもう一つの点は、紀元70年のエルサレム神殿破壊と、再臨前の時代に関する二つの予言が、いわばオーバーラップしつつ語られている、ということです。
この点に関してはWilliam G. Most,Free From All ErrorのMultiple Fulfillmentの章を>>3のPetersnetで参照。

(3)「人に惑わされないように気をつけなさい。
多くの者が私の名を名乗って現れ、自分がそれだと言って多くの人を惑わすだろう。」(マルコ13:6)
「偽キリストたちや偽預言者たちが起こって、しるしと奇跡とを行い、選民をも惑わそうとするであろう。」(マルコ13:22)

神智学協会を思想的源流とするニューエイジ系メシアニズムの台頭によって、この予言は成就されつつあると考えられます。
>>14のリンク先748、>>15のリンク先757などですでに紹介したニューエイジ批判文献参照。
なお、「ディダケー」16:3-4も参照。邦訳は「中世思想原典集成1」(平凡社)

(4)「荒らす憎むべき者が、立ってはならぬ所に立つのを見たならば、(読者よ、悟れ)そのときユダヤにいる人々は山へ逃げよ。」(マルコ13:14)

ダニエル書を下敷きとした「荒らす憎むべき者」という表現に関しては>>15のリンク先535参照。

聖エイレナイオスは、「異端駁論」5.25.1,5.30.2において、「荒らす憎むべき者」を2テサロニケ2:3の「滅びの子」を指すものと解釈しています。
(英訳は1のNewAdventのサイトで。)

370Sylvius ◆IdGGn6Qs :02/05/24 21:34
(5)主の再臨前の時代に関する「テサロニケ人への第二の手紙」の記述。

「まず背教のことが起こり、不法の者、すなわち滅びの子が現れるにちがいない。
彼は、すべて神と呼ばれたり拝まれたりするものに反抗して立ち上がり、自ら神の宮に座して、自分は神だと宣言する。」(2テサロニケ2:3)

ここで言及された「背教」は、カトリック教会内部での近代主義的異端やニューエイジ系思想の浸透によって着実に準備されつつあると考えられます。

このことについては過去ログ全体、とくに>>18のリンク先カトリック誤謬告発スレッド(3)を参照。ここには重要カキコが集中しています。

そしてもちろん、>>20のリンク先762以下における、尊者アンナ・カタリナ・エメリックによる「偽りの教会」に関する私的啓示を参照。

(6)新約聖書において反キリストという言葉はヨハネの第一の手紙第二章が示すように、「不法の者」個人のみならず複数の主体をさすものとして用いられています。

「偽る者とは誰か。イエズスがキリストであることを否定する者ではないか。
父と子を否定する者、そのようなものが反キリストなのである。」

ただ、後の諸聖人の予言解釈や私的啓示において、「反キリスト」は「不法の者」個人を指してつかわれることが多いので、とくに断りのない場合、私もその意味でこの語を用います。