373 :
ろんぎぬす:
霊操(岩波文庫)イグナチオ・デ・ロヨラ著_門脇佳吉訳・解説620円
霊操 第二週 第四日p150
二つの旗についての黙想
キリストの旗とルシフェルの旗を黙想する。
一方は、最高司令官である、われわれの主キリストの旗であり、
他方は人間の不倶戴天の敵ルシフェルの旗である。
[解説]・・・「旗」(bandera)とは、もともと軍旗を表す。
軍団は戦場で戦うとき、軍団の精神を鮮明に誇示し、
戦意を高揚するために軍旗を先頭に押し立て、進む。
この黙想における「二つの旗」とは、
人類救済の悲願に燃えるキリストと人類の敵の、
二つの相違する精神・意図・行動基準などの象徴である。・・・
p152
準備の祈り いつも通りに行う。
第一前備 ・・・略・・・
第二前備 ・・・略・・・
第三前備 自分が切に望むものを願う。
ここでは、凶悪な首領の奸計(はかりごと)を悟ることと、
その奸計から身を守るために助けを願う。
さらに、真の最高司令官であるキリストが示し給う真の生命を悟ることと、
キリストに似るために助けを願う。
374 :
ろんぎぬす:02/03/17 21:47
霊操(岩波文庫)イグナチオ・デ・ロヨラ著_門脇佳吉訳・解説620円
[第一部 ルシフェルの旗]p153
第一要点 すべての敵の首領が、
・・・炎と煙の大玉座に座しているすさまじい姿を想像する。
第二要点 ルシフェルが数限りない悪魔を呼び集め、
・・・散開させ、全世界に送ることを考察する。
どんな地方でも、・・・、どんな人物であろうとも、
ルシフェルはその一つをも見落とさないのである。
第三要点 ルシフェルが配下にする説教を考察する。
人々に網を投げ、鎖をからめるように勧めている様を考察する。
まず第一に、富への欲望をもって人々をいざない、
それによってもっと自然に世の空しい名誉を抱くようになり、
ついに底知れない傲慢に一層たやすく陥るようにさせる。
・・・。従って、・・・。ルシフェルは人々を
この三段階から他のあらゆる悪徳に引きずり込むのである。
375 :
ろんぎぬす:02/03/17 21:48
霊操(岩波文庫)イグナチオ・デ・ロヨラ著_門脇佳吉訳・解説620円
[第二部 キリストの旗]p154
これとは正反対に、真の最高司令官の姿を想像しなければならない。
われわれの主キリストこそ、その方だからである。
第一要点 われわれの主キリストがエルサレム付近の広野の低地に、
うるわしい穏やかな御姿で静かにお立ちになる様を考察する。
第二要点 全世界の主が、使徒や弟子たちなど、あまたの人々を選び出し、
あらゆる身分や状況の人々に聖なる教えを広めるために、
かれらを全世界に使わす次第を考察する。
第三要点 われわれの主キリストがこの使命に遣わされる僕や
友のすべてに向って語られる言葉を考察する。
キリストは次のような方法ですべての人を助けるように努めることを
かれらに勧めるのである。
人々をまず、いと高き霊的清貧に導く。
もし、「神聖な威厳に満ちた方」がかれらを奉仕させようと思われ、
かれらを選ぶなら、実際上の清貧にもかれらを導く。
第二に辱めや蔑みさえをも願望(deseo)するように導く。
なぜなら、この二つから謙遜がおのずから生ずるからである。
従って三つの段階がある。
第一は富に対する清貧の段階、
第二は、世俗的名誉に対する辱めや蔑みの段階、
第三は傲慢に対する謙遜の段階である。
これらの三段階から他のすべての善徳に人々を導き入れるのである。
376 :
ろんぎぬす:02/03/17 21:49