Borlandは25日,同社主催の開発者会議で,開発ツールの新バージョン「Kylix Open Edition」を発表した。これは,作成したアプリケーションをGNU Public Licence(GPL) で配布できるようにしたもの。Kylixは,Linuxアプリケーションを簡単に作成できる開発 ツールとして,今年初頭にデスクトップ版(アプリ開発環境)とサーバ版(サーバ開発環 境)が発表された(2月1日の記事参照)。Kylix Open Editionでは,誰でもソフトをダウ ンロードして修正できるが,修正部分を他者にも自由に使わせることが義務付けられる。 従って,Open EditionはBorlandのサイトから無料でダウンロードできるが,開発者は, 作成したアプリケーションをオープンにしたくない場合,Kylixのデスクトップ版または サーバ版も入手する必要があるだろう。
米Borland Softwareは,米カリフォルニア州ロングビーチで開催中の「Borland Developer Conference」最終日である7月25日に,Linux用ビジュアル開発ツールKylixの 無償版「Kylix Open Edition」を発表した。同社のWebサイトで名前,住所,電子メール・ アドレスなどを登録し,アンケートに答えるとダウンロードできる。ダウンロード・ファ イルの名前はkylix_oe.tar.gz,ファイルの大きさは約30メガバイトだ。使用する際に必 要なシリアル番号とライセンス・キーは電子メールで送られてくる。
Kylix Open Editionはオープンソース・ソフトウエアを作るためのオープンソース・ソ フトウエアであり,GPL(GNU Public License)に従って配布される。したがって, Kylix Open Editionで作れるのはオープンソース・ソフトウエアだけである。コンパイル したものだけを配布してソースを公開したくない場合には,Kylixの有償版(Server DeveloperまたはDesktop Developer,米国での現在の価格はそれぞれ1999ドルと199ドル) を使うことになる。Kylix Open Editionと有償版の中身の違いについて同社の発表資料は, Kylix Open Editionのコンポーネント・ライブラリは「FreeCLX」,有償版のライブラリ は「CLX」である,としている。FreeCLXの方が機能が限定されていると考えてよいだろう。 ただ,コンポーネントの数はFreeCLXでも100を超えるということである。
日本法人のボーランドはKylix Open Edition日本語版の配布の準備を進めている。「8 月末には配布を始められるのではないか」ということだ。