台 湾 A A 劇 場
☆★☆ 高砂義勇兵の墓の前にて ☆★☆
娜々志娑无 Presents
ここは台湾、ある高砂族の戦士の墓です。
彼の供養をするために年老いた日本人の
戦友たちが集まっています。
おぉ、やっとこっさ
あいつのところに
_ 来られたモナ…
| | ∧_∧ ∧_∧ ずいぶん遅くなって
| | (´Д` ) (´Д` ) 済まなかったモナ
| | †⊂ ヽ †⊂ ヽ
| | | 〈 〈 〈 | 〈 〈 〈
/ ̄ ̄ ̄ヽ.. | (_(__)...| (_(__)
高砂族の遺族が、はるばる日本から来て
くれた彼らのために昼食としておにぎりを
差し入れると、彼らは全員泣き出しました。
オレにはこの握り飯は ? ?
_ 食えない… ∧∧ §
| | ∧_∧ ∧_∧ ,.-、 ,.-、 /高 \ ,.-、ヾヾ三ミレ
| | ( ∩ДT) ( ;Д;)(,,■) (,,■)(´Д` )(,,■)(‘∀‘ 从
| | ( ノ ) ( つ ⊂ __ノ) ⊂ __ノ)
| | | | | | | | | |Ξ_.| | | |♀_.| |
/ ̄ ̄ ̄ヽ (__)_) (__)_) (_(__) (_(__)
そう、彼らにはどうしてもお握りを食べられ
ない理由があったのです。少なくとも彼の
お墓の前では……。
高砂族は誇り高い戦士の一族です。彼らは
決して無用の戦いは好みませんが、戦う時は、
常に部族の誇りを賭けて戦っていました。
∧∧ 、〃_ ∧∧
/ 高\ | Y ( /砂 \
(#`Д´)ノ,人 (,(`Д´,,#)
( ~__з)' . >(B )
/ / 〉 〉 〈 〈\ \
(__)(__) (_) (__)
日清戦争の結果、台湾が日本の領土と
なった時にも、最後まで抵抗したのは
彼ら高砂族でした。
朕は逃げるアル
___。__ ∧∧
\_清_/ . | / 高\ . ____
(`八´; )§ ⊥(#`Д´) ターン __|__*__|
⊂ ⊂ )§ ⊂ )つ ∧∧ .___ ,,___0⊇Д` (ゝ
Y 人 & / / 〉 〉 / 砂\  ̄ ̄ヽ---∩二⊂)
(_) J (__)(__) ⊂~⌒⊃-Д-)⊃ (_)\__)
しかし、日本が教育やインフラの充実など、
化外の地であった台湾を内地並みにすべく
努力し、その成果が上がるにつれて、高砂族の
生活も向上し、彼らは自然に「日本人」としての
意識を強く持つようになっていきました。
∧∧ §
ノノ ヽヽ /高 \ヾヾ三ミレ
|( ^▽^ノハo∈( ^∀^ .)(‘∀‘ 从
( つ´D` ) (ヽ__ノ)(ヽ__ノ)
||( ) | |Ξ_.| | | |♀_.| |
(___)(__(__) (_(__)(_(__)
時は流れ、大東亜戦争が勃発。戦地が
フィリピンやニューギニアのようなジャングル
の地であったため、熱帯の環境に慣れぬ
日本兵は悪戦苦闘していました。
. ____
. . ____ .__|__*__| 飢え死に
ξ . |__*__|__ は、腹が (´Д`;(ゝ しそうだモナ
.____ //|i´Д`) 痛いモナ... (ミ彡 )
|__*__|__ ( つ⊂) ) | (
⊂~⌒⊃-Д-)⊃ と_)__) (__(_)
⊂⌒~⊃。Д。)⊃
そこに立ち上がったのが高砂族でした。
日本が台湾を統治するようになってから
既に50年弱。彼らにとっての祖国はもう
「日本」となっていたのです。
∧∧
/ 高\ ∧∧
( ^∀^) /砂 \
_,;ト - イ、 (^∀^ )
(⌒` ⌒ヽ , ,,ト.-イ/
ヽ ~~⌒γ⌒) r'⌒ `!´ `⌒)
ヽー―'^ー-' ( ⌒γ⌒~~ /
__ 〉 | `ー^ー― r'
\/───|(四 | l ト、 ._
irー-、 ー ,} / 四)二二ノ
/ `X´ ヽ / 入 |
密林は彼らにとっては庭のようなものでした。
彼らは降り注ぐ弾丸の下をものともせず、
密林を縦横に飛び回り、日本軍のために
陣地を築いていったのです。
∧∧ ・── チューン
/ 高\ ∧∧ ・── チューン
( ; ^∀^) / 砂\ BOM!
(つ(≡≡) ( ; ^∀^) (≡≡)(≡≡) M
/ /〉 〉 ( つ つ (≡≡)(≡≡)(≡≡) M M
(__)(_) ⊂_)__) (≡≡)(≡≡)(≡≡) M M
しかし、戦局はますます不利となっていき、
糧秣の補給もままならなくなっていきました。
腹減ったモナ..
. ____
|__*__|__ . ____ ∧∧ しっかり
//´Д`) |__*__|__ もう動けないモナ. /高 \ するワナー!!!
( ミ彡) ∩´Д`) ____ (´Д` ;)
) | ( ノ ミ彡) |__*__|__ ⊂ ⊂)
(_)__) ⊂_)__)∪ ⊂~⌒つ´Д`)つ (__(_⊃
もはや部隊の中でまともに動けるのは
高砂族の彼だけ。そこで彼ははるか
後方の兵站基地へ食糧を取りに行く
ことを申し出て、ひとり出発しました。
∧∧ 必ず食糧を持って
/ 高\ 帰ってくるワナ〜!
( ;^Д^) それまで頑張るワナ! た、頼むモナ...
⊂(( ⊂ |,,) ____
Y 人 __|__*__|
(_) J ⊂(´Д`⊂⌒~つ
彼は必死になって密林を掻き分け、
やっとの思いで兵站基地に到着するや、
疲れた体に米50キロをかついで
休みもせずまた戦友のもとに
向かいました。
い、一刻も早く、飢えた戦友に
∧∧ この食糧を届けてあげるワナ…
,-、/ 高\
/米(;;´Д`) ハァハァ
/米(つ ))つ
〜 L米人 Y フラフラ
(_(__)
しかし、既に彼の体力は限界を越えて
いたのです。陣地まであと少しという
ところで、彼は飢えのために力尽きました。
/⌒ヽ∧∧
(米米/ 高\
⊂~⌒つ-Д-)つ
その後、戦友たちが彼を発見した時には、
既に彼は餓死していました。
. ____ . ____
|__*__|__ __|__*__| ウワァァン!! ____
ノノ;Д;) /⌒ヽ∧∧ (TДT(ゝ __|__*__|
ノつ つ (米米/ 高\ ⊂ ⊂ ヽ ∩ДT(ゝ
⊂_)__) ⊂~⌒つ-Д-)つ (__(_⊃ ヽ ⊂⌒~⊃
もちろん、背中の食糧に手を付ければ彼の
生命は助かったでしょう。しかし、どうしても
彼には、飢えた戦友が待っているこの食糧に
手を付けることはできなかったのです。
彼の戦友たちは、彼が必死に運んできた食糧の
おかげで、苦しいこの戦いを生き延び、終戦を
迎えて無事に帰国することができました。
けれども、戦勝国の手によって台湾は中国領と
なり、高砂族も「日本人」ではなくなってしまいました。
∧∧ § ∧∧ 台湾はシナーの
/ 高\ ヾヾ三ミレ /中 \ .固有の領土アル!
( ; ´Д`)从 ;‘Д‘) (`八´ ) 文句のある奴は
(ヽ__ノ) (ヽ__ノ) (~__((__~). 前に出るよろし!
| |_Ξ|| | |_♀|| | | |
(__)_) (__)_) (_(__)
なるほど、私たち戦後世代の日本人にとっては、
高砂族は外国人以外の何者でもありません。
でも彼は、餓死してまでも戦友のもとに食糧を
運ぼうとしたあの彼は、間違いなく「日本人」
だったのです。
あなたは彼の前で胸を張って言えるでしょうか。
私は日本人だ、と。
_
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| | ( ) ( )
/ ̄ ̄ ̄ヽ iii~ と ヽ.と ヽ
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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(劇終)〜〜〜