プログラマーがファンタジー世界に召喚されますた・2巻
──空腹と喉の渇き。
砂。
砂漠。
空。
太陽。
月。
日が昇り、沈み、上り、沈み…今日は何日だろう。
もう休暇はおしまい。自分の会社に戻って、新たなプロジェクトに参加して…
今度こそはデスマーチにはしない。はずなのに。
俺は砂に足を取られて転んだ。
夜空。
そこには、知っている星座は無く…元々星座なんて知らずに生きて来た事を思い出す。
腕を伸ばしてみると、右手の中指の中ほどに、光るものが見えた。
ズシン。
また音がする…。音?
風と自分以外が発した、音?
立ち上がり振り替えると…砂の中から、甲殻の足が何十本と…
ええと…ああ、そうだ。百足だ百足。虫なんて最近は蚊くらいしか見ないからすぐ出てこなかった。
俺の身長よりもありそうな百足だ…
現実感がまるで無いまま、逃げなきゃ、と思えるまでにまた時間がかかった。
しかし俺の口は感情とは別に「言い馴れた」スペルを紡いでいた。
begin ... GetCordinate ... Explode !
文字は舞わず、爆発も起きない。
途端に恐怖が現実感を持って、全身が硬直する。
一閃。
百足の胴体は、青い鮮血と共に、輪切りになっていた。
その後ろから現れたのは、ターバンを巻いた人間。
布に布を重ねた服と、今鞘に収めた太い剣と。
「そんな軽装で砂漠を横断しようだなんて、無茶にも程がある」
横断…?
俺は、どこへ行けばいいんだろう。
「…神殿を目指している連中とは違うようだな」
離れたところにこの人のラクダが繋がれていて、俺はそれで村へと運ばれた。
聞きたいことは山ほどあったが、乗り心地の良くない背中で、ぐったりしているしかなかった。
村に着いた。
オアシス、と聞けば想像するような、そんな村だった。
木陰の下何か編み物の絨毯に座らされ、村人が何人か集まってきて、俺を介抱してくれた。
水を飲ませてもらっても、一向に喉の渇きは癒えない。
「神殿に行こうとする者達が急に増えてな、通り道の近くになるこの村も賑やかになったのだが」
「その指輪…おまえさん魔法使いじゃないのかい」
「来訪客が増えるとともに、村を荒らす者も増え出しての…」
話を聞けば聞くほど、飛行機が落ちてインドかどこかの砂漠で俺一人助かった
…なんて状況とは思えなくなってきた。明らかに「別の」世界。
だが、唱えたコードも反応してくれなければ、ウィンドウも出ない。
それが、わからない。
俺の頭が働いていないだけかも知れない。
行き交う人達の中には、砂漠に似つかわしくない服装や鎧も見え、
何人かはちらちらとこちらを見てゆく。
不自然に思えるのだが、こういうものなのかもな。
夜も更け、招かれざる客の俺には、ラクダ小屋の空き部屋が与えられた。
目蓋の間からのぞいていた月の光が影になった次の瞬間、俺は引きずり出され、
踏みつけられ、わけもわからぬまま押さえつけられ、そして痛みが走った。
「くっ」
俺は咄嗟に指輪を左手で庇う。
だが、これはあの指輪と同じものか?
何もできないまま、指輪は抜き取られ、持っていかれた。
俺にできることは、なんとか寝床まで這って戻るぐらいだった。
翌朝…
昨日俺を助けてくれた…改めて布を外した顔を見ても、男か女かわからない…が
俺を見つけてくれ、医者まで連れていってくれる道筋、既に周囲は野次馬で
ごった返していた。
病院、といっても、板で囲まれた単なるスペースなので、いい見世物だ。
人間は大分入れ代わっていたようだが、ちらほらと昨日俺を見ていた奴らも確認できた。
「夜盗か…ますますひどくなってる」
医者は、俺に薬を塗りながら、彼/彼女に声をかけた。
「ラージャ、すまんが、夜の警備も増やしてくれんか」
「ええ、そうしようと思いました」
彼女が出ていってから、俺は医者に彼/彼女の事を聞いてみた。
「ん?ラージャはこの村の番人というか、そんなのだ。腕っぷしが強くて、
村の者も、村の者で無いものも、守ってる」
こんなことが前にもあったような気がする…と考えていると、
ふと、急に指輪が心配になった。
辻褄が合わないが、悲しいかな俺の人生に指輪なんて縁は無い、
あの指輪は、やはりあの化け物が持っていた…Adaの指輪ではないだろうか。
俺を庇ったユウリさんの顔が、フラッシュバックしてきた…。
昼過ぎ…診察室から板一枚隔てて、寝かされていた俺は、噂話を聞くことになる。
「ラージャが野党を追いかけて神殿に向かったらしい」
それで俺は、ばっと飛び起きた。
板を乗り越えようとして倒してしまい、驚きの目をした医者を踏み越えて
患者の肩を揺さぶる。
「どっちですか!?」
下から医者がうめく。「おい、何がしたいんだ」
若いというよりまだ子供の患者は、答えようにも言葉が出てこないようだった。
「方角!」
「に、西の方です…」
背後から医者の叫びが聞こえる。
「何をするつもりだ!ラージャは強い!足手まといになるつもりか…」
確かにそうだ。
だが、悪い予感がする。そしてあの指輪を取り返しておきたい。
今から追いつけるだろうか、と、急いで村を西へ西へと横断…皆が皆俺の方を見るのは
いい加減…あと少しで村外れという時、野次馬の一人がさっと出て来て、俺の腕をつかんだ。
「離せ!」
だが、その野次馬は、こんな台詞を吐いた。
「あなたもプレイヤーでしょう!違いますか!?」
あらためて相手を見る。
黒がかってはいるが青い髪に、手品師のような黒いコート、片手の指にはやはり指輪。
そしてもう片手には身長ほどの槍をかかえている。
往来でそれでも不自然では無いこの世界。
…なんてことだ。二度目だ。
俺は半分涙目で笑い出した。
「はっはっは…そうじゃないか、そうじゃないかと思いつつ、確信が持てなかったんだよなあ…
俺って奴は…」
相手は、不思議そうな顔で俺を見やる。
「走りながら話を聞きましょう。俺は直人、そのままナオト、メイガス。あなたは?」
すぐに返事をくれた。
「弥(ひさし)、フォルディ、同じくメイガス!
ゲーム開始早々、ステータスウィンドウが開かなくなった。そっちはどうです?」
今は公開βテスト、で、全国から100人ほどが、何箇所かのゲームセンターに置かれた
“球体”から参加している、とのことらしい。
公募されたプレイヤーじゃないのか、と聞かれたが…俺自身、どういう経緯でまた
この世界に入っているのか覚えていない。長期休暇も終わりに近づいたので
テストプレイヤーはもうおしまい…のような話をした記憶がある。自信は無い。
午前9時開始で、ゲーム内時間で一日ちょっとだから、今は昼過ぎのはず、らしい。
百足が出現したタイミングと開始時間が合っている。
ということは、俺は前日ぐらいにはもうここに入ってたのだろうか?
そして開始からゲーム内時間で半日ぐらい経ったところで、ウィンドウが開けなくなった
とのことだ。…またバグかな?
「管理者と連絡が取れないのをいい事に、好き勝手やる奴が現れました」
「じゃ、じゃあ、俺を襲ったのも…」
「プレイヤーです!」
221 :
仕様書無しさん:04/08/24 22:12
朝は連投制限に引っかかりました。
もう誰も見ていないでしょうけれどあげさせてください
キターっ!
お待ちしておりました……(涙
>>222 まさか待っててくれてるとは…ありがとうございます。
前のような頻度は無理かもしれませんが、書き残していたところは書きたいと思っています。
224 :
仕様書無しさん:04/08/26 00:11
まだ見てるよノ
ついでにあげあげ
「Me」の下で働くのも楽ではない。彼女は今まで出会ったマスターの中で
一番「不憫」な人間であるからだ。
たとえばこんな話がある。
ある時、城へ治められた地図を見て事務官は泡を吹いた。
増え続けるファイ・ルの精が勝手に土地を耕し、
その結果、目を当てるのも億劫になるほど無茶苦茶な地図ができたからだ。
そこでマスターは土地を整理しようとしたのだ。
しかしマスターには手の余ることであった。
最初のうちは必死にがんばっていたが、二、三時間もうちに倒れてしまった。
結局、ディスキー・パーさんが残りをやったがマスターは数時間ほど寝込んだ。
決してサボり癖があるわけでも仮病癖があるわけでもない。
ただマスターはあまりに大きなの仕事を行うといつもダウンしてしまうのであった。
そんな彼女にに使われていたある日のこと。
他国では「msblast!」と刺繍された軍隊に壊滅的な被害を与えられていた。
幸い、その軍隊は私のマスターの国には目もくれず。
混乱も収まったある日、門番の「ぞね」さんが一人の旅人を捕まえた。
なんでも「木馬」(邪心を持った怪物)を召還しているところを目撃したらしい。
早速私は詰め所に放り込んだ彼の尋問を行った。
結果、すぐに彼が「ビリー」の使いであることが分かった。
何せ私には「ヒューリスティック」という呪文が使える。
だが私はこの時点で報告なんぞせずに、すぐに国中の人間を調べ上げる必要があった。
そのことを後悔したのは城から黒煙と爆発音が聞こえた翌日のことだった。
・・・続く?
ほんの少しだけでも賑やかになってきたみたいで嬉しい限り。
>>220の続き
---- ここから ----
「何にしろメイガスが魔法の指輪を取られたとなると、そっちが先ですね」
フォルディは肩で息をはじめた俺を立ち止まらせると、自分の指輪を取り出し、
魔法を唱えた。彼の足元を中心に、円形の魔方陣が出現し、それがそのまま浮かび上がる。
「…?どうしました。乗ってください」
だが、俺は、こんな言葉しか言えなかった。
「これ、なんて魔法?いや、今回のプレイヤーって、何レベルスタート?」
「えっ…1レベルからですけど…ここに来るまでに経験値溜めて、今2レベルです」
新しく追加された魔法なのか、或いは、このゲームシステムでは指輪に記憶された
魔法しか使えないので、たまたま俺が遭遇してなかっただけか。
そういえば、あまりにもコードで何でもできるもので、普通の魔法を集めたりは
ほとんどしてこなかった。
そんな俺を乗せて、魔方陣は砂漠の上空を高速で飛んでゆく。
希にハゲタカが襲ってくるが、フォルディは槍で追い払っていた。
そういえば、俺は武器もなにひとつ持ち歩いて無かったよなあ…。
「あれは違いますか?」
砂丘に、ラクダがいて、脇に人もいる。
少し先に、遺跡の柱みたいなものが何本か立てられていて、さらに数人が固まっている。
俺達は、砂丘に降り立った。
ラクダを連れた人は、果たしてラージャさんだった。
「ラージャさん!」俺は駆け寄る。
「どうして来た!」
手厳しい。
「じ、じっとしとけないでしょう!盗られた物の中には俺の…」
フォルディが割り込んだ。
「あの人集りは何ですか?」
ラージャさんはかぶりを振った。
「わからない。見てくれ。ただ、近づかない方がいい」
よく見える範囲まで砂丘を降りてみると…
崩れかかった柱の下で、何人かの人間が、硬直していた。
文字どおりの硬直。
服装に統一感が無いことから、プレイヤーらしいとは推測できる。
そして、三対一ぐらいで、お互いに掴み掛かって戦っていたようにも見える。
付随して、ふたりがそれを取り囲むように固定されていた。
その周囲を取り囲んでいる野次馬も、俺達同様後から来たプレイヤーらしい。
「三人の方が、夜盗だ」
いつの間にかラージャさんも降りてきていた。
野次馬のひとりが話しかけて来た。
「一番外側の奴は、こっちのパーティなんだ。俺は触るなって言ったのにさ…」
とすると、外側のもうひとりも、同様だろう。一人旅なのか見捨てられたのかはともかく。
フォルディが小さく言った。
「ステータスウィンドウが開ければまだ何の状態変化か…」
俺が遮る。「いや、やめたほうがいい」
「バグでデータが動かなくなってる可能性があります。関係したら巻き込まれるかも」
竜也達のためにマーキングしておこうにも指輪は凍りついた夜盗が持ってるし
あったとしてもコードは使えなくなってるようだし…。
野次馬のパーティは、先へ進むかどうかも考えているようだ。
この柱が、神殿への目印らしく、そして、神殿が、あらかじめプレイヤー達に
言い渡された、今日の目標地点らしい。
神殿の次は、まだ教えてもらっていないとのこと。
βテストといっても適当に遊ばせておくのでは無く、イベントを行っているようだ。
相談を続けていると、日が暮れて来た。
あたりが暗くなりかけて、俺はすごく眠たくなった。
見ると、野次馬のパーティは少し離れてテントを張っている。
ラージャさんはラクダから荷を解いていた。
「弱ったな…突然で準備をしてこなかった。
何も無しで寝ると体力が削られると聞いてますし…」
フォルディがそんなことを言う。
「さっきので飛んで帰るのは?」
「マジックポイントが少し足りません」
あたりを見渡すと、もうみんな用意が終わったようだ。
俺は、パーティの方に声をかけた。
「すみません。この人だけでもテントに入れてやってくださいませんか」
実時間で、何食ぬいているのだろう。
たき火のちらちらした明かりも、妙に奇麗に表示された銀河も、目障りだ。
俺が眠るに眠れないでいると、砂を踏む音が聞こえた。
跳ね起きたつもりだったが、かなりゆっくり起き上がってしまって、
眼をこすると、フォルディがテントを抜けだしてきていた。
230 :
仕様書無しさん:04/09/02 22:31
「つきあいますよ。マジックポイントはどこでも回復するみたいですし
多少ライフが減っても明日朝は帰れます」
そう言って、俺の隣に腰かけた。
この人は、何故か、安心できる気がする。
「あなたは、プレイヤーでも、抽選で当たったのとは違うように思える」
俺は…
「人を殺しました…夢の中で。感触が残ってます。
こんな夢はさっさと終わらせねばと思う一方、きちんと終わらせないと寝覚めが悪そうで…」
目蓋を閉じた。
---- ここまで ----
保守
hohoho
>>206-あたり
「age」
物売りが立ち並ぶ街の広場の雑踏の中に、突然、澄んだ声が響いた。
同時に、足もとから不気味な振動がわき上がる。
広がる空の色が、かき回したシチューみたいにぐるりと回るのが見え、
めまいと振動でバランスを崩し倒れ込んだ時、空に閃光が走り
…いや、閃光に見えた光は一向に衰えず、しばらくして少しだけ目が慣れた私は、
空そのものの明るさが突然非常に増したのだという事を理解した。
(一体何が…と、その前に、他の人達はっ)
広場には結構な人がいたのを思い出し、慌てて周囲を確認すると
…座り込んでいるのは私一人だけで、皆何事も無かったように広場を行き交っている。
(そんな…あれだけの衝撃を、そしてこの空の明るさを…感じていないのか?)
立ち上がろうとしたが、足もとがふらつき、私はまた座り込んでしまった。
(あの振動のせいか…何故私だけ…)
座り込んだ拍子に路地を向いた私の、まだぐるぐる回る視線の先に、その時、
危なっかしい足取りの人影が現れ、私の数歩手前まで来てどた、と倒れた。
「あっ!」
背後から駆け寄った青年が、倒れた人影の腕をつかんで引き起こす。
「全くお前は、何て事をするんだ!他の人の迷惑を考えろ!」
「迷惑する人なんていないわよ。普通の人は『外』への魔力は感じないんでしょ?
感じるのはお兄ちゃんみたいな『消滅防御魔法』の遣い手だけ、
実際神殿のみんなはこの程度の魔力の動きにはびくともしてないじゃないの!」
腕をつかまれたまま少々ヒステリックに言い返しているのは、よく見れば少女だった。
「そういう問題じゃない。世界をこんな所に動かしてしまったら、嵐に遭う率が跳ね上がるんだぞ!」
「シールド魔法があるんでしょ。それに、今の季節なら『外』にそんなに嵐はない筈よ」
「お前、そこまで分かっていてやったのか…何故だ…」
青年がつかんでいた腕から力が抜ける。少女は顔を背けてつぶやいた。
「…あたしに『消滅防御魔法』の素質があるか知りたかったの。
お兄ちゃんと一緒に行けないかもしれない…それが怖かった…」
ベタベタな展開に困惑する私の横を駆け抜けて、やや年配の男が二人の横で立ち止まり声をかける。
「いたか。周りの世界にはここんとこひどい嵐は来てないそうだ。
こちらも、光から自然に遠ざかるまでの間、嵐の目を避けるシールドを張っておけば大丈夫だろう。
…ところで、その人は…もしかして巻き込んだな?」
二人は初めて私の存在に気付いたようだ。
「本当に申し訳ありません。妹が大変なご迷惑をおかけしました。大丈夫ですか?」
青年が少女を引きずって来て、頭を地面に押さえつける。
「いや、あの、その…正直、何がなんだか」
私は広場での体験を話した。
「そうですか…お気付きかとも思いますが、妹が無謀にも唱えた呪文は『外』への魔法の一つなのですよ。
消滅を防ぐためのものですが、消滅から遠ざけるため世界の位置を一気に光のすぐ側まで動かすので、
その衝撃でいろいろな不具合があらわれたり、嵐に遭いやすくなったりするのです。
あまりにも影響が大きい魔力故に、魔法使いの中でもごく一部の者にしか、
扱う事はおろか検知もできないものですが」
私はなんとなく理解した。かつて偶然行き合わせて保守の呪文を教えられた時に、
どうやら自分が、まだまだ自分には大きすぎ手の届かないものである筈の
「外」への魔法を感じる力を得てしまったのだという事を。
「まだまだ、私には力が足りませんね…」
ここに来るまでの出来事を思い返しながら、私はつぶやいた。
「世界の消滅に対抗する方法は、実にさまざまです。あなたの力を役立てる方法も、ある筈ですよ」
年配の男がそういって私の手を取って立ち上がらせる。
その手から魔力が流れ込み、今度はちゃんと立つ事ができた。
「ありがとうございました」
「いや、迷惑をかけたのはこちらですから」
頭を下げる3人に見送られ、私は広場を後にした。
(私に「外」への魔法が使いこなせる日は来るのだろうか…)
空の光が少し弱くなったような気がする。
世界がまた穏やかに消滅に向かって沈み始めたのか、それとも単に夕暮れが近いだけなのだろうか。
久しぶりにまとめサイトでまとめ読みしたら何か書きたくなってきた。
いやその前にいい加減真地面に続きを考えないと(´・ω・`)
地面というと、崩壊から世界を守るために「age」とか「sage」とか「osage」とか書いてみるシリーズですか。
前の続きを考えてたら頭が煮詰まった。妄想があらぬ方向へと飛びまくり。
その余波でこんな予告編のイメージが浮かんできたり。
いっその事これベースで書くか(´゚c_゚`)
─────────────────────────────────────
version 0/ Preview Release
やっとの思いで駆け抜けたデスマ。
女性という特権を使って得た公休有給代休7HITコンボ。
我が家を目指して乗った電車が辿り着いたのは異世界?!
「え? これ、C++? 魔法って言うかプログラムじゃない?!」
見知らぬ世界で見た魔法はプログラム?
「貴方も……日本から来たの?」
同じ世界から来た仲間との出会い。
「うん、帰れたら。今度は渋谷ででも会いましょう?」
ちょっぴりラブロマンス。
『魔法とは世界を凌駕する "異なる認識" 、世界は認識によって形を変える。
認識しろ。
私の世界を認識しろ。
常識を侵食する程強固な自己を認識しろ。
この世界を私の意識で塗り潰せ。この世界をねじ伏せろ。
私の望む世界を投影しろ。私の世界にあんな奴は要らない。
私の世界にはお前なんか居ない。
お前が私の世界にまでのさばるなら、お前が私の世界を侵すなら。お前が私の世界を否定するなら。
私がお前の世界を排除する。私がお前の世界を奪い尽くす。私がお前の世界を破却する!!』
剣と魔法に彩られた世界で女プログラマが成り行き任せに大活躍!!
新感覚ファンタジー。2ch@プログラマ板にて近日公開!!
ワイデスとか召喚できませんか?|∀゚)
保守しておきましょう
>>230の続き
----ここから----
**** SIGN OUT NAOTO ****
足下にハンバーガーの包みが転がる長椅子に、俺は横たえられていた。
俺が目蓋を動かすと、声が飛び交い足音がし、目を開けてみると男共に覗き込まれている。
子供、タオル頭、長髪。
紫苑「あ、気付きました。直人さん大丈夫ですか?」
太郎「お前なんであんなとこで寝てたんだよ」
慎之介「場合によっては…」
俺は…呻き声をあげ…事態の理解に努めようとした。
「…ちょ、待ってくれ。俺は…いつのまにか“中”に入ってて…」
それで、三人は顔を見合わせ、口を揃えた。
「「「あの中にいた!?」」」
慎之介「聞かせろ」
太郎「今日は竜也も出かけてるしよ…それで開始直後からトラブってて」
紫苑「とにかくこちらからもプレイヤーの様子がわからなくて」
連絡がつかないのは双方向だったのか?
まず、聞いてみる。
「例の呪文、禁止したんだな。使ったけど出なかった」
慎之介「前みたいな事があってはたまらんからな。表示はやめた」
紫苑「ですから、コードのエコーやエラーメッセージが出なくなっただけで、変わってませんよ」
直人「でも、一度コードで爆発を起こそうとしたんだが、起きなかったけど…?」
紫苑君は律義にログを探してくれた。
「…ありました。"GetCordinate"、oがひとつ抜けてますね」
俺は長椅子から転がり落ちた。
身体が衰弱している。起き上がれない。手を借りて再び長椅子に寝そべる。
安いスプリングに跳ね上げられて、どさっと横になる。
「何か買って来ます」と言い、紫苑君は出ていった。彼はいい子だ。
…。
太郎「それで、二日ぐらい中にいたってか?何のために」
「何分時間間隔が狂ってて…主観だ。それぐらいと思う」
太郎「お前が最後に来たのが水曜だから最長三日だ。それで、何のためだよ?」
「わからない…」
太郎「竜也と飲みに行っただろ?お前酔っぱらって乱入してくれたんじゃねえか?」
はっと思い出した。
「そうだ!固まってる奴がいるんだ。こっちから直してやってくれ」
「固まってる?」「こないだのダークみたいにか」
だが、タオル頭は首を振りやがった。
「こっちからは、どれがプレイヤーかもわからないんだぜ…」
頭痛がしたとき、紫苑君が戻って来た。
コンビニ弁当をがっつきながら、俺は尋問される羽目になった。
慎之介「ふむ、中からは、ステータスウィンドウが開けない、と…」
外からは、プレイヤーの追跡ができなくなっているらしい。
コンピュータを扱った映画などではあっさりしたものだが、実際には“見る”ための
メタ情報が無ければ全てはサーバー上のメモリの羅列、何がどれを指しているか
特定するだけでも一苦労。だからMarkのようなデバッグ用のメソッドもある。
慎之介「イベントのほうに人が出払ってて、割ける人数なんて無いんだが、
それでもひとり中に入ろうかという話になりかけたところだ。
それで“球体”のほうに行ってみるとお前が寝てたわけだが」
太郎「中にも不具合が出てるとなるとやべえな…なんとかマーキングして、あっ」
紫苑「どうしました?」
太郎「Mark」
慎之介「だから、中に入ってなんとかマーキングしてこないと、あっ」
紫苑「あっ…Mark」
三人揃って俺の方を見る。
慎之介「確か…AI魔術師にMarkかけられてたよな、お前」
紫苑「探してみます」
今度は三人揃ってどかどかと端末室のほうへ出ていった。
俺は、半ばあきらめながら、自分の会社の方へはなんと連絡するか、悩み始めていた…。
----ここまで----
shu
246 :
仕様書無しさん:04/11/10 11:52:12
ge
247 :
石黒 ◆VNX0nxDxEo :04/11/10 18:42:24
仲間が死ぬ
↓
プログラマーが召喚される
↓
さっそくザオリクを唱える
↓
生き帰らない
↓
ハッ、も、もしやバグ!?
↓
バグではなく仕様です。
↓
Ω<な、なんだってー!
↓
248 :
sage:04/11/18 07:58:35
age
sage
(1/3)
私達の国は,C/Java連合軍の魔術師(プログラマー)達に苦戦していた。
そしてついに,time_t==2091100744 には城1つを残すのみとなってしまった。
time_t==2091232591,連合軍はその城も包囲し,私達は絶体絶命。
私は城の中をうろうろするよりなかった。
time_t==2091327124,私は城の中にある壊れかけの家に隠れていた。
その中で私は何か光るものを見つけた。
「何だ,これ・・・」
それは錆び付いた剣で,柄にある紋章だけがなぜか綺麗に残っていた。
「・・・剣だと?
俺が戦えってことか?」
そう思って少し気持ちが沈んだ。
その剣を少し磨いてみた。
錆は表面だけで,中はまだ大丈夫だった。
そして,私はこの剣に何か運命的なものを感じた。
(2/3)
time_t==2091490643,ついにC/Java連合軍は城の攻略にかかった。
魔術師達の攻勢に対し,魔術師を擁しない私達の国はなす術がなかった。
私が剣を携えて戦場へ着いたとき,兵士達が次々と倒されていくのが目に映った。
しかし,ここでは引けない。
剣を持って,魔術師達に斬りかかっていった。
「え?」
全く切れない。
切れ味が悪すぎる。
「くっ,こんなんじゃ斬るより叩くしかないじゃないか・・・」
そう思いつつ戦っていたが・・・
四方を魔術師に囲まれた。
周りの魔術師達が呪文を唱えようとした。
「・・・どうする・・・」
その時剣が光った。
(3/3)
剣の光はたちまち周囲を包み込み,魔術師達の呪文をかき消した。
「何が起こったんだ・・・?」
魔術師達は叫んだ。
「あっ,あの剣は・・・」
「これはかなわん,退却だ!」
そして,その時の私には何を意味するのか分からない紋章「/* */」が煌いていた。
私がプログラミングを始めたのは,その1ヵ月後であった。
その時からずっと,私はコメントアウトに「//」は使わず「/* */」だけを使っている。
保守。ここ面白いですねー。SSも小ネタも良い感じで、大好きです。
作品は時間の都合で雰囲気しか読めないですが、面白いと思います。
皆さんもデスマ等大変でしょうが頑張って下さい。
・・・さて、自分も自分の学生用デスマ(受験)しますね。
257 :
仕様書無しさん:05/01/05 23:50:14
新年保守&あげ
ほこりかぶってら
ぱたぱた
第2回トーナメント用に、
マ知識の要らない短編を書いてみる勇者さまはいらっしゃいませんかー
261 :
仕様書無しさん:05/03/08 03:19:41
トーナメントって?
>>1 道具も無いのに何が出来るって言うんだ・・・
ハード屋ならまだ何か出来そうだが。
何かできてしまうからファンタジー世界なのですよ
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