メインフレームでは1950年代後半にOSという概念が生まれ、64年のIBMのシ
ステム360から本格的につかわれるようになっていった。とくにパソコン用のOSでは、
最小限(1)ファイルの管理、(2)メモリーの管理、(3)タスクの管理、(4)ユー
ザー・インターフェースの処理、(5)ハードウェアの入出力管理、などをおこなう。
パソコン用OSとしては、73年にCP/M1.1が公開されたのが最初期のものであ
る。その後、80年代前半まで、多数のOSが開発された。広く使用されているOS
には、MS-DOS、WindowsNT、Windows95/98(→ Windows)、Mac O
S(→ マッキントッシュ)、OS/2、UNIX、OS-9/68000、Linux、Be-OS、T
RONなどがある。これら以外にも、各メーカーのハードウェア固有の独自OSもあ
る。
OSの概念は、それぞれの時代で、コンピューターにもとめられる機能によって変
化してきた。ハードウェアが高価で処理速度が低速であった時代には、少ない
機器やソフトウェアでできるだけ多数の利用者が、効率的にコンピューターを使
用できるようにすることが重視された。タイムシェアリングなどは、こうした時代のメ
インフレームに典型的なOSの機能である。近年、パソコンもLANなどのネットワ
ーク環境で利用されることが一般的となり、通信制御などの機能が強化されて
いる。
OSの機能はしだいに拡大する方向にあり、旧来はユーティリティーあるいは別の
製品とされていたものまで、OSにふくめて考えられることも多い。Windowsなど
のGUI環境をとりいれたものは、基礎になるOSの上にユーザー・インターフェース
を用意して、より簡単に操作できるように配慮されているが、利用者からは全体
としてOSと考えられている。一方で、OSの機能の一部をミドルウェアとして切りは
なす動きもある。
OSにはコンピューターを動作させるという機能のほかに、ハードウェアやアプリケー
ションを共通に稼働させる共通プラットフォームとしての役割もある。アプリケーシ
ョンがOSの機能をつかって開発されていれば、そのOSが稼働するハードウェア上
で共通につかえることになり、ユーザーにデータや操作の互換性や、データやソフ
トの移植性、ハードウェアの相互接続性を提供することができる。そのためOSは
市場の中で標準化される傾向にあり、現在、パソコン分野ではWindowsが圧
倒的なシェアを占めている。
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