未来のゲームは体力勝負か。
それはそうとどうやって木にのぼるのを
ルームランナーで再現するかが問題だ。うーん・・・
>>TechnoWarrior ver.501Advanceさん
ありがとうございます。今朝、起きてから気になってた所の
答えが出てますね・・・
for It := Low(World) to High(World) do
if World[It] is Monster then
・・・
となるんですね・・・
まだ、寝ぼけてたせいかな、なんだか、Terminatorと呼ばれそうな
気がしてました。そして世界から生物がいなくなった・・・という状況を
作りそうで・・・このままだと、procedure delWorld is・・・となりそうだと・・・
という話は置いておいて、機械的なVRですね。ルームランナーの他に
モーションセンサーとかを装備するとおもしろそうですね。
>>845みたいに、木に登るときとかに使えそう。フィードバックを付けて
おくのも良いかも。
--ミナたちの世界に夢見の理論、持ち込もうかな
--かなり昔に考えてた事、思い出したので・・・
--あれ、Adaでデクリメントってどうするんだろう・・・
--って、また気になってますね。物語の世界にもどろう・・・
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
∧_∧ ∧_∧
ピュ.ー ( ・3・) ( ^^ ) <これからも僕たちを応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄ ̄∪ ̄ ̄〕
= ◎――――――◎ 山崎渉&ぼるじょあ
>>828.830
ウィザーズ・ブレイン、3作目なんですね・・・
「あとがき」から読み始めて気付いたこと。
作者さんは2ch'erなのですね。「もっと速く書けごらぁっ!」ですか・・・
もしかして、このページも、見てるのかな・・・
>>読者のみなさま
更新はしばらくお待ちを。世界観とか影響をうけると大変なので。
>850
作者2ちゃんねらーなんですか、それは知らなかった
回避ロジックを再構築中・・・Complete
回避ロジックをA203に展開中・・・Complete
移動能力チューニング・・・Complete
バランサ・・・Check Complete
加速器・・・Check Complete
分散処理システム・・・Check Complete
感覚チューニング・・・Complete
センサ・・・Check Complete
フィードバック・・・Check Complete
伝達系・・・Check Complete
優先回路・・・All Check Complete
システムコンディション・・・All Green
・・・Rebuild Done. Mina AI System 2.00.1.200 Welcome.
All System Runs Well. All Processor Status Green. All Link/Connection Restored.
DATA Stream Found... Load Complete. Loading language Pack... Complete
Loading Algorithm Pack... Complete. Shift to Normal Mode... Accepted.
・・・謎の男「おはよう。水奈瀬、気分はどうだい?」・・・
周りには真っ白な部屋が広がる。広さは・・・広すぎてわからない。トルコ近辺の建物、
そんなイメージだった。外の日差しは強いはずなのだが、部屋の中は涼しい。
謎の男の方を振り返ろうとした時・・・映像は薄れ、透明な石に戻ってしまった。
アキ(今のは何だったんだろう・・・ミナの夢?)
そのとおりだった。後に聞いた話だが、透明な石だけは、夢を見せるのではなく、
その人が見ている夢を移す石なのだそうだ。また、その夢を記憶する力もある。
呪文を唱え、保存しておき、発動する。それが、透明な石の能力なのだ。
それゆえに、禁断の石として、厳重に保管されている。唯一の例外がミナの枕もとに
ある石だ。
ミナ「(うーん...)」
うなされている?
ミナ「(もう食べられない・・・)」
どうやら正常な状態に戻ったらしい。
ミナ「あれ、アキ・・・おはよう。」
アキ「まだ夜だよ。」
外はうっすらと明るくなり始めてはいたが、まだ暗かった。
ミナ「ずっと看ててくれたんだ・・ありがとう。」
あらためてそう言われると、照れてしまう。
ミナ「あ、透明な石・・使わなかったんだ・・・」
アキ「新しいの、女将さんが用意してくれたんだよ。」
ミナ「そうなんだ。最後の1個って言ってたのにな・・・」
女将さんによると、最後の1個というのは、本当の話らしい。
他にいくつか保管されている石は、普段は白く濁っていて、使えないのだそうだ。
そして、ミナが持っている1個が機能を失うと、濁っていた石の1つが光り始め、
透明になるそうだ。女将さんは、それを見て、俺たちを迎えに来たらしい。
アキ「他のはみんな、濁ってて使えないらしいよ。」
ミナ「知ってたんだ・・・だから、別名、非常事態の石。」
アキ「へっ?」
そんな話をしているうちに、夜が明けた。4時、いや5時くらいだろうか。
しだいに、色々な音が聞こえるようになる。雲がゆっくりと流れ、朝日を照らし、
色が変化する。一日の中でも、一番すきな時間帯だ。平和な時、ずっと続いて欲しい・・・
ミナ「そろそろ私もハード交換しようかな・・・昨日の攻撃、避けきれなかったし・・・」
アキ「ハード交換?」
ミナ「アキもやったでしょ?」
アキ「ああ、あれ。」
現代医学も進歩したものだ。普通の病気ぐらいでは、汎用のマイクロマシンで
十分対処できるようになった。その他の病気も、メディカルセンターにある
大型の機械の自動処理で対応できる。物理的な要因のある病気は、すべて
完治するといってもよいだろう。ただし、平均寿命はあまりのびていない。
体は治っても、精神は疲弊して行くからだ。器は直せても、中に漂っている
エネルギーの分布までは、まだ治せないらしい。
ミナ「次はウィーンかな。ビーナスに由来する街。一時期はゴールドラッシュに沸いたけど、
今は、芸術の町としての印象が強いかな。マルクに似てるけど、市場が多くでてるから、
必要なパーツもそろうね。昨日、大きなモンスターを倒したから、2、3日したら、この辺りに
出ていた魔物もおとなしくなるかな・・・そうしたら出発だね。」
そして、3日後。俺たちは会長の自宅兼、商工会議所に向かった。
会長「アキ様。ミナ様。ありがとうございました。おかげで魔物も出なくなりました。
お礼といっては何ですが、これをお持ちください。」
ミナ「これは・・・」
それは、ミナが生まれた(ことになっている)年のワインだった。ミナの目が輝いている。
ミナ「ありがとうございます。では、さっそく・・・」
アキ「ミナ・・」
ミナ「1口だけ〜」
アキ「しょうがないな〜」
ミナ「う〜ん、おいしい。」
その後は予想通りの展開だった。すでにボトルの半分以上、空になっている。
アキ「そろそろ行こう・・」
ミナ「え〜・・・」
会長「もう一泊なさって行っては。」
結局、俺たちはもう一泊してから移動することになった。すべて会長の予想通りに
事が運んだようだ。
ホテルの部屋に戻った俺が見たものは・・・
アキ「あれ、机の上にワインが・・・」
ミナ「やった。もう一本、ゲット!」
カードが添えられている。「またのお越しをお待ち申し上げております。 会長・女将」・・・
ミナ「そうだよ。女将は会長の奥さんだよ。」
何だか狐につままれたようだったが、何となく納得した。
アキ「ってことは?」
ミナ「そう。女将は守護族の族長だったりする。」
アキ「え〜っ・・・」
次の日の朝、会長と女将、守護族の面々に見送られ、俺たちは次の街へと旅立った。
人が増えれば魔物も増える。
魔物が出る意味とは、ゲートシステムの本当の意味とは・・・
次回、ウイーン編。こう御期待。
と言ってみたりして。
ウィザーズブレイン買って来ました。
で…面白そうなだけに、読んでいいものか。迷い中。
読む前に、頭の中のTechnoWarrior用プロットを全部書き出しておくべきか…。
暑い。
暑さと寝苦しさで目を覚ましたボクは、
寝ぼけたままエアコンのスイッチを入れようと壁際に這い寄ろうとして、
側にある棚に派手にぶつかった。
その拍子に、棚から何か四角い物体が落ちて来た。
ガッ!
四角い物体は額を直撃し、目の前が完全に暗くなった。
目を開けると、そこには白と黒で構成された異常に単純な風景があった。
ボクの両脇の地面に1本ずつ延びた黒い線があり、
そこが「道」であることを暗に主張していた。
道の脇には規則的に黒い部分を持った白い平面が広がり、
そちらの方は「草原」であるとの主張を感じさせた。
白と黒の風景は、他にも森、山、岩、モンスター、NPCなど
様々なパターンがあるらしいことが感じられる。
「マ板のネタスレ読み過ぎたかな・・・」
ボクは、ここがいわゆるファンタジー世界である事を何となく理解した。
「補足すると」
遠くで声がした。昔はよく知っていたような気がする、
でも、誰だかは思い出せない声だ。
気付くと、声がしたあたりの風景が消えている。
「ここは」
声は近付き、また少し風景が消える。
「ポケコンのファンタジー世界」
ポケコン?
・・・そうか、棚から落ちて来たアレか。
昔買って、少しだけ使ったがもう何年も放置状態だ。
にしても、ぶつかった拍子に取り込まれるとは無茶苦茶な。
あのポケコンも結構古いが、化けるほど古くは・・・
「っていうか、テキスト表示済んだらグラフィック再描画しろっ」
気付けばすでに風景はボクのすぐ側まで消えていて、ボクは慌てて叫んだ。
「じゃ、そういうことで」
更に風景が消え、それから何とも言えない間があって、
消えた風景が端から徐々に戻ってきた。
流石ポケコン、処理が遅い・・・なんて感動してる場合ではなかった。
書き直されたすぐ側の風景に、唐突にモンスターを表すパターンが現れていた。
「もしかして・・・BASICで戦うのか?」
>>857 世界観がかぶらなければ、侵食されないので平気・・かな?
読み終わったので言える事・・・世界観は似ていても解釈が異なれば
案外、プロットは無事に生き残るようです。相対論がベースにあることとか、
光と闇、空間と時間の話であることとか、おもいっきりかぶってますけど・・・
逆に、自分の作品に、もっと磨きをかけよう、と気合いが入りました。
ウィザーズブレイン気に入ってくれたようでなによりです
この本最初は友達が絵が気に入って買って読んでみたら面白かったんで
俺に貸してくれたんですけど、プログラマの俺にクリーンヒット
こういうコンピュータ系に関わるもので設定がしっかりしているものって少ないんですよね
>>859 大学生協のポケコンなら、
runモードからlistモードに変えちゃえば
プログラムは動かなくなる。
にらみ合って根負けした方が「使令に下れ」
もとい「listに戻れ」と言われて機能停止(w
久しぶりにやってきてみたら見事な発展を遂げていますね。
自分が軍事板に建てた「自衛隊が〜」はもはや存亡の危機を迎えていますが、
このスレはまだまだ伸びそうで期待が持てます。
保管サイトも立派なものが立ち上がっており、自分が妄想半分で建てたスレが
ここまで派生するとは思いもしませんでしたので、非常に感慨深いです。
このスレのさらなる発展を願っております。職人の諸兄はがんばってください。
外伝です。本筋とは何の関りもありません。また、某文庫とも何の関りも…(w
──22世紀の神戸シティ。
前世紀の倉庫を漁っているジャンク屋の子供がふたり。
ひとりが、なにやら球体のものを掘り出したようだ。
「なんだこれは…古代文字が書いてあるぞ。"TechnoWarrior"?」
「げーむましん、というやつじゃないのか?うわ、センサだらけの機械仕掛け…」
「なんだ、古臭いなあ…売れやしない。なんでこんなもの作ったんだか」
「昔は、リアルな仮想世界を創るのが流行ったようだよ…結局できたのはこんなだけど」
ひとりが、脳内に草原を構築しながら言う。今ならこんなこともできる。だが、少年はそれをやめた。
「リソースの無駄遣いでしか無い上、帰って来なかった人もいる危険なだけの遊びってのは小学生でも知ってるぜ」
太郎「というふうにだな、未来人は、これを見るんじゃないかと」
竜也「…で?ドラえもん時代の連中がそう思ったとして」
太郎「我々のやってきたことは、人類の発展に何一つ寄与していないのではないかと」
竜也「…ほう?オマエも影響され易いな。本一冊読んだぐらいで」
太郎「ネット中毒も叫ばれる昨今、無い金をむしり取るようなことをするのは人道に反すると」
竜也「…逃げ出したくなったなら、頼むからあらかじめ言ってくれ」
紫苑「直人さんから報告です!戦ってたら武器がいきなり無くなったそうです」
太郎「あ、ミスリルはそれ自体では情報を保てないから、うん。仕様だ仕様」
紫苑「はい、そう伝えておきます」
慎之介「アホか。さっさとログを検索しろ。終わるまで帰さんぞ」
竜也「また再現性の無さそうなの見つけやがって…」
こうして、21世紀のゲームプログラマーの夜は更けてゆく…。
KAERUさん続きマダァ?
俺たちはバリアーを避け、低いところを飛んだ。もちろん、ミナは、つかまっているだけだ。
//ウイーン編 開始
朝のウイーンは、とても静かだった。薄い霧がかかっている。
タイル張りの路地の左右に、露天が建ち並ぶ。さらに、それを囲むように、
石造りの大きな建物が並んでいる。
まだ、人通りは少ない。ふと横を見ると、ところどころに黒い模様のある、白い猫と
目があった。猫は、おまえは誰だ、とでも言うように「にゃーお」と鳴くと、そのまま
歩いて、どこかに消えてしまった。
遠くから歩って来る人影があった。最初は霧に包まれ、ぼーっとしていたのだが、
近づいてきたのは、子供だった。小学校の4、5年生というところだろうか。
きれいな長い髪をしている。ぼーっと霧に消え入るような、白い肌。
その中で、ライトブラウンの瞳が光っている。一瞬、太陽の光が差した。
瞳の色が金色に変わった。
少年A「アキさん、ミナさん、おはようございます。」
そう言うと、少年はカードを手渡し、霧の中に消えていった。
アキ「招待状?」
ミナ「何か、パーティーみたいだね。場所は・・・」
そこには、商工会議所 Aホールと書かれていた。さっきの少年は守護族だったのか。
俺たちは、そのまま、霧の中を散策した。狭い路地を抜けると、広場があった。
中央には噴水があり、その近くに銅像が建っている。遠くから楽器の練習の音が聞こえる。
近くの教会だろうか、鐘の音が聞こえる。時計を見ると、朝の10時ちょうどだった。
さっきまでの静けさが嘘のように、急激に人通りが増えた。露天には活気があふれ、
様々な声が聞こえる。すぐ横の店から声が聞こえた。
>>865 はぅ!
ご・・・ごめんなさい・・・最近チョッと忙しくて・・・。
この土日中に頑張ってみますです。
>865
急かさない急かさない
>KAERUさん
とっても楽しみに待ってますよ〜
ごめんなさい。 続きが気になってしょうがなかったもんで・・・。
気長に待ってま〜す♪
あらされることなく育っている良スレだ
カエルの体が揺さぶられる。
『朝飯の時間だぞ。』
ヒイラギの声が部屋に響き渡る。
『う・・・うん。』
カエルは短く返事をして、ヒイラギの後に続いた。
『一応寝られたかぁ。』
独り言が漏れる。
階層を幾つか下り、大食堂にて朝食を取った。
ずらりと並ぶ席が皆埋まっていた。
そうして朝食を慌しく終わらせると、昨日のように作戦指令室に入る。
半分くらいの人数がそこには詰まっていた。
円卓の中央には、なにやら見慣れない物が建っていた。
複数の管が下から伸び、途中で其々の管が中央から放射状に折れ曲がり、口を広げていた。
思わず、その不思議な物体に目が行く。
『カエル、良く眠れたかね?』
突然、組合長がカエルに声を掛けてきた。
『はい。 なんとか少しは眠れたみたいです。』
『それは良かった。 今日もどうやら長くなりそうでな。』
そう言いながら、組合長が外を指差す。
それに吊られて外に目をやると、相変わらず蠢く影。
しかも、昨晩から位置が全く動いていない。
『動いていないんだなぁ。』
そんな言葉が漏れる。
『ああ、何を考えているんじゃろうなぁ。』
独り言のつもりだったが、組合長に拾われてしまった。
『あの、組合長。』
マコトが突然声を上げる。
『うん? どうしたね。』
組合長が体ごとマコトに向く。
『我々はそろそろ船でヴィシーに向かいたいのですが。 我々がココに居ても状況は変わりそうにありませんし。』
マコトが言う
組合長が顔を横にそらし、顎に手を当てる仕草をする。
『あー。 ソレなんじゃがな。』
『ヴィシーから高速通信便が来てから乗船手続きをしようとしたんじゃ。』
『では、船が着き次第直ぐに乗れるんですね?』
マコトが表情を輝かせる。
『いやー、ダメなんじゃ。』
マコトの表情が一気に暗転する。
『え?』
組合長が重い口を開く。
『マイ・クロソフトがヴィシーの交易船団の船主なのじゃが、突然交易を打ち切ったんじゃ。』
『それじゃあ・・・。』
マコトが、何とか搾り出した。
『ああ、ココからの船は当面望めんの。 どうするね?』
組合長がマコト達全員を見渡す。
『どうするったって・・・どうしようか?』
ヒイラギが、その場に居たカエル以外の者たちの思いを代弁する。
『他に航路は無いの?』
ヨモギが声を挙げた。
『無いことは無い。 ただ・・・ココからは出ておらんぞ。』
組合長が顎に手を当て、悩む仕草をしながら答えた。
『おお。 そう言えば、ヴィシー国の北隣の国から出ておるわい。』
『北隣って言うと・・・ボーランド・シー国か。』
マコトがポンと手を打ちながら言う。
『そうじゃ。 あの国は余り仲が良くは無いが、小さな定期船は出ておる。』
『マイ・クロソフトが交易を打ち切ったとなると、ヴィシーの補給は他の定期船への振替になるはずじゃから、それに乗れるじゃろう。』
『うし、だいたい集まっているな。 始めるぞー!』
組合長の言葉の後ろの方に被って、総司令官の声が聞こえてきた。
『では、ワシは言ってくるわい。 どうするか考えておくんじゃ。』
組合長は、それだけ言うと円卓に進んで行く。
マコト達も、昨日と同じように壁際の席に着く。
カエルの席からは窓越しに魔物の群れが見える。
相変わらず丘の奥のほうに陣取っている。
『さてと、皆も集まったことだし、会議をはじめようか。』
総司令官が声を挙げる。
円卓の方を向くと、確かに席が皆埋まっていた。
『もっとも、魔物があの様子じゃ、簡単な連絡で終わるがな。』
総司令官が言葉を続ける。
『コチラ監視班! 魔物の部隊の一部に動きが見られます!』
突然、円卓中央の管から声が漏れてくる。
どうやら、特大の伝声管らしい。
『詳細は!』
城塞防御参謀が伝声管に向かって叫ぶ。
『中型魔獣と思わしき十個からなる少数部隊三つ、大砲射程内からファイヤーウォール範囲外のブルーゾーンを往来しています!』
『了解! 監視を続けろ! 何か変化があったら再度連絡せよ!』
城塞防御参謀が再び叫ぶ。
『砲撃を加えますか?』
城塞攻撃参謀が総司令官に問い掛ける。
『皆は、どう思う?』
当の総司令官は、周りを見回す。
『示威行動と見るべきでしょう。 さして相手をする必要もないかと思われます。』
戦略参謀が一番に答える。
『ふむ。 他には。』
総司令官が頷く。
『昨日からの長い待機で士気の低下が見られます。 ここは遭えて攻撃を加えて士気の向上をしたいと思います。』
部隊参謀が声を挙げる。
『私も攻撃をすべきだと思います。 こちらの戦力を誇示することにより、今後の戦いを有利にすることも出来ます。』
戦術参謀がそれに続く。
『ふむ。 カエルよ、お前はどう思う?』
当のカエルは、外の魔物の動きを追っていた。
『おい、カエル、お前だお前!』
横に座っていたヒイラギにわき腹をこずかれる。
『え、は、はい。』
『総司令官、彼は非戦闘員ですよ!』
カエルの言葉が終わる前に、城塞攻撃参謀の声に阻まれる。
『分かってる。 只、彼も少しは戦略に心得があるんで、聞いてみたかっただけだ。』
総司令官がそう言い、カエルに続きを促す。
『あ、はい。 ボクもコレは示威行動に見えます。 特に損害の出るようなことも無いので、放って置くのもアリだと思います。』
『でも、このまま敵を放置しつづけるというのは、士気に対して大きな影響もあると思います。 こっちの意思を明確に示す意味でも攻撃は加えるべきだと思います。』
『ふむ、なるほどな。』
総司令官が強く頷く。
『よし、砲撃しよう。 城塞攻撃参謀、直ちに砲撃の指示を。 但し、大規模で無くていい。』
『はい! では、0番発射孔から9番発射孔による砲撃を加えます。』
『うむ。』
城塞攻撃参謀と総司令官のやり取りが終わると、円卓中央の伝声管に向かって叫ぶ。
『大砲室!』
『はい、こちら大砲室。』
少しの間を置いて伝声管から声が返ってくる。
『0番発射孔から9番発射孔、順次攻撃開始!』
『了解。 0番発射孔から9番発射孔、順次攻撃開始します。』
伝声管からその声が漏れてから暫くすると、砲撃が始まった。
「ドウン!」
低い低音が城塞ごと微かに振動させる。
カエルは外に視線を移す。
すると、城塞から一直線に伸びる太い黒煙が見える。
『すげ・・・。』
そんな独り言が漏れる。
再び轟音と共に黒煙が伸びる。
「ドウン!」
さっきから動き回っていた少数の魔物たちの付近に着弾し、土煙が立ち上る。
黒煙はそのまま魔物の方向に風に乗って流れていくが、なかなか形を崩さない。
そんな姿を見て、カエルは何か嫌な予感を感じるが、ソレが何なのか分からない。
10分間ほど砲撃で40本程の土柱が上がる。
『残魔獣3体、撤収しました!』
伝声管から聞こえてくる。
『砲撃停止!』
城塞攻撃参謀が切り返し伝声管に向かって叫ぶ。
間もなくして砲撃音と振動が無くなる。
『まぁ、何度かこの手の示威行動があるだろうが、コレで凌げるだろう。』
『よし、何とかなったことだし、休もう。』
総司令官が簡単にまとめると、そのまま部屋を後にした。
その後お昼までの数時間で10回程そういった侵攻があり、10回追い払っていた。
『ったく、やかましくて昼寝もできねぇ。』
ヒイラギが昼食で出されたジャガイモを突付きながら、悪態をつく。
『まぁ、しょうがないだろう。』
マコトも同じようにジャガイモを小突いている。
『何時になったらココを出立するの?』
ヨモギは吸い物を啜っている。
『さぁなぁ。 カエルがあの調子じゃ何時になるやら。』
そう言いながら、マコトが天井を眺める。
その場に居た四人が同じように天井をみやる。
その先、天井を突き抜けた先、作戦指令室にカエルは居座っている。
視線は外に向けられたままだ。
そしてその視線の先には長い噴煙が伸びていた。
『噴煙が消え去るまでの時間が、だんだん長くなってないか・・・?』
カエルの口から独り言がもれる。
『噴煙が霧散する条件だと、風だよなぁ。』
独り言が続く。
カエルの嫌な予感はドンドン膨らんでいる。
『ほれカエル。 昼飯を食べんと、持たんぞ。』
組合長が促してくる。
『・・・はい。』
カエルは少し悩んだ後、作戦指令室を後にし、食堂に向かった。
途中、マコト達に会う。
『おうカエル。 まだここに残るんか?』
ヒイラギが聞いてくる。
『うん。 もう少し見ていきたいんだ。』
そう言い残し、カエルは食堂に再び足を向けた。
『なんか、心ここにあらずって感じだねぇ。』
ヨモギが率直な感想を洩らす。
『だなぁ。 どうしたんだ?』
マコトも首をかしげる。
当のカエルは食堂でのんびりと昼食を済ませる。
とりあえず途中まで書けたので。
おぉ! 久しぶりのUP 乙です。
結局まだ出発できないんですね〜。 風はどういう伏線なのでしょう?
予想がつかないからこの先が楽しみです。
1
プログラマになりたい、子供の頃からの夢だった。
子供の頃父が趣味で買ったマイコンMZ80K2E、今でも実家に置いて
あるそれは、物心付くか付かないかの僕には魔法の箱に見えた。
近所の子供に比べると比較的早く平仮名を憶えた僕には、自分では
到底不可能な速度で文字を羅列していく父のキータイプとディスプ
レイで踊る文字が神秘的に見えた物だ。
その後その夢も一時忘れていた、思い出したのは中学生の時。
情報処理の授業で触ったPC-9801VXであの頃の興奮を思い出した。
その頃には理解を示してくれそうな父は僕の手の届くところには居
なかったが、それでも解ってくれないのを承知で母にパソコンを買
ってくれとねだった。
それも適わず別の道を目指した僕だったが、同じ道を歩む友人に差
を見せつけられ軽い挫折を味わった。
その時思い出したのがプログラミングの事だった。
僕はその月の給料でPCを買った。
PCを買って金がないので何とか無料でプログラミング出来ないもの
かと調べて回った。
結果、無料とは行かないがCマガジンを見つけて少ない投資でC言
語を始めた。
その後僕はHSPに浮気したり友達に頼まれてCGIを組むためにPerlも
勉強した。
プログラミングが楽しくて仕方ない、仕事をしていても頭の中で次
は何を作る?どんな事を知らなくちゃならない?Googleでヒットす
るかな?あぁそうだ、今作ってるアレのあの部分調べないと。そん
な事ばかり考えていた。
あぁ、あの頃が懐かしいな。
あの頃と言ってもほんの数ヶ月前だ。
いつだったか、僕はいつもの様に帰途に着いていた。
いつもの様に定期を自動改札に通し、いつもの様にいつもと同じ型
の電車に乗った。
いつもと違うのはその日は何とか座席に座れた事か。
座れた時にはいつもの事だが、僕は電車の揺れに任せて眠りに就い
た。
目を覚ませばいつも下りる駅の直前で、いつもの様に焦る「はず」
だった。
しかし目を覚ますとそこは見覚えのない町並みだった。
最初は夢だと思った。
随分前に行った長崎のテーマパークの夢だと思った。
およそ日本らしくない、いや、日本でなくても多分今時そうそう見
かけないであろう町並み。
夢だから気軽にやっていこうと思った。
その通り気軽に街の人々に声を掛けた。
町の人はこの町をヴィシーと言った。
街の中をうろうろと歩いているとファンタジー小説やRPGで見かけ
る様な(それも初期の頃に憧れる程度の)鎧を着た人が歩いている。
兵士・・・なんだろうか?多分そうだろう。
今日の夢は長いな、そう思い出した頃、お腹が空いた。
きっと夢だからお金も持っているだろう。
そう思って町並みに相応しくないスーツのポケットを漁った。
しかしポケットは物の見事に空だった。
電車に乗ったときには持っていたはずのバッグも無い。
困った、夢だから餓死とかそう言うエグイ事になる前に目が覚める
と思うが、それでもこの夢を悪夢にしない為に、そして起きた時に
電車の中でうなり声なんか上げて恥を掻かない為には何か食べない
といけない。
それぐらいお腹が空いている。
どうした物か考えながら歩いていると広場に出た。
噴水まで設えてある豪華な広場だ。
端々では色々な芸をする人が日銭を稼いでいる。
ふとその一つに目を向けてみる、どうも手品を披露しているようだ。
彼の手並みは見事だった、まるっきり何をしているか見えない。
僕はお腹が空いているのも忘れてひとしきり芸を終えた彼に話し掛
けた。
「凄いね、何をやってるかさっぱり見えなかったよ。」
彼はにこやかな表情を見せた。
「タネは?もちろん仕掛けが有るんでしょ?」
もちろん教えてくれる事なんて期待していない、飯のタネを人に教
えるはずがない。
しかし予想外にも彼はあっけらかんと答えた。
「タネか、有るにはあるよ、でも仕掛けと言えるかな?仕掛けと言
うには物を使わない。」
よく解らなかったが多分彼の手品は手先の器用さを活かすのだろう、
そう思った。
「それ僕にも出来るかな?教えてくれない?」
もちろんこれも期待していない、気軽にやると決めたから気軽に聞
いただけだ。
でも彼は答えた。
「出来ないんじゃないかな、これには才能がいるんだ。」
彼はそう言いながら自分の右手から指輪を外した。
「これを付けて頭の中にこれを思い浮かべてごらん。」
そう言いながら彼は地面に英字の羅列を書いた。
#include<stdio.h>
int main(void){
printf("hello, world\n");
return 0;
}
おや?見慣れた物が出てきたぞ?
いくらプログラミングが楽しくて仕方ないにしても夢にまで見る事
無いだろうに。
内心で苦笑しながら頭の中でハローワールドを思い浮かべた。
ついでだからちょっと書き換えてみる。自分の名前でも印字させて
みようか。
「思い浮かべた?そうしたらその指輪を地面に触れさせてみて。」
彼の指示通り地面に指輪を触れさせる。
するとまるでさっき彼が指でなぞった様に土がえぐれていく。
そしてちゃんと
hello, world!
by 小鳥遊 新
と言う文字列を形成した。
父の膝の上で感じたのと似た感動を覚えながら僕は彼に向き直った。
彼は驚いていた、「なんだ、知ってて冷やかしたのか、参った。」
と苦笑いを浮かべた。
「いや、これがこんな事に使えるとは知らなかった。」僕は正直に、
そして夢の住人に合わせて言った。
まぁどうせ僕の世界では〜なんて説明したってとうてい解って貰え
ないだろうしね。
「そうか、変わってるね、シィは知ってるのに魔法の使い方を知ら
ないんだ。あぁそうだ、この事は内緒で頼むよ?魔法だってばれた
ら俺の芸には価値が無いからね。」
彼は相変わらずの苦笑いだ。
僕は指輪を返しながら微笑んで軽く頷いた、『C言語の事はシィっ
て言うのか』なんて考えながら。
彼と別れた後考えていた、きっとあの指輪はコンパイラ見たいな物
なんだろう。
printf関数が使えたから多分標準ライブラリは含んでると思われる。
他のライブラリがどうなってるかは解らないけど多分標準ライブラ
リ関数は使えるだろう。
アレが有れば僕にも魔法とやらが使えるみたいだ。
アレは売ってる物なのだろうか?
考えてるとお腹が空いていた事を思い出した。
しまった、彼にたかっておけば良かった、それに他にも色々聞いて
おくべきだったかも知れない。
こんな所で考えててもお腹は満たされない、どうもいつ覚めるか解
らない夢だし、今やりたい事は何とかしてみよう。
どうせ夢の中だからプライドも関係無い、どこかの店に入って皿洗
いでもするか。
そう思って町中をもう一度うろつく。
さっきと違って周りに注意しながら歩いているせいだろうか?
それともさっき歩いていたときには居なかったのだろうか?
さっきは気付かなかった露天商の茣蓙が目に付く。
視界の端に何かが引っかかった、何だろう?とりあえず覗いてみる
事にする。
アレ?何かが引っかかった、そこは古ぼけた道具、意味の解らない
僕にとってはがらくたでしかない物が並んでいた。
『でも・・・』
茣蓙の端に申し訳程度に置いてある指輪に気を取られる。
何だろう?何の変哲もないリングなのに、古ぼけて輝きもない銀の
塊なのに、何か気になる。
僕はそのリングを手に取ろうとした。
しかしリングを拾い上げるより先に僕の頭の上から怒声が鳴り響い
た。
「誰に断ってここで商売しとんじゃ(゚Д゚)ゴルァ」
思わず力が抜けた、今時そこらのちんぴらでも言わないセリフだ。
僕はそそくさと逃げ出す、自慢じゃないが喧嘩は弱い、君子危うき
に近寄らず、ここは素直に逃げるべきだ。
しかしあの指輪が気になってしょうがない。
あのちんぴらが居なくなればもう一度アレを見る事が出来るかも知
れない。
しかし追い払うにも僕は喧嘩に全く自信がない、そこで策を弄して
みる事にする。
僕は大きく息を吸うと思いっきり叫んだ。
「衛兵さん!こっちです!ちんぴらが露天商を脅してまーす!」
子供だましだが有る意味伝説的なセリフを吐くウブなちんぴらだ、
上手くすれば引っかかってくれるだろう。
ちんぴらが足早に去っていく、なにやら捨てセリフを吐いてる様だ
が、それがかえって間抜けさを演出している。
「大丈夫ですか?」ちんぴらが去った後僕は露天商のおじさんに話
し掛けた。
「あぁ、さっきのは君かね、助かったよ。」
おじさんは笑って手を差し出した。
僕が手を握り返すとおじさんはにこやかに言った。
「礼には足りんかも知れんがうちの物一つ持って行って良いぞ。ど
うだ?この銀の指輪なんかは磨けばまだ彼女へのプレゼントにも使
える品だ。」
おじさんが指し示したのはさっきのとは違うリングだった。
僕はさっきのリングを手に取ってみる、するとさっき広場で初めて
魔法を使ったのと似た感覚を憶える。
『もしかしてこれ・・・』
無意識にそれを指にはめ込んだ。
とりあえずさっきと同じ物を・・・
指輪を地面に触れさせる。
するとそこが石畳なのにも関わらずさっき広場で見たのと同じ文字
列を刻んだ。
驚いて目を剥いているおじさんに僕は言った。
「じゃあ、これを貰うよ。」
その時の僕は今までの人生で見せた事のない最高の笑顔をしていた
んじゃないかな。
長々とスマソ、見てたら楽しそうだったので書いてみた。
プログラミングの知識があんまりないので書ききれるか禿げしく疑わしいが皆様よろしこ。
新規の方登場ですね。 バリエーションが豊富になって楽しいですね。
みなさま何とか最後まで書ききってくだされ。 m(_ _)m
KAERUさん、TechnoWarriorさん、sea-4さん そして特濃師匠さん、
続きを楽しみにしてますよ〜♪ (^o^)
2
それからはお腹が空くと魔法を使って手品を見せたり。
そこらの日雇い労働でこっそりと魔法を使いながら楽してみたり。
そんな事をして日々を過ごしていた。
最初の頃は『この夢はいつ覚めるんだろう?』等と考えていた。
しかし、長く生活している内にほとんど確信のレベルで『夢ではない』と思う様になった。
となると元の生活に戻る方法を探さなければならない。
しかしそんな大それた事よりも、日々のおまんまを得る事の方が切実で、何かを調べてい
る余裕もない。
さらにそれももう限界のようだ。
都会の人は熱しやすく冷めやすい。
僕の手品はもう見慣れた物で、お金を払う価値は無いらしい。
おかげで三日も何も食べてない・・・
このまま死ぬ訳には行かない、何とかして元の生活に戻れないだろうか?
RPGならそこらにヒントが転がってるのに、そう考える余裕もなく、路地の隅でしゃがみ
込んで塞いでいた。
その僕に一人の男が話しかけた。
「君が評判の手品師かね?」
男は質素ながらも質の良さそうな生地の服を着ている。
そこらを歩いている人達と見た目はそう変わらない。
でも見え隠れする高級感に少し気後れした。
どうも貧乏に慣れすぎたらしい。
内心で苦笑しながら僕が頷くと彼は続けた。
「私にも一つ見せては貰えないか?忙しくて今まで見に来られなかったのだ。」
予想通りの言葉、この男なら多少は多めにお捻りをくれるだろうか?
僕は今日のご飯のためにいくつもの芸を披露した。
お腹が空いて、魔術とばれないようにこなせたか自信がない。
彼はつぶやいた。「ふむ、やはりそうか。」
何のことか解らなかった、とにかく早くお金をくれないかとやきもきした。
彼は言った、僕が想像もしていなかった意外な言葉を。
「私の名はシィ・ワン、私の元で修行してみる気はないかね?」
僕は何かのヒントが得られるかも知れない、そう思って頷いた。
僕がシィ・ワン先生の元で修行するようになって早一ヶ月。
先生にシィプ・ラプラの基礎を一通り教えられた。
もちろん、それだけで使いこなせるほど甘くない、まだまだ憶える事は沢山ある。
シィプ・ラプラと言うのは元の世界で言うC++の事らしい。
生憎僕はC++の経験が無かったので一から学んでいる状態だ。
今日の課題はエスジ・ィアィのエ・スティ・エル・ポゥトの定着(ビルド)。
エ・スティ・エルと言うのはライ・ブラリの一種らしい。
シィプ・ラプラが、標準的に使用出来るよう定められた、必ず準備すべきライ・ブラリの
一つだ。
そもそもライ・ブラリと言う物がどの様な仕組みなのかとかはよく解ってないんだけども。
多分Cマガのどこかで見かけたSTLと言う物に相当するのだろう。
他の弟子達から先生がこれをビルドしろと言うのは、自分の環境を持って良いと言う印な
のだと聞いた。
僕はうきうきしながらビルドする、先生に聞いた手順通り。
特に詰まる所も無い。
メイクの魔法が走っている最中に僕はふと思った。
『デ・ジタル・マァズの指輪の分もビルドしてみよう。』
こうして、僕は余計な苦労を背負い込んだ。
結局朝から始めて、完了したのは昼過ぎだった。
先生の部屋を訪ねる、「今日はシェーダの研究をする予定だ。」とおっしゃっていたので
部屋に居るだろう。
ノックをして入る、そのまま僕は口を開いた。
「先生、ビルドが終わりまし・・・た?・・・・何をなさっているんです?先生。」
先生は床を拭いている、テーブルの上にティーポットが有る。
どこかで見たような形だ、クラインの壺?
また魔法でお茶を入れようとしたんだろう、そして失敗した。
先生でも失敗することが有るんだなぁ、と思いながら僕は床を拭くのを手伝うのだった。
(参考:
>>395)
午後はエ・スティ・エルの勉強をしていた。
「先生、このベ・クタとイテ・レータのサンプルなんですが・・・」
と、いつもの様に先生に質問していた時だった。
突然学習室のドアが勢い良く開く。
「シィ・ワン殿!皇帝からの伝達です!」
鎧を着ている、兵士だろうか?
「深刻なお話の様ですね、僕は失礼します。」
本当は兵士の顔が真剣で、その場から逃げ出したかっただけだった。
僕は自室に戻った、胸騒ぎがする、何か大きな物を失う予感。
僕のこの手の予感は、幸いながら未だ当たった試しがない。
今回も気のせいであって欲しい。
僕は自分を落ち着かせる為にお茶を飲む事にした。
先生を真似てD3DXCreateTeapotでも使おうか?
少しでも不安を振り払うため、そんな馬鹿な事を考えて見る。
少し落ち着いた、しかし、それすらもかき消すかのようにノックが響く。
「シィ・ワン殿が貴様に話が有るとおっしゃっている。」
不躾な声だった、さっきの兵士だろうか?
ざわざわと黒い霧のような感覚、さっきから僕の心は何を訴えようとしているのだろう?