既出だが、富士通の副社長が「みずほ銀行のトラブルはビジネス・チャンス」
との発言をした。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NC/NEWS/20020425/4/ これが、富士通の相次ぐ業績下方修正に対する経営責任を問われて「従業員が
働かないのが悪い」と放言してのけた秋草社長の発言だったなら、
「またあのアホクサがよりによって最悪のタイミングで馬鹿を発言しやがって」
としか思われないだろうが、4月25日、決算発表の席上で発言したのは
高谷副社長だ。この発言にはある意図を感じざるを得ない。
まず第一に感じるのは、これは富士通の強烈な無罪の主張であろう、とういう事だ。
ここまで言ってのけるからには、みずほのトラブルには富士通はかかわっていない、
という事に相当な自信があるのだろう、と推測できる。
第二は、富士通は4/30の最大の山場をみずほが無事に乗り切るかどうかを
かなり危惧しているのではないか、という事だ。安心して見ているのであれば
無罪表明は4/30の山場を乗り切ってからでいい。しかし4/30にみずほ
が大きなトラブルを引き起こしてしまえば、その後でいくら声高に無罪を表明
しても嘘臭く聞こえるのは仕方がない。あえて、その前にこうした発言をした
という事は、そのリスクを回避するためではないだろうか。
第三は、富士通はみずほ離れを画策しているのではないか、という事だ。
無罪表明をこのタイミングでする必要が富士通にあったにしても、いくらでも
言いようがある。何もわざわざみずほにケンカを売るような言い方をしなくてもいい。
この言い方では「4/30を無事に乗り切ってシステム統合を見直す場合は、どうか
富士通を見限って下さい。」と言っているのに等しい。みずほをメインバンクに持つ
富士通がここまでの言い方をするからには、みずほとの絶縁を視野にいれているもの
と思わざるを得ない。
第四が警告である。富士通がみずほに応援要員を派遣してから2週間が経つ。
すでに報告を受け現状分析くらいは済んでいるだろう。その上で柳沢金融長官
の「完全復旧に目処がたちつつある」との発言に危惧を抱いたとしたら、
守秘義務を侵さない範囲で警告を発したと考えられなくもない。