<春闘>ベア6000円、深い溝…自動車労使の交渉本格化
春闘相場のけん引役となる自動車業界で、労使間の賃上げ交渉が本格化している。
「経済の好循環」の実現に向けた賃上げの必要性そのものについては労使で認識を共有しているものの、
組合側のベースアップ(ベア)6000円要求は1998年以来17年ぶりの高水準で、
上げ幅を巡る主張の隔たりは大きい。自動車総連の相原康伸会長と日本自動車工業会
(自工会)の吉田正弘労務委員長(ホンダ常務執行役員)に賃上げ水準を巡る考え方を聞いた。【聞き手・大久保渉、山口知】
◇賃上げ先導、役割果たす…相原康伸・自動車総連会長
????春闘の位置づけは。
◆15年続いたデフレから日本経済が脱却できるかどうかを占う重要な春闘だ。自動車業界は昨年の春闘でようやくベアを復活できたが、
賃金上昇が物価上昇を上回り個人消費が活性化するような経済の好循環の実現には、もう一段の賃上げが必要だ。
日本全体の底上げに向けた社会的責任も意識し、賃上げを先導する役割を果たす。
????ベア要求水準に経営側から「高過ぎる」との声があります。
◆経営側は「個別企業の経営実態に即した判断が適切」と言うが、個社の業績のみで賃上げ幅を決める旧態依然とした姿勢ではデフレから脱却できない。
将来の日本経済をどうしたいのかという大きな視点で判断するという発想の転換が必要だ。
少子高齢化という日本社会の構造的な変化も考慮しなければならない。したたかな経営者は、
優秀な人材を確保するための先行投資をいとわないはずだ。
????格差是正も重要なテーマです。
◆その通り。皆が安心して暮らせる社会を作るため、中小企業や非正規社員の待遇改善にも力を入れている。
非正規については自動車総連として初めて業界全体で要求を掲げた。
????下請けへの取引価格の適正化への取り組みは。
◆消費増税や円安による材料費高騰分などのコストをきちんと転嫁できるようにすることは重要だ。
ただ、日本の自動車メーカーが世界で勝ち抜くには生産効率を高める努力も不可欠だ。
ソース
ttp://news.biglobe.ne.jp/economy/0226/mai_150226_8321702340.html