TSMCは、28nmプロセス技術などに関する機密情報を
Samsung Electronics(サムスン電子)に漏洩(えい)した疑いで、TSMCの元研究開発員を提訴するという。
http://eetimes.jp/ee/articles/1502/12/news074.html 世界最大手の半導体ファウンドリであるTSMCは現在、28nm世代を含むプロセス技術の秘密情報をSamsung Electronicsに漏えいした疑いで元研究開発員を提訴するという。
Samsungは近年、ファウンドリ事業における競争力を高めている。
TSMCの元主任顧問のDick Thurston氏は、EE Timesに対して、「今回TSMCのチェアマンであるMorris Changと経営陣が提訴した目的の1つは、
Samsungや競合他社に対して“28nmプロセス技術は、TSMCが(Samsungより)先に開発した技術だ”というメッセージを示すことだろう」と語った。
QualcommやAppleなどは現在、次世代モバイル機器向けに最先端の14nm FinFET技術を適用したチップを設計している。TSMCは、
「Samsungが同技術でTSMCに追い付いたのは、技術漏えいがあったからではないか」と主張している。
TSMCが2012年に28nm製品を投入してから約2年間は、28nmプロセスはTSMCの独壇場だった。
Thurston氏は、「SamsungがTSMCより優位に立ったことがあるとしても、それはごくわずかな期間でしかない」と述べている。
アナリストらは、「TSMCが技術的なリーダーシップを取っていたことを考えると、SamsungがFinFETチップでTSMCに肩を並べたことは衝撃だったはずだ。
両社は現在、2015年にFinFETチップの初の実用化に向けてしのぎを削っている」と述べている。
米国の投資会社であるSusquehanna International Group(SIG)でアナリストを務めるMehdi Hosseini氏は、EE Timesに対して、
「Chang氏は2014年中頃に、“当社の市場シェアは、2015年は減少するが、2016年には回復する見通しだ”と述べている。
このコメントは、SamsungがFinFETチップの試作品を投入するよりかなり前に発表されたもので、
この時点ではTSMCはSamsungがこれほどの猛攻を仕掛けてくるとは予期していなかったのだろう」と述べている。
裁判の争点
これまで、2つの裁判でTSMCに有利な判決が下されている。Thurston氏によると、直近の判決は、TSMCが台湾の最高裁判所に上告したあと、
2014年4月に台湾の知的財産裁判所によって