海外メディア「台風で日本の原発がヤバイ」

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非核三原則という虚構 2012年11月11日12:14

橋下市長が広島で、非核三原則に言及した。各メディアでニュアンスが違うが、読売によれば、発言は次のようなものだ:

>非核三原則は基本的に堅持するが、「持ち込ませず」というのは日米安保条約の中で可能なのか。
(現実に核が)持ち込まれているなら、国民に開示して議論しなければならない。米海軍第7艦隊が核兵器を持っていないことはあり得ない。
日本が米国の核の傘に守られている以上、持ち込ませる必要があるなら国民に理解を求めたい。(引用終わり)

この発言は矛盾している。第7艦隊が核を搭載していることは明らかで、日本に寄港するときだけ外すことはできない。
それを容認するなら、非核三原則は「堅持」できない。おそらく「堅持」のほうは広島へのリップサービスだろう。
それを除けば、彼の発言はごく常識的なものだ。

アーミテージ=ナイ報告もいうように、アメリカにとって非核三原則は「もう終わったこと」である。
そもそも中国と戦争が起こったら、日本は核攻撃の対象になるのだから、われわれは核戦争のリスクの中で暮らしているのだ。
防衛のための核兵器だけを「持ち込まない」ことは、核の脅威から日本を守るどころか脆弱性を増すだけだ。

むしろ深刻な疑問は、もし中国が日本を核攻撃した場合、アメリカは本当に日本を守ってくれるのかということだ。
日米安保条約には「両国は共通の危機に対処するように行動する」と書かれているだけで、
アメリカが日本を防衛する義務は明記されていないが、アーミテージは「駐留米軍が核有事の際にアメリカが日本を守る担保だ」という。
沖縄の人々が騒いでいるのとは逆に、彼らの生命を守っているのはアメリカ兵という「人質」なのだ。
しかし核戦争になれば、アメリカ本土が中国のICBMで攻撃されるリスクがある。米政府が本当にそのリスクをおかして日本を守ってくれるかどうかはわからない。
日本を守る義務は日本政府にあり、米政府は自国の国益にそって行動するだけだ。
それが心配なら、日本は核武装するしかないが、これにはアメリカが強く反対している。彼らがもっとも警戒しているのは、日本が核武装して対米戦争を仕掛けることなのだ。

実はこの問題が、「原発ゼロ」をめぐるドタバタの背景にあった。
日本はすでに潜在的な核保有国であり、その気になれば1ヶ月もあれば核兵器をつくることができる。
アメリカは日本が大量の余剰プルトニウムをもっていることを警戒しているのだが、民主党政権はまったくそれに気づかず、幼稚な「原発ゼロ」政策を打ち出して1週間足らずで撤回した。

他方、アメリカにとって日本の戦略的重要性が大きくないと判断すれば、米軍基地を撤収するだろう。
日米同盟がなくなったとき、日本は核兵器なしで中国の脅威に対抗できるのだろうか。
現状で日本が核武装することは現実的とはいえないが、そのオプションを残す必要はある。

橋下氏もいうように「核廃絶は理想だが不可能だ」。
中国が核兵器を増強しているとき、アメリカが一方的に核兵器を減らすことはありえない。
歴史的な役割を終えた非核三原則は廃止し、日本は現実的な核戦略を構築すべきだ。

追記:このブログ記事によると、第7艦隊の原潜に搭載されていた戦術核はすでに退役し、艦載機にも核は搭載していないようだ。
未確認だが、これが事実だとすると、この記事も橋下氏の発言も間違っていることになる。

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51823187.html
どうせ金使うならこっちに使いたい
コストを試算! 日米同盟解体 2012年11月13日00:59

昨日の記事の訂正:第7艦隊の戦術核は米軍再編で退役し、日本の領海に核を「持ち込む」必要はなくなったようだ。
むしろ問題は「持たず、作らず」のほうだろう。
中国の脅威が大きくなる一方、米軍再編でアジアにおけるアメリカのプレゼンスが低下する中で、いつまで核の傘に頼ることができるのだろうか。
アメリカ陰謀論者のいうのとは逆に、アメリカに見捨てられるリスクが大きくなってきたのだ。

その日にそなえて日本も核武装すべきだという議論があるが、これは現実に可能なのだろうか。
法的には現在の憲法でも核兵器を保有できるというのが政府見解だが、これは核拡散防止条約違反なので条約を脱退しなければならない。
アメリカは日本の核武装に強く反対しているので、それは日米同盟の破棄につながるだろう。
本書は、それを実際にやったらどうなるかというシミュレーションである。

在日米軍の機能を代替する直接経費だけで年間4兆2000億円だが、経済的な間接経費が20兆円にのぼると推定している。
後者は日米同盟を破棄するとアメリカに敵性国家とみなされ、貿易や投資が途絶するという想定にもとづいており、それを日米同盟の機会費用と考えるべきかどうかは疑問だろう。
しかし直接経費だけでも現在の在日米軍関係費4300億円の約10倍であり、しかもアメリカの核の傘を失う。
独自に核武装するコストは、イギリスの例では年間3000億円程度だが、自衛隊の抑止力は米軍よりはるかに劣る。
核弾頭をつくることはむずかしくないが、それを搭載した兵器を開発するには3〜5年かかるという。

本書の結論は、日米同盟を解体して自主防衛する直接経費は不可能な額ではないが、現在の抑止力を維持できないので日米同盟は費用対効果が高い、というものだ。
したがって当面は同盟の維持が経済的だが、それが独立国として望ましいかどうかは別の問題である。
核戦争になった場合に、アメリカが自国が報復されるリスクをおかして日本を守ってくれる保証はない。

日米同盟は60年以上続いているが、日英同盟は20年しか続かなかった。
歴史上100年以上続いた同盟関係はないので、日米同盟が今後も長く続くとは限らない。
核兵器を米軍が持ち込む必要はないが、それを日本が持つことや作ることを排除する理由はない。
そのために原子力技術も必要だ。核武装について考えることは、「脱原発」などという下らない話よりずっと重要である。

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51823611.html