バブル崩壊以降で最高の有効求人倍率(5月=1・09倍)――。
大手メディアは、求人数の増加により雇用環境が好転したと報じている。有効求人倍率の1倍超えは、
求職者1人に対し、求人が1つ以上あるということ。倍率そのものを見れば、確かに雇用環境は改善だ。
とはいえ、1・09倍はパートを含む数値で、正社員に限れば0・67倍。
採用する側は非正規雇用を増やすことで、人手不足を乗り切ろうとしているのだ。
「正社員への求人は相変わらずドシャ降りなのだが、さらに求人の中身を丹念に見ると、とんでもない事態が進行していることがわかる」(市場関係者)
有効求人倍率は厚労省が毎月「一般職業紹介状況」で公表する。A4サイズ10枚程度の調査報告だが、
ここでは触れられていない「年齢別有効求人倍率」という統計がある。この「年齢別」に雇用の悲惨な現実が潜んでいるのだ
■若年層へのニーズ薄
25〜29歳の有効求人倍率は、95年以降、0・8倍前後に張り付いている。
一方、0・4倍付近をウロウロしていた50〜59歳は、ここへきて一気に0・9倍前後まで伸び、若者を追い抜いた。
60〜64歳も09年の0・4倍前後から0・7倍近くにハネ上がっている。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/151606