幻の「蒔田城」に光…横浜市歴史博物館企画展
室町時代から戦国時代にかけて、横浜市南区蒔田町の高台にあった「蒔田城」。
城主の吉良(きら)氏は室町幕府の将軍家・足利氏の一族で、小田原北条氏からも厚遇されたと伝えられるが、当時の史料が少なく、「幻の城」とも呼ばれている。
同市都筑区の市歴史博物館は19日から、蒔田城や吉良氏にスポットを当てた企画展を開催する。
同館によると、蒔田城は現在、横浜英和女学院中学高等学校が立つ高台に位置していた。城主の吉良氏は、足利一族の中でも名門とされ、武士というよりも公家に近い存在だったとみられている。
北条氏も吉良氏の家格の高さを重んじており、小田原城主の北条氏綱(うじつな)、氏康がそれぞれ娘を嫁がせたという。
同館の阿諏訪青美学芸員は「家格の高い吉良氏と姻戚関係を結んで地位を高め、関東での勢力拡大を図ろうとしたことが考えられる」と解説する。
企画展は「蒔田の吉良氏―戦国まぼろしの蒔田城と姫君」と題し、吉良氏に関する古文書や家臣が奉納したと伝えられる仏像、吉良氏に嫁ぐ北条氏の姫に儀礼の心構えを説いた書状など約200点を展示する。
http://www.yomiuri.co.jp/local/kanagawa/news/20140704-OYTNT50001.html