消費者金融など貸金業者の規制緩和に向け、自民党が検討している貸金業法の再改正案の概要が28日明らかになった。
一定の条件を満たす貸金業者を「認可貸金業者」と認定。認可業者に限って、上限金利を貸付金額に応じて15〜20%に
制限している利息制限法の適用から外し、2010年まで有効だった29.2%に戻すのが柱。
認可業者は、個人の総借入額を年収の3分の1以内に制限する「総量規制」からも除外する。
自民党は貸金業法の見直しを、財務金融部会の下に設けた「小口金融市場に関する小委員会」(小委員長・平将明衆院議員)で
検討。今秋の臨時国会に議員立法として同法改正案提出を目指す。
ただ、06年に成立し10年に完全実施された改正貸金業法による上限金利の20%への引き下げと総量規制の導入は、
多重債務問題などを背景に行われた経緯がある。このため今回の規制緩和の動きには反対論も根強く、金融庁も再改正には慎重な立場だ。
自民党が貸金業法の再改正を検討するのは、銀行融資を受けにくい中小零細企業や個人事業主が一時的な資金を消費者金融から
借りにくくなっているとの判断がある。06年の改正による規制強化などで貸金業者が減り、貸出残高も大きく減少している。
自民党の改正案概要によると、認可業者の要件は(1)貸金業務取扱主任者が営業所・事務所ごとに一定割合以上いる
(2)研修体制の整備(3)過去3年間に業務停止命令を受けていない(4)過去5年間に認可を取り消されていない
(5)純資産額が一定以上(6)返済能力調査やカウンセリングなどの体制整備―などと定める。
認可は2年ごとの更新制で、29.2%を超える金利で契約した業者には刑事罰を科す。
業界団体である日本貸金業協会が自主規制を強化し、認可業者を監督・指導する仕組みも整える。
http://news.nicovideo.jp/watch/nw1129880