北秋田市の阿仁熊牧場で3月下旬から4月上旬にかけて、飼育中のツキノワグマが大量死し、
雌19頭の死因が不明だった問題で、同市の津谷永光市長は11日、
「病理学、生理学的な検査を行ったが、原因は分からなかった」と発表した。
市では「冬眠明けで、雌だけに発症した特異なケース」とする一方、
現時点で飼育中のクマの健康状態は良好だとして、原因調査を終了した。
今後は再発防止のため、施設の消毒や飼育管理を徹底するという。
市によると、昨秋以降に冬眠した72頭のうち、冬眠明けに起立不能やマヒの症状がみられた成獣26頭が死んだ。
このうち、雄7頭はけんかの傷や老衰が原因と判断されたが、雌19頭の死因は分からなかった。
市は原因解明のため、死んだ雌2頭を解剖したが、異常は発見できなかった。
さらに、血液や臓器の検体を使い、県食肉衛生検査所で感染症や細菌感染の有無を、
北海道大学で代謝異常がなかったかなどを検査したが、いずれも5月末までに
「異常は見られなかった」との報告があったという。
この冬の雪や寒さは平年と変わらず、昨年末から阿仁熊牧場に運び込まれた19頭のヒグマや、
新築中のヒグマの飼育・展示施設とも隔離されていることから、
飼育環境の変化によるストレスが原因になったとも考えにくいとしている。
http://www.yomiuri.co.jp/local/akita/news/20140611-OYTNT50253.html