「Japanese Only」 差別だなんて、思ってもみなかった…

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「同じ言葉だ」
6日後、東京都内の高校3年金居弘樹さん(18)は新聞の写真に目を奪われた。3人の横断幕で、浦和に無観客試合の処分が下されたと報じていた。
3カ月ほど前、浅草で「Japanese Only」を目にしていた。クリスマスの日。アメリカ留学時に親友となった米国人男性(25)に、東京を案内していた。
老舗(しにせ)の天ぷら屋へ。寒空の下、5分ほど並び、店に入ろうとした時、友がささやいた。「どういうことだ」。視線の先には引き戸に貼られたA4ほどの紙。「Japanese Only」と書かれていた。
「やめたほうがいいかな」。悲しげな友の表情。ショックで、何と返事したのか、覚えていない。入らずに帰宅して、思った。「オリンピックを開く東京が、これでいいのか」

記者が店を訪ねてみると、観光客の列の先に、その貼り紙はあった。
「忙しい時だけ。差別のつもりはないよ」「こっちの立場にもなってほしいよ」。そう言い、一枚の紙を記者に見せた。
 Japanese Language Only
「日本人だけ」が「日本語だけ」になった。「これからは、これ貼るから。もういいだろ」店の奥へ引き返した。

「Japanese People Only」と書いた紙を貼っているバーが、神戸市にあるという。今月18日夜、記者はJR三ノ宮駅近くの店を訪ねた。
しかし貼り紙が見当たらない。扉を開け、もう貼っていないのかと尋ねた。「親切な人がいてね。この表示はよくない、って教えてくれたんですよ」。男性オーナー(51)が答えた。
「けんかしたり、騒いだり。こちらも英語が苦手だから、日本語が出来ない方をお断りしていた」
2年前、面識のない日本人から、正すべきだとメールが届いた。「差別だなんて、思ってもみなかった」
店の前に貼っていた紙を外し、代わりにチャージ料金など店のルールを英訳し、貼り付けた。「話せば何とかなるのに、さぼっていた。騒ぐとか暴れるとかに国籍は関係ないよね」
ミラーボールが回り、ソウルミュージックが流れる店には今、夜ごと日本人と外国人が集っている。

「明らかな差別なのに気づかない。あるいは面倒だから放置する。あの時のスタジアムは、今の日本社会の縮図なのかもしれない」

http://digital.asahi.com/articles/ASG4R6SBPG4RUTIL04W.html