片方の目の視力を失った人たちが、視覚障害者としての認定を求める「NPO片目
失明者友の会」(事務局・広島市)は15日、広島市東区の二葉公民館で初めての
総会を開いた。
全国の会員ら約25人が参加し、国に認定基準見直しを求める1万人以上の署名
と請願書を5月に提出するなどの方針を確認した。
現行の基準では、片方の目が失明しても、もう片方の矯正視力が0・6以上あれ
ば健常者とされて義眼などの補助費は受けられない一方、日常生活では不利な扱い
を受けることが多い。友の会は、広島市安佐南区の会社員久山公明さん(64)が
昨年4月に発足させ、会員数は39都道府県の285人(14日現在)にまで増えた。
この日は会員らがそれぞれの体験を語り合い、「片方の目が見えないという理由
で正社員としては採用されなかった」「医療関係者にすら障害者認定されない事実
が知られていない」などの切実な声が聞かれた。
1歳5か月の孫が右目の眼球を摘出し、義眼となった同市安佐南区のパート女性
(45)は「大きくなると傷つくことが多くなるかもしれない。いろいろな助けが
あっていいと思う」と訴えた。
海上自衛官だった20歳頃に右目を失明した東京都多摩市の会社社長渡辺勝之さん
(48)は「退官せざるを得なかったのが悔しかった。20年以上背負ってきた苦
労を話し合える仲間にようやく会えた」と話した。
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