東急東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転がスタートして16日で1年。乗り換えなしでつながった埼玉・東京方面から
横浜への誘客は成功し、みなとみらい地区への訪問者は昨年、過去最多の7200万人を記録。
元町・中華街の経済効果も国の試算で65億円とされており、上々の「相直元年」となった。
■「横浜は近い」
「街がゆったりしていてロマンチック。都内にはない魅力がある」。春の陽気に包まれた15日、埼玉県鶴ヶ島市からやって来た
会社員綿貫公祐さん(21)は、友人と中華街で肉まんを食べ歩き、元町とみなとみらいを散策した。
「渋谷や原宿に行くことが多いけど、川越から座って行けるので楽だし、近い」
昼時の中華街は、通りを歩くのも一苦労。長蛇の列ができていた中華まんの老舗「江戸清」では、
平日も女性を中心に客足が伸び、埼玉方面へのお土産の発送注文も増えたという。
商店主らで作る元町SS会の山田義人事務局長は「連休や祝日の人出は3、4割増えたんじゃないかな」とほくほく顔だ。
■軒並み上昇
横浜と埼玉県西部を結んだ相直効果は数字にはっきりと表れている。
東急電鉄によると、昨年3〜12月、東横線渋谷―横浜駅間を途中下車せずに利用した「直通旅客」は前年同期比10・1%増。みなとみらい線を
運行する横浜高速鉄道の集計でも昨年4〜12月の乗降客数は、みなとみらい駅で同20・4%増、元町・中華街駅で同9%増となった。
横浜市の調査では、昨年1年間にみなとみらい地区を訪れた「来街者」は7200万人で前年比500万人増。
沿線の事業者は、埼玉県からの客足を独自にウオッチしている。横浜駅近くの「そごう横浜店」はメンバーズカードの利用状況を分析。
昨年3月〜今年2月の前年同期比で、和光市からの来店客が30・9%増、朝霞市は26・1%増、所沢市も23・4%増と
軒並み急増した。広報担当者も「これほど伸びるとは。埼玉方面のお客様の呼び出し放送も増えました」と驚く。
山下公園に臨む「ホテルニューグランド」は昨年3〜12月、埼玉からの宿泊客が6・6%増。
みなとみらい駅近くの「横浜ベイホテル東急」(昨年4月〜今年2月)も5%増えたという。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20140315-OYT8T00814.htm