高島市の鴨川河川敷に放置された放射性物質を含む木材チップが撤去されたことを受け、県は28日、
地元の関係者に現場を公開した。
汚染状況を確認するため、県職員が住民立ち会いのもと、放射能測定用の土壌サンプルを採取した。
検査結果は3月3日に公表する。
チップは堤防管理用の無舗装路などに約650メートルにわたって敷き詰められ、一部は土嚢(どのう)
に詰められた状態で放置されていた。
昨年末に民間業者が撤去作業を始め、重機で数センチ分を土ごと削り取り、トラックで運び出すなどし、
2月26日に作業を終えた。
県はこれに先立ち、23日に25地点で土壌検査をし、うち10カ所で放射性セシウムの濃度が最高で
1キロあたり19ベクレルを検出した。
原子炉等規制法で放射性物質として扱う基準値100ベクレルを下回り、15地点では検出されなかった。
10ベクレルを超えた3地点では念のためさらに土砂を削った。
また、43カ所で空間線量を測り、いずれも国際放射線防護委員会(ICRP)の定める基準の毎時0・23
マイクロシーベルトを下回った。
この日、県による作業を見守った同市安曇川町下小川の区長、井原芳昭さん(65)は「ようやくここまで
来た。農作物などの風評被害が心配だが、現地を見てひと安心した」と話す。
撤去完了を受け、福井正明市長は「県は難しい対応を迫られたと思うが、事態を招いた管理上の問題
やその後の対応、投棄者の責任などを総括し、県民への説明責任を果たしてほしい」と述べた。
県は今後、現場を整地したうえで、住民対象の説明会を開く予定。
朝日新聞[2014年3月1日03時00分]
http://www.asahi.com/articles/ASG2X4RGGG2XPTJB00W.html 木材チップが撤去された鴨川河川敷で放射能測定の土壌サンプルを採取する県職員=高島市安曇川町下小川
http://www.asahicom.jp/articles/images/AS20140228004256_comm.jpg