草食系男子、ゆとり世代、さとり世代……。マイペースでのほほんとしていて、ガツガツとしたエネルギッシュさに欠ける若い男性に対して、「けしからん」「頼りない」と批判する声は少なくありません。
ところが、そのように男子が優しく(頼りなく)なったことを嘆き、苦々しく思っているのは実は上の世代だけで、
同世代の若い女性たちは、比較的クールに受け止めている様子。その世代間ギャップも、女と男を読み解くうえで重要な視点となります。
私は、東京・恵比寿にて女性のための人生相談ルーム「恋と仕事のキャリアカフェ」を主宰し、日々、アラサー・アラフォー女性の悩みに耳を傾けています。
数年前、若い男性の価値観、彼らに対してどのようにコミュニケーションをとるのが有効かについてセミナーを行ったところ、
会場を訪れた30代・40代の女性たちから、「職場の若い男の子とどう接したらいいかわからなかったので、とても参考になった」と、好評をいただくことができました。
ところが、会終了後の打ち上げの席で、ひとりだけ世代の違う運営スタッフ女性(当時24歳)が、
「上の世代のみなさんが、最近の男子たちにそんなにがっかりして戸惑っているなんて、今日初めて知りました」
と語り出したのです。
「私たちは男の子に、肉食っぽいタフさとか、ぐいぐいと引っ張ってくれるリーダーシップなんて、最初から期待していません。私たちが、求めるのはただ一点、『癒やし』のみです」
と、きっぱりと話す口ぶりは自然体そのもの。強がったり、皮肉を言ったりしているのではないことが伝わってきました。
「最近の男の子は頼りない……」とプリプリした感情を多かれ少なかれ抱えていた参加者女性たちは、それを聞いて一様に、「えーっ!」と驚いていました。
この「男性に男らしさを求める・求めない」というギャップは、日本のジェンダー教育が大きく影響しているものと思われます。
たとえば、中学校で家庭科の男女共修が始まったのが1993年(高校は1994年)。今の20代女性たちは、小さい頃から男女平等を旨とする教育を受けて育ってきています。
http://toyokeizai.net/articles/-/30972?page=2