もう鎖国したい。不自由しないために何か足りないものってある?
横須賀で若者の引きこもり考える講演/神奈川
ひきこもりの若者たちに支援を続けるNPO法人アンガージュマン・よこすか(横須賀市上町)理事長の
島田徳隆さんが20日、同市西逸見町のウェルシティ市民プラザで、同法人が取り組むシェアハウス事業の
現状などについて講演した。同じような境遇にある当事者家族ら約20人が集い、自立に向けて考えを深めた。
2002年から市保健所が続けている「社会的ひきこもり講演会」の一環。アンガージュマンは就労支援や
学習サポートで不登校の子どもやひきこもりの若者たちに「居場所」を提供してきた。12年10月からは
市と連携し、共同生活の中で人との接し方などを養うシェアハウスを運営している。
講演会では、実家暮らしで他人と接する機会が少なかった利用者が、困難を味わいながらも自立に
向けて内面が変化した様子を紹介。島田さんは「洗濯、炊事など生活技術が身につき、一日の過ごし方が
計画的になった。互いに尊重することを理解し、家族との関係も変わった」と効果を述べた。
講演会で実体験を語った男性(29)は中学生のころから15年間ひきこもった。1年間暮らした木造平屋の
シェアハウスではさまざまな戸惑いもあった。だが、「互いに我慢し認め合う。今までのやり方が通用せず
落ち込むこともあったが、研磨されながらなじんでいけた」と自身の成長を実感する。
ひきこもりの子どもを持つ母親らからは、「どう一歩を踏み出したのか」「家族関係はどうだったのか」などと質問があった。
「もともと(自立する)力を持っている子たちがほとんどで、今の状況を認めてあげるのが大切」と島田さん。
現在、簿記の資格を取るため励んでいる男性は、「『このままじゃいけない』と思うのは、親よりも本人の方が早い。
そこから先は(外に)出ようか出まいかという待ちの状態が続く。本人の中では早い段階で結論が出ている
場合が多い」と、当事者の揺れ動く気持ちを伝えていた。
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1402210010/