>>95続き
>若杉参謀はくるりと後ろを向き、黒板に大書された。
>”反省、自粛”
>「自らをかえりみ、自らをつつしみ、自らの一挙一動、果たして大御心にもとることなきかを自らに問うことである」
>言々火のごとき若杉参謀の一語一語であった。軍の驕慢、居留民の堕落を衝いて余すところなく、
>今、この時、真の日本人、全き皇軍に立ちかえることが出来ねば支那事変は永久に解決しないであろう、と斬ぜられた。
>満堂、声がなかった。
>私は参謀の御言葉の中に日中事変そのものの不道義性へのお怒りを感じた。
>全員起立のうち、若杉参謀が退席された。
>退席されるや否や、総軍高級副官が冷汗をぬぐいながら、われわれ尉官に対し、
>「只今のお言葉は、何ともその、恐れ多い次第であるが、
>その何というか、あまり、いやまあ、なるべくだな、外部には、口外せんようにな」
>汗をふきふき、しどろもどろの高級副官であった。
>若杉大尉参謀は、支那派遣軍総司令部における三笠宮崇仁親王殿下の御名であった。
当時の皇族に罵倒された軍隊の所業を擁護する百田、安倍一党は
逆賊
である