ゴミ出しルール すぐ言える
現場を歩く 英語教育
宇都宮大 日本語禁止の授業
「ゴミ出しのルールを英語で説明できる人」――。
国立宇都宮大学が養成を目指す人材像は明確だ。その程度の力があれば、日常生活は送れるはずだからだ。
農、工、国際、教育の4学部すべての1年生計約1000人に、英語だけで進める英語授業を課す。
小春日和のある日、同大の廊下を歩いていると、複数の教室から英語と笑い声が聞こえた。その一つをのぞくと、
「Don’t be shy!(恥ずかしがらないで)」と外国人教員の大声が。学生が店員と客に扮ふんして寸劇をしていたのだ。
隣の教室では、ビンゴゲーム真っ最中。教員が英語で早口に読み上げる数字に首をかしげ、「今の『121』?」と困惑顔で話し合う男子学生もいる。
雑然としながら活気にあふれた授業。石田朋靖副学長は「とにかく日常で使える英語を身につけさせたい」と話す。
この授業は5年前、卒業生の不満を機に始まった。「大学の英語は使えない」。職場で、地域で、国際化は進んでいるのに……。
卒業生の声を受け、同大はまず、新入生にTOEIC受検を課した。英語力を把握するためだ。
その結果、約200点から600点超まで、学生によって大きな差があることが分かり、成績順に5段階のクラス別指導で力を養うことに。
必要な約20人の教員は新たに採用。欧米の大学院で英語教授法を専攻した経歴を持つことを条件にした。
授業は週3回行う。うち1回はその時話題になっている映画が教材だ。ゲームや寸劇なども交え、楽しみながら学ぶ工夫を凝らす。
ただそれだけではない。毎週50〜150ページの英文教材を読み、手書きの感想文提出も求められ、ハードだ。
(
>>2以降に続く)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/campus/jitsuryoku/20140110-OYT8T00770.htm