国立公園などの登山道を走るトレイルラン(トレラン)が東京・奥多摩でも盛んになっている。
トレランの大会は地域の活性化などに役立つ一方で、一般の登山者からは衝突などへの心配や、自然・野生動物への悪影響を懸念する意見もある。
主催者や参加者が守るべきガイドライン(指針)が必要な時期に来ている。
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ただ、ボランティアで環境保全・調査活動をしている国立公園奥多摩サポートレンジャー会顧問の石井秀典さん(73)は
「駆け抜けるランナーと衝突しそうで危ない。登山道から外れて植物などを踏み荒らす心配もある」と話す。
国内のトレラン大会の草分けで、21回目を迎えた「長谷川恒男CUP」(通称ハセツネCUP、実行委主催)。
昨年は10月13〜14日、2500人が参加して行われた。あきる野市内の中学校をスタートし、71・5キロのコースを24時間以内で走るのがルールだ。
コースに組み込まれている三頭山(1531メートル)は同国立公園内でも自然が残され、貴重なブナ林もある。
国特別天然記念物のニホンカモシカや、絶滅のおそれがあるツキノワグマも生息。
ハセツネCUPはここの登山道を昼夜を問わず走る。
先月4日に開かれた日本山岳会(千代田区)や日本勤労者山岳連盟(新宿区)など山岳7団体の自然保護担当者による
「山岳団体自然環境連絡会」の会合。
ハセツネCUPなど参加者が数千人に及んだり、トレラン大会が急増したりといった現状を心配する声が相次いだ。
一方、ハセツネCUPの宮地由文実行委員長は「トレイルランナーも登山者。健康志向で山に登っている中高年の人たちだけが登山者ではない。
高齢化が進む登山界の活性化にも貢献しているはず」と反論。
「大会後に出場選手の一部も加わって、大会中に傷んだ登山道やその周辺の修復を行うなど自然保護への意識は総じて高い」と強調する。
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