米NJ州共和党知事、報復渋滞疑惑で側近を解雇
2016年の米大統領選の共和党側有力候補と目されるニュージャージー州のクリス・クリスティー知事は、政治的動機から
ジョージ・ワシントン・ブリッジの交通を阻害したとされる側近を解雇した。この事件については連邦捜査当局も調査に乗り出しており、
同知事は、スキャンダルから距離を置こうと躍起になっている。
問題となっているのは、昨年9月にニュージャージー州フォートリーとニューヨークのマンハッタンを結ぶこの橋が、
数日間通行規制され交通がマヒした件。これは、フォートリーのマーク・ソコリッチ市長が昨年の同州知事選で現職のクリスティー知事を
支持しなかったことに対する報復だったとの疑惑が浮上している。同知事選では、クリスティー知事が再選されている。
ニュージャージー州検察当局の報道官は9日、「連邦法違反があったかどうか調査する」と明らかにした。
クリスティー知事は同日、立法・政府間問題担当のブリジット・アン・ケリー副首席補佐官を解雇し、その後の記者会見で
「私のチームの行為に当惑するとともに恥ずかしく思っている」と述べ、ニュージャージー州とフォートリーの市民に謝罪した。
2013年8月に、ケリー氏は当時ジョージ・ワシントン・ブリッジを管掌するニューヨーク・ニュージャージー港湾局の幹部だった
クリスティー知事の友人のデービッド・ウィルドスタイン氏に、「交通渋滞を起こしてほしい」との電子メールを送った。
ウィルドスタイン氏は「わかった」と返事し、9月に閉鎖を実施した。この電子メールのやり取りは、8日に公表された。
閉鎖は、ソコリッチ市長に対する政治的な報復とみられている。
クリスティー知事は、ソコリッチ市長とは知り合いではなく、同市長に知事選での支持を求めていたことも知らなかったと指摘、
同ブリッジの閉鎖のことは「まったく知らなかったし、関与していない」と述べた。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304893004579311171450964330.html