少子高齢化で消防団員が集まらない ポンプ操法の早朝練習が嫌
行政・政治 : 消防団員確保が「喫緊の課題」
諏訪市の消防団員が、市の条例定数959人に対して816人(昨年10月時点)にとどまっている。充足率は85・1%で、諏訪地方では最も低い。
市内は人口の空洞化が進むJR上諏訪駅周辺と、過疎化する山間部の人員配置が手薄なのが現状だ。
藤森芳樹団長(58)は「火災だけでなく、水害や地震など大規模災害の対応が難しくなる」とし、「喫緊の課題」として団員確保に努めている。
2011年までは定数に近い923人が在籍した。しかし、12年に団事務局(諏訪消防署)が、活動実態がない団員を退団させる「除算」をしたため、
充足率は9割に満たなくなった。同署によると、団員には日額の出動手当のほか、
年額の報酬が支払われるため、除算は「団員間に不平等が生じていた」のを理由に行った。
定数は、市が2村を吸収合併し、分団数が8となった1955年から変わっていない。
2001年をピークに減少する人口に合わせた定数の見直しは「住民の理解が得られるか難しい」として行っておらず、
「各分団で定数確保を目指し、署でも良策を模索中」という。
入団勧誘は、若者がいる家庭の訪問や新成人への声掛けなど草の根運動を続けるものの、少子高齢化や就業構造の変化、
地域の帰属意識の低下などの問題が背景にあり、一筋縄ではいかない。ある団幹部は「訪問に応じてくれなかったり、
夜勤を理由にポンプ操法の早朝練習を嫌がったりする」と苦労を漏らす。
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