宮城・熊の作遺跡:東北最古級の「木簡」出土
宮城県教委は19日、山元町坂元の「熊の作遺跡」から約1300年前の東北地方最古級の「木簡」が出土したと発表した。
これまでに、多賀城跡(多賀城市)、秋田城跡(秋田市)、郡山遺跡(仙台市)などでも出土しているが、
県教委では「最も古い木簡で、8世紀初めの陸奥国で大宝律令が定める地方行政が行われていたことを明示する貴重な資料」と話している。
木簡は長さ31.6センチ、幅3.6センチ、厚さ0.7センチで、左辺は割れている。
文字は一部不鮮明だが、赤外線撮影で「信夫郡(しのぶぐん)安岐里人(あきさとのひと)」の記述に続き、「大伴部法麻呂(おおともべのまろ)」「丈部伊麻呂(ほせつかべのいまろ)」など男性4人の名前が記されていることが分かった。
大宝令の郡里制が施行された時期(701〜717年)に使用されたと見られる。
熊の作遺跡、隣接する向山遺跡など8遺跡がある山元町坂元は、信夫郡安岐里(現在の福島市と福島県川俣町の境付近)から北東約40キロに位置。
これまでの発掘調査で奈良から平安時代にかけた鉄製品を生産する大規模な工房があったと確認されている。
木簡は信夫郡安岐里に本籍を持ち、工房などで働いていた人を管理する名簿と見られている。
出土した木簡は20日〜来年1月26日、山元町歴史民俗資料館で公開する。
http://mainichi.jp/feature/news/20131220k0000m040021000c.html