択捉島 単冠湾   真珠湾攻撃の出撃拠点は今   当時在住の龍田さん、故郷を訪れる

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【深沢博】「大本営発表 帝国陸海軍は8日未明、西太平洋において米英軍と戦闘状態に入れり」

 ラジオから臨時ニュースが流れたのは1941年12月8日の朝。続いてハワイ・真珠湾での勝報が伝えられた。
真珠湾攻撃の出撃拠点となったのが、択捉島の太平洋側にある単冠(ひとかっぷ)湾だった。

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 「朝、海を見ると、湾が真っ黒に見えるくらいたくさんの船が入っていた。初めて見る軍艦の群れ。
見ちゃダメだと言われたけど、おっかなびっくり見ていました」と、札幌市西区の龍田淳子さん(79)は振り返る。
湾岸の集落、天寧の郵便局長の長女で小学2年生だった。
 札幌市白石区の森山キクヨさん(88)は、湾の入り口に近いトマカラウスの集落で両親の漁業の手伝いをしていた。
「11月の末、恐ろしいくらいの数の艦船が次から次へと湾の中に入っていくのを見た。数日たったら1隻を残して跡形もなく消えていた」
 記録などによると、海軍機動部隊は11月23日までに単冠湾に集結し、26日午前6時に出港。
まだ暗く濃霧が立ちこめていたという。
 だが2人とも、それが太平洋戦争の始まりであり、その結果、生まれ故郷が今も自由に行き来ができない
「北方領土」となる出発点であったとは知る由もなかった。
 「それでも、島は平和だった。けれども、戦争が終わったと聞いて間もなく、『ソ連軍が来るぞ!』ということになって」。
女と子どもは昼間、山の中の洞穴に隠れ、父が身を潜めて食事を運んでくれたと森山さんは話す。

 やがて上陸したソ連兵は、時計から胴付きかっぱまで奪い、男は労働に駆り出された。47年、
ソ連が島民に最初の退去命令を出した時、大工だった森山さんの夫は旧天寧小学校の改修工事をしていて
「帰さない」と言われ、家族で島に残った。翌年の第2次退去命令で、ほぼすべての日本人は島を追われた。
森山さん一家もサハリン経由で10月、函館の土を踏んだ。


2009年の夏、龍田さん、森山さんは妹弟らとともに北方領土の墓参団に加わり、
単冠湾の天寧桟橋から択捉島に上陸した。

つづく
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http://www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20131203010950001.html
2番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2013/12/10(火) 19:42:58.83 ID:x3m3rwPG0
記者も同行取材した。しかし、波が高く、森山さんの父が眠るトマカラウス、夫と暮らしたグヤへは上陸できなかった。
2人は今年も墓参に参加したが、またしてもトマカラウスへは行けなかった。
 森山さんは島への思いをこう語る。「かつて住んだ集落も墓地も、今は草の原になっているけれど、
澄み切った青空を目にして、それにもまして島の空気が吸えるだけでうれしい。23歳まで暮らした島だから」

 今、北方領土への訪問手段は、日ロ政府が特例として認めた北方墓参など三つに限られる。
終戦時、四島には約1万7千人の日本人が住んでいた。元島民はいま、平均年齢79歳、約7千人に減った。

 「夫は『島に行きたい。日本固有の領土なのに、どうして行けないんだ』と言い続け、1987年に亡くなった。
択捉島への墓参が始まったのは、その3年後。どんなにか悔しかったろうと思います」と森山さん。

 龍田さんも言う。「父や兄は返還運動に力を注いだが、今はもういない。
生まれ故郷に自由に行き来できないもどかしさ。あれ(単冠湾を埋めた軍艦の群れ)がすべての始まりだった。
戦争さえなければ、こんなことにはならなかったのに」

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 太平洋戦争の開戦から8日で72年がたつ。
改憲が現実味を帯びるなど日本社会が大きな曲がり角を迎えつつある中で、
戦後の日本社会を築く原点となった「あの戦争」の時代を知る人、受け継ごうとする人を、この冬も記者が訪ね歩いた。
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20年前にNHKでやってた「エトロフ発緊急電」ってドラマが面白かった

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%95%E7%99%BA%E7%B7%8A%E6%80%A5%E9%9B%BB

概要
第二次世界大戦前夜、日本海軍の動向を探るため、憲兵に追われながらも単身日本(東京〜エトロフ島)に潜入した日系アメリカ人スパイと、
それとは知らずに恋に落ちる薄幸な女。そして彼らを取り巻く、様々な思いを抱く人々。戦争に翻弄される人々の過酷な運命を描く。