政府は二十九日の閣議で、緊急時に海外で邦人の陸上輸送を可能とする改正自衛隊法
が成立したことを受け、自衛隊員が携行できる武器の種類を機関銃や拳銃、小銃に限定
していた一九九九年の閣議決定を見直し、制限を撤廃する新方針を決めた。
新方針は、自衛隊員が生命や身体、車両などを守るため携行する武器について「必要か
つ適切なものにする」と明記。
具体的な武器の種類を明示しないことで、派遣先の治安状況に見合った対応を可能とす
る狙い。
携行武器の範囲が際限なく広がりかねないとの懸念に対し、政府は武器の持ち込みは
派遣先の国の事前同意を前提としており一定の歯止めになるとの見解を示している。
制限撤廃により、テロ攻撃が発生する危険のある国では、戦車を攻撃できる威力を持
つ「無反動砲」を使用することもできるようになる。
改正法成立で、これまで航空機と船舶に限定していた輸送手段に新たに車両が加わ
るため、テロ攻撃などに対する安全確保策が検討されていた。
自衛隊の携行武器をめぐっては、緊急時に航空機での邦人輸送が可能になったのに
合わせて九三年に機内の秩序維持などを除き「武器を携行せず使用しない」と定めた。
九九年に海上輸送が認められた際に小銃などの携行を認めた。
東京新聞[2013年11月29日 夕刊]
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013112902000252.html