入試偏差値、算定できず 原発事故で避難の相双地区8高校
福島第1原発事故で移転した福島県相双地区の県立高8校の入学試験の偏差値が算定不能になっていることが分かった。
移転に伴う規模縮小と定員割れで算出できなくなった。受験業界は事故前の偏差値を据え置いて表示しているが、見掛けの数字で実態を反映していない。
8校は小高工高、小高商高(福島県南相馬市)、相馬農高飯舘校(福島県飯舘村)、双葉高(福島県双葉町)、
浪江高、浪江高津島校(福島県浪江町)、双葉翔陽高(福島県大熊町)、富岡高(福島県富岡町)。避難区域指定で福島県いわき市などに移り、仮校舎で授業を再開した。
8校は2012年度の入試から定員を最大で4分の1に減らしたが、それでも全校で定員割れが続いている。
県内の高校の偏差値を算定している福島新教育研究協会(福島県郡山市)によると、8校の偏差値は原発事故後、据え置きの状態が続いている。
双葉高の場合、事故前の11年度の「51」を事故後の12〜14年度もそのまま使っている。
協会は「偏差値は模擬試験受験者の合格実績や募集定員から分析して定めるが、8校は規模縮小と定員割れが続き、
算定が難しく、据え置きの見掛けの数字で表さざるを得ない」と話す。
8校は定員割れに伴って全員合格の状態が続き、実際の偏差値は見掛けの数字より低いとみられる。
双葉高の刈屋俊樹校長は「学校としては、こういう状況でも本校を希望してくれる生徒を精いっぱい受け入れ、支援したい」と話している。
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/11/20131119t61010.htm